B→C バッハからコンテンポラリーへ
217 駒田敏章(バリトン)

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日時:
2019年12月10日[火]19:00
会場:
リサイタルホール     ホールへの行き方

「アメリカ」を軸に、
詩と音楽から現代を見つめなおす
注目のプログラム。


インターネット予約終了

[東京オペラシティチケットセンター]
TEL.03-5353-9999

[出演]

駒田敏章(バリトン)

[共演]
居福健太郎(ピアノ)

[曲目]

  • アダムズ:《中国のニクソン》(1985〜87)から「ニュース」
  • ローレム:ウォルト・ホイットマンの5つの詩(1957)
  • ローレム:《戦争の情景》(1969)から:「或るできごと」「大統領就任舞踏会」
  • デル・トレディチ:《3つのバリトン歌曲》(1999)から「静けさ」「マシュー・シェパード」
  • J.S.バッハ:カンタータ第56番《私は喜んで十字架を背負おう》BWV56から「私は喜んで十字架を背負おう」
  • アデス:ブラームス(2001)
  • バートウィスル:ネズミは感じた…(2005)
  • J.S.バッハ:《ヨハネ受難曲》BWV245から「見つめよ、我が魂よ」
  • コルンゴルト:《死の都》op.12から「私の憧れ、私の幻」
  • コルンゴルト:《道化の歌》op.29から「来たれ、死よ」
  • ヴァイル:《マハゴニー市の興亡》から「アラバマ・ソング」
  • ヴァイル:《ウォルト・ホイットマンの4つの歌》から「打て!打て!太鼓を!」
  • アイスラー:《まる頭ととんがり頭》op.45から「お金がもたらす力についての歌」
  • アイスラー:《ハリウッド・ソングブック》から「小さなラジオに」「帰郷」
  • アダムズ:《ドクター・アトミック》(2004〜05)から「私の心を叩き砕いてください、三位一体の神よ」

  • チケット情報
  • 公演について
  • 出演者プロフィール
  • インタビュー

チケット情報

[料金]全席自由
¥3,000(税込)
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売:8月23日[金](特典:10%割引)
「インターネット予約」会員優先発売:8月28日[水]
一般発売:8月30日[金]
[チケット取り扱い]

インターネット予約終了

公演について


© 寺司正彦

駒田敏章はセイジ・オザワ松本フェスティバルや小澤征爾音楽塾でのオペラ出演、新国立劇場では2019年『ウェルテル』ジョアン役を歌い、2020年『ジュリオ・チェザーレ』クーリオ役も発表されているバリトン。「自分らしくB→Cのコンセプトを生かしたい」と彼が組んだプログラムは、自身の活動の中心と定めている歌曲とそれを学んだベルリンで受けた影響が出発点。さながら一冊の短編集のなかで「アメリカ」「歌曲芸術に大きな功績を果たした演奏家の詩」「第2次世界大戦」といったテーマが現在から過去へ、また過去から現在へと交錯するかのように、それぞれの世界を構築していきます。
かねてより歌いたかったジョン・アダムズ、20世紀アメリカ芸術歌曲の作曲家としてもその名が挙がるローレム、さらにデル・トレディチの作品が並んだ前半は「アメリカ」がテーマ。そしてバッハに挟まれたアデスとバートウィスルの2曲は名ピアニスト・ブレンデルの詩が用いられたもの。コルンゴルト、ヴァイル、アイスラーは戦争の足音が大きくなっていった時代にアメリカへ移っていった者たち。さらに「後半は現世の苦難と試練から救われるための祈りを歌うバッハのカンタータで始め、神に対する強烈な祈りの言葉が美しいメロディで描かれるアダムズ『ドクター・アトミック』のアリアで締めくくりたかった(駒田)」という意図も込められています。
詩と音楽から現代を見つめなおす、注目のプログラムです。


出演者プロフィール

駒田敏章(バリトン)

Toshiaki Komada, baritone
© 寺司正彦
名古屋市出身。愛知教育大学を経て、東京藝術大学大学院修了。大学在学中はドイツ歌曲とオラトリオを中心に学ぶ。藝大創立120周年企画グリーグ『ペール・ギュント』全曲演奏会ではペール役を演じた。卒業後はオラトリオを中心に活動。バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとしても活動した。その後、新国立劇場オペラ研修所11期に在籍しオペラを学ぶ。研修所を修了後、文化庁海外派遣制度でドイツ・ベルリンに留学。オランダ・グローニンゲンで開催された音楽祭でラヴェル『スペインの時』ラミーロ役にオーディションで選ばれ出演しLabberte-Hoedemaker Awardを受賞した。2014年小澤征爾音楽塾ラヴェル『子供と魔法』のカバーキャストを務めてから、小澤征爾音楽塾とセイジ・オザワ松本フェスティバルには毎年関わっている。新国立劇場では様々なカバーキャストを務めてきたが、近年はジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』、マスネ『ウェルテル』に出演し、2020年にはヘンデル『ジュリオ・チェーザレ』への出演が決まっている。オペラの活動と同時に歌曲の演奏にも力を入れており、東京・春・音楽祭ではピアニストの小菅優、居福健太郎と共にシェイクスピア作品を取り上げ演奏した。第83回日本音楽コンクール第1位。

インタビュー


© 寺司正彦
駒田敏章

セイジ・オザワ松本フェスティバルや小澤征爾音楽塾、新国立劇場などで活躍するバリトン、駒田敏章がB→Cに登場。
「聴きに来られるお客様に媚びることなく、しかし楽しめるプログラムに」と考え、こだわり抜いた今回の選曲のテーマは「アメリカ」「ピアニストの詩」そして「第二次世界大戦」。それぞれの作品についてメールインタビューで語っていただきました。

声楽家をめざすことになったきっかけは?

もともと愛知教育大で音楽教師を目指していたのですが、その過程でシューベルト、シューマン、ブラームス等のドイツリートを勉強した時にクラシック音楽の魅力に改めて気づき、この世界にチャレンジしてみようと思ったのです。そして東京藝大、同大学院へと進みました。

駒田さんは2014年の日本音楽コンクールではヴォルフの歌曲を歌い、1位となりました。歌曲とオペラ、両方が活動の軸と仰っていますが、それぞれの魅力は?

オペラは作品の中の役を演じるわけですが演出家、指揮者、オーケストラなど多くの人間とのアンサンブルになります。たくさんの人間の力が合わせられることによって生まれるエネルギーに魅力を感じます。
一方歌曲は音楽そのものにより深く集中し、突き詰めれば詩を朗読しているようなもの。ディテールにこだわって、繊細でダイナミックな表現にチャレンジできることも歌曲を歌う時の魅力です。
オペラの経験は歌曲の世界に凝縮されるし、歌曲の経験はオペラの世界での表現を広げてくれます。自分にとっては両方をやっていくことで相乗効果を感じています。

上記のコンクール受賞の頃は、ベルリンでも学ばれていたそうですね。

はい、ちょうどその頃はベルリンと日本を行ったり来たりしていました。自分の歌の先生(ローマン・トレーケル)もいますし、ドイツ語のオペラをやらなくてはならない時は、今も必ずベルリンで演出家と共に台詞を学ぶようにしています。ベルリンという街は保守的なものと革新的なものが同居していて毎回刺激を受けますし、今回のプログラムを決めるにあたって大きな影響を受けた街でもあります。
後期ロマン派以降の音楽に大きく興味を持ったのはベルリンの影響が大きいと思います。何よりプログラムにチャレンジしていく精神を学びました。あちらでの演奏会はどんなジャンルでも、聴衆に簡単に受けるものだけではなく、未知の物を提示していくプログラムが多かったように思います。

そのB→Cはかなり凝った選曲です。

テーマは大きく3つ。前半は「アメリカ」、休憩の後はバッハで挟まれた「ピアニストの詩」、そして「第二次世界大戦」です。バッハと戦時中にアメリカへ亡命した3人の作曲家を除くと、その他は我々と同じ、或いは近い時間を生きている作曲家の作品です。
今回に限らずこだわっているのは、一晩のコンサート全体が1つの作品になるようにすること。聴きに来られるお客様に媚びることなく、しかし楽しめるプログラムにすることです。

プログラムの最初と最後に置いたのはジョン・アダムズのオペラ作品です。

アメリカの同時代音楽でアダムズは外せないと思いました。『中国のニクソン』はニクソン大統領のモノローグで、コミカルではありますが歴史を動かす人物の内面が表現されています。ワーグナーとジャズを足したようなハーモニー感も聴きどころです。『ドクター・アトミック』は原爆を作ったオッペンハイマー博士のシリアスなモノローグ。歌そのものはとてもメロディアスであるがゆえに心を打ちます。

これまでアダムズ作品を歌ったことは?

新国立劇場オペラ研修所に在籍していた時、いろいろなオペラの場面を演奏する公演があったのですが、そこで自分に割り当てられた役が『中国のニクソン』の周恩来役でした。ミニマルミュージックでのオペラは衝撃的で、その時すぐ彼の作品を色々聴き始めました。

ローレムやデル・トレディチはアメリカ歌曲の代表的な作曲家たちです。

ネッド・ローレムの《5つの詩》ではメロディの美しさに驚くと思います。そして歌詞はアメリカ文学において最重要の詩人ウォルト・ホイットマン。彼らの関係はいわばドイツ歌曲における「シューベルトとゲーテ」のようにも思えます。音楽と詩のアンサンブルをみせられる作品です。
デイヴィッド・デル・トレディチはゲイである事をカミングアウトしており、《マシュー・シェパード》はそれにまつわる曲ですが、作曲者本人がプログラムノートで「魂が身体を離れる瞬間を音楽で囲み、痛みを至福へと変える」と語っています。そんな特別な瞬間が作曲され、とても美しいです。また同じ曲集の《静けさ》は俳句のような世界観であると、作曲家自身のプログラムノートに書かれているのも興味深いです。

アデスとバートウィスルはいずれも現代を代表する世界的作曲家ですが、イギリス人。今回のコンセプトにはまるのですか?

この2曲はどちらも偉大なピアニスト、アルフレッド・ブレンデルの詩に作曲されました。ブレンデルとフィッシャー=ディースカウのシューベルト《冬の旅》は昔から愛聴していて好きなピアニストなのです。彼の演奏から歌曲におけるピアニストの役割と重要性を教わりました。アデスはブラームス作品から引用しつつ重厚な作曲をし、バートウィスルの《ネズミは感じた…》はシュールな感じの作品。「歌曲芸術に重要な足跡をのこした演奏家の詩」として取り上げました。どちらもいわゆる現代曲といった雰囲気ですが、ブレンデルの詩そのものはコミカルです。

コルンゴルト、ヴァイル、アイスラーは第二次世界大戦の時代に、アメリカへ亡命した作曲家たちですね。

バリトンの名曲となったコルンゴルト『死の都』からのアリアは、最も思い入れのある曲で、自分にとっての幸運のアリアと言えるかもしれません。高めのバリトンの声質が生きる美しい曲だと思います。
退廃的な雰囲気が魅力のクルト・ヴァイル《アラバマ・ソング》と出会ったのは高校時代で、ドアーズのCDからでした。その当時はロックの名曲だと思っていたのですが、まさかオペラの世界で再び聴く事になるとは思いませんでした。ドアーズの他にもデヴィッド・ボウイ、マリリン・マンソンも歌っています。
ハンス・アイスラーの《小さなラジオに》は昔聴いていたスティングの作品に《シークレット・マリッジ》という曲があるのですが、まったく同じメロディで、歌詞は違うのですがピアノ伴奏も同じ形です。しかしまるでスティングの曲であるかのように彼の声に馴染んでいて気づかなかったのです。アイスラーを使うスティングの知性に驚きましたし、現代のアーティストに影響を与えるアイスラーの音楽を素晴らしいと思いました。

駒田さんはバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)のメンバー経験もあるそうですが、ご自身にとってバッハとは?

BCJはバロック音楽の演奏スタイルを初めて知った場所でした。そしてバッハは好き嫌いでは語れない別格の作曲家です。
バッハ作品を歌うことはとても難しいけれど、同時に自分は音符と音符の間に色気を感じます。
そして今回カンタータ第56番を選んだのは曲の内容からです。《私は喜んで十字架を背負おう》で後半を始め、アダムズの《私の心を叩き砕いてください、三位一体の神よ》で後半を終えたかったのです。

共演者の居福さんについてもご紹介ください。

大学の同級生で付き合いは長く、信頼しているピアニストの1人です。彼のピアノで歌っている時、その音が背中を押してくれる感を覚えます。ただ油断しているとこちらが食われます(笑)。

最後に公演への意気込みをどうぞ。

B→Cシリーズの意義を考えながら自分のやりたい事をつめこんでみたら、思いがけずカラフルで聴きやすい音楽プログラムになりました。現代の我々がダイレクトに感じ取れる内容の歌詞が多いですし、今回は日本語字幕を投影するので、作品の世界との距離感も縮まりやすいと思います。
歌を通じて、過去から現代の我々につながる西洋音楽をお客様と感じ合いたいと思います。
是非お越しください!

*曲目、演奏曲順、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社

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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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