東京オペラシティの同時代音楽企画 コンポージアム2013「ハリソン・バートウィスルを迎えて」

アーティスト プロフィール

ハリソン・バートウィスル [作曲家・2013年度武満徹作曲賞審査員]

Sir Harrison Birtwistle, composer/judge of Toru Takemitsu Composition Award 2013

© Hanya Chlala/Arena PAL

作曲家。1934年7月15日、北イングランド・アクリントン生まれ。王立マンチェスター音楽大学(現・王立北部音楽大学)でクラリネットと作曲を学び、同世代のピーター・マクスウェル・デイヴィス、アレクサンダー・ゲール、ジョン・オグドン、エルガー・ハワースらと親交を結ぶ。1965年からは作曲に専念し、またたく間に国際的な評価を確立した。オペラ、あるいは声楽・器楽に演劇の要素を融合したシアトリカルな作品を得意とし、卓越したオーケストレーション、特に管楽器の活用は大きな特徴の一つと言える。 『パンチとジュディ』(1967)、『オルフェウスの仮面』(1973-1984)、『ガウェイン』(1991/1994)、『最後の晩餐』(1998-1999)、DVD化もされている『ミノタウロス』(2008)などのオペラをはじめ、オーケストラのための《時の勝利》(1972)、《アース・ダンス》(1986)、バレンボイム指揮シカゴ交響楽団が初演した《エクソディ》(1997)、「プロムス」ラストナイトで初演された《パニック》(1995)、クリーヴランド管弦楽団委嘱作品《夜の影》(2001)、《パルス・シャドウズ》(1989-1996)、《テーセウス・ゲーム》(2002)、《夜のブラックバード》(2004)、《エンゼル・ファイター》(2010)など多数の作品を発表、世界各地で演奏されている。2011年3月には、テツラフ独奏、レーニンガー指揮ボストン交響楽団により《ヴァイオリン協奏曲》が初演され話題となる。 1988年にナイトに叙され、2001年にコンパニオン・オブ・オナー勲章を受勲したのをはじめ、グロマイヤー賞(1968)やジーメンス音楽賞(1995)など受賞・受章も多数。これまでにロンドン・ナショナル・シアター音楽監督、キングス・カレッジ・ロンドン教授、ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックの作曲科ディレクターを務めるなど、長きにわたり現代イギリス音楽界のリーダーの一人として尊敬と注目を集めている。作品は、Boosey & Hawkesおよび Universal Editionから出版されている。

「Birtwistle on Birtwistle」(Boosey & Hawkesのサイト)
バートウィスルへのインタビュー動画

ステファン・アズベリー(指揮) Stefan Asbury, conductor

5/23「ハリソン・バートウィスルの音楽」

© Eric Richmond

1965年生まれ。オックスフォード大学、王立音楽院、タングルウッド・ミュージックセンターで学ぶ。デビュー当初よりオペラと現代作品の優れた解釈で評判を高め、ナッセン、ライヒ、バートウィスル、リーム、ターネージら第一線の作曲家たちからの信頼も厚い。近年も、アダムズ『フラワリング・ツリー』(パース)、リーム『ヤコブ・レンツ』(ウィーン芸術週間)、ブリテン『オーウェン・ウィングレイヴ』(タピオラ・シンフォニエッタ)『真夏の夜の夢』(カールスルーエ)、ファン・フライメン『ティエステ』世界初演(モネ劇場)など数々のオペラを指揮し絶賛を博している。これまでにボストン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロサンゼルス・フィル、アンサンブル・モデルン、ロンドン・シンフォニエッタ、アンサンブル・アンテルコンタンポランなど世界各地の著名オーケストラや音楽祭に出演。現在、北オランダ管弦楽団の首席指揮者を務める。また、ケルンWDR交響楽団を指揮したCD『グリゼイ《音響空間》』はドイツ・シャルプラッテン賞を受賞するなど、数々の優れた録音も行っている。1998年、東京オペラシティ文化財団の招きにより初来日。ホリガーのヴァイオリン協奏曲《ルイ・ステールへのオマージュ》日本初演(ソロ:トーマス・ツェートマイアー、大阪センチュリー交響楽団)などを指揮した。

工藤俊幸(指揮) Toshiyuki Kudo, conductor

5/26「2013年度武満徹作曲賞本選演奏会」

1966年山形県に生まれる。国立音楽大学音楽学部作曲学科卒業。桐朋学園大学音楽学部オーケストラ研究科指揮専攻修了。指揮を崎田俊治、黒岩英臣、飯守泰次郎の各氏に、作曲を故増田宏三、島岡譲の両氏に師事。1992年オーディションで選ばれ仙台フィル副指揮者に就任。外山雄三音楽監督のもと、1996年までその任を務める。その後一年間ベルリン・ドイツ・オペラで研修。帰国後は全国各地のプロオーケストラを指揮する傍ら、合唱指揮者としてもNHK交響楽団定期演奏会(H.シュタイン指揮)や読売日本交響楽団定期演奏会(G.アルブレヒト指揮)で二期会合唱団の合唱指揮を務め高い評価を得た。山形交響楽団指揮者、群馬交響楽団指揮者を歴任し、定期演奏会や東京特別演奏会を指揮する。現代音楽の分野でも定評があり、ミュージックトゥデイへの出演や池辺晋一郎氏や林光氏のオペラ作品を初演。また佐藤聰明作品を指揮したCD『仄かなる闇』がカメラータより発売されている。国立音楽大学、桐朋学園大学講師。

ダニエル・ホープ(ヴァイオリン) Daniel Hope, violin

5/23「ハリソン・バートウィスルの音楽」

© Harald Hoffmann/ Deutsche Grammophon

1974年生まれ。英国王立音楽大学で学んだ後、英国王立音楽院でザハール・ブロンに師事。11歳のときユーディ・メニューインに見出され、今や「デュプレ以来、もっともエキサイティングな英国人弦楽器奏者」(ロンドン・オブザーバー)と評される。これまでにボストン響、シカゴ響、ロサンゼルス・フィル、イスラエル・フィル、ベルリン放送響、オスロ・フィル、BBC響、モスクワ放送響、N響など世界の著名オーケストラと共演。またBBCプロムス、ザルツブルク、ルツェルン、ラヴィニア、ヴェルビエ、タングルウッド、アスペンなど欧米各国の音楽祭にも定期的に登場。2002年〜2008年には名門ボザール・トリオのヴァイオリニストも務めた。現在ドイツのメクレンブルク=フォアポンメルン音楽祭芸術監督、アメリカのサヴァンナ音楽祭準芸術監督を務める。2004年、ベルクとブリテンの協奏曲の録音が、英クラシカル・ブリット賞、ドイツ・レコード大賞、エコー・クラシック賞を受賞。2007年にドイツ・グラモフォンと専属契約。また、執筆、脚本なども手がけ、ラジオやテレビの司会者としても活躍。使用楽器は1742年製グァルネリ・デル・ジェス「Ex-Lipinski」。

東京交響楽団 Tokyo Symphony Orchestra

5/23「ハリソン・バートウィスルの音楽」

1946年創立。音楽監督にユベール・スダーン、桂冠指揮者に秋山和慶、常任指揮者に大友直人、正指揮者に飯森範親、首席客演指揮者にクシシュトフ・ウルバンスキを擁している。2014年度からはジョナサン・ノットが音楽監督に就任する。サントリーホール定期演奏会、川崎定期演奏会、東京オペラシティシリーズを主催するほか、新国立劇場のレギュラーオーケストラとして毎年オペラ・バレエ公演を担当。現代音楽の初演などにより、文部大臣賞、音楽之友社賞、京都音楽賞大賞、毎日芸術賞、文化庁芸術作品賞、サントリー音楽賞などを受賞。2012 年度より設けられた文化庁「トップレベルの舞台芸術創造事業<年間支援>」初年度4オーケストラに選定されている。川崎市のフランチャイズ、新潟市の準フランチャイズ・オーケストラとして地域での活動にも力をいれている。教育面でも「こども定期演奏会(サントリーホールとの共催)」「0歳からのオーケストラ」を行い注目を集めている。海外公演も数多く行っており、これまでに53都市 71公演を行っている。

http://tso.jp/

東京フィルハーモニー交響楽団 Tokyo Philharmonic Orchestra

5/26「2013年度武満徹作曲賞本選演奏会」

1911年創立。2011年、日本のオーケストラとして最初の100周年を迎える。約160名のメンバーをもち、シンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せもつオーケストラ。2010年4月より、ベルリン国立歌劇場やメトロポリタン歌劇場をはじめとする世界の楽壇で活躍するダン・エッティンガーを常任指揮者に迎える。自主公演の他、新国立劇場などでのオペラ・バレエ演奏、NHK他の放送演奏など、高水準の演奏活動を展開。海外公演も積極的に行い、特に2005年11月のチョン・ミョンフン指揮による「日中韓未来へのフレンドシップツアー」では、中国、韓国で7公演を実施し、各地で絶賛を博し「世界のファーストクラス・オーケストラ」を強く印象づけた。オーチャードホールとフランチャイズ契約を結び、文京区、千葉市、軽井沢町と事業提携している。

http://www.tpo.or.jp/


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© 2013 Tokyo Opera City Cultural Foundation