B→C バッハからコンテンポラリーへ
183 笠川 恵(ヴィオラ)

チラシ拡大

日時:
2016年6月28日[火]19:00
会場:
リサイタルホール     ホールへの行き方

世界屈指の現代音楽グループ、
「アンサンブル・モデルン」で活躍する気鋭!
ヴィオラの可能性と隠れた魅力を広げる一夜。


笠川恵によるプロモーション動画が届きました。
今回のプログラム1曲目「バーグスマ:《トリスタンとイゾルデ》の主題による幻想的変奏曲」演奏の一部をご覧いただけます。


  • 【アンコール曲】 ・グラジナ・バツェヴィッチ:オベレック第2番

[出演]

ヴィオラ:笠川 恵
ピアノ:ウエリ・ヴィゲット *
エレクトロニクス:野中正行 **

[曲目]

  • バーグスマ:《トリスタンとイゾルデ》の主題による幻想的変奏曲(1961)* 
  • グリゼー:ヴィオラ独奏のための《プロローグ》(1976) 
  • 田中吉史:ヴィオラとピアノの通訳によるL.B.へのインタビュー(2006)*
  • J.S.バッハ:ソナタ ヘ長調(原曲:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ長調 BWV1005)
  • ハーヴェイ:ヴィオラとエレクトロニクスのためのリチェルカーレ(2003)** 
  • シューマン:幻想小曲集 op.73 * 
マークのある曲は試聴できます。 試聴サービスについて

  • チケット情報
  • 公演について
  • 出演者プロフィール
  • インタビュー

チケット情報

[料金]全席自由
¥3,000(税込)
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売:2月19日[金](特典:10%割引)
一般発売:2月26日[金]
[チケット取り扱い]
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:287-790)

公演について

2010年から世界屈指の現代音楽グループ「アンサンブル・モデルン」で活躍中の笠川恵。大学卒業後もヴァイオリンを弾いていた彼女が、今井信子氏との出会いでヴィオラに目覚め、ジュネーヴで本格的に学び始めたのは2005年頃のことでした。ヴィオリストとしての才能をどんどん開花させ、自身のレパートリーはまさしく“バッハからコンテンポラリー”まで。同時代音楽をたくさん奏でてきたからこそ、楽譜から作品の本質を読み解くちからが冴え、演奏から感じる音楽の有機的な温かさも印象的です。
今回の選曲コンセプトは「リチェルカーレ」。それは固定観念にとらわれず、演奏家も作曲家も常に何かを探し続けてほしいという、彼女の思いから生まれたアイデアでした。当夜の始まりに最適と選んだのは、冒頭から斬新なハーモニーが連続するバーグスマ。続くグリゼー作品とは15年の時間差があり、当時の音楽の多種化、急激な変化も垣間見えるでしょう。巨匠ベリオのインタビュー録音を元に作曲され、ヴィオラ(インタビュアー)とピアノ(ベリオ)が、ぺちゃくちゃお喋りしているようにも聴こえる田中作品。バッハから約300年後、ハーヴェイの手にかかるとリチェルカーレはどんな音楽に?!そして最後はヴィオラで聴くシューマンの情感豊かで美しい調べ…。彼女らしさが随所に光るステージ、ぜひご堪能ください!

出演者プロフィール

笠川 恵(ヴィオラ)

Megumi Kasakawa, viola
1981年福井県出身。3歳からヴァイオリンを始め、小栗まち絵氏に師事。相愛高等学校音楽科、相愛大学音楽学部ヴァイオリン専攻卒業。卒業後ヴィオラに転向し、ジュネーヴ音楽院にてヴィオラを今井信子氏に、室内楽をガボール・タカーチ=ナジ氏に師事。2008年、ソリストディプロム最高学位を取得し同音楽院を首席で修了。2006年、ライオネルターティスコンクール特別賞、2008年ヴェルビエ音楽祭にてヴィオラプライズを受賞。その後ジュネーヴ音楽院にて今井信子氏のアシスタントをつとめた。2008年、ジョージ・ベンジャミンの《ヴィオラ・ヴィオラ》をガース・ノックスと共演し、これを機にソリストおよび室内楽奏者として、ザルツブルク音楽祭、プロシア・コーヴ音楽祭、ヴィオラスペースなどの音楽祭に招待される。近年では、シュトラスブルグ音楽院(フランス)や秋吉台の夏などのマスタークラスに講師として招かれ、現代音楽を中心に後進の指導にも力を入れる。また、音楽だけに留まらず様々なジャンルの芸術にも興味を持ち、2015年には、コンセプトアーティストのクラウス・シュナイダーと俳句をテーマにしたコンサートを開催。2010年よりフランクフルトに拠点を移しアンサンブル・モデルンのヴィオラ奏者及び同アカデミー(フランクフルト音楽大学)の講師をつとめる。2015年、田中吉史の個展CD『リネアレスピロ』(フォンテック)で《ヴィオラとピアノの通訳によるL.B.へのインタビュー》を演奏した。また、ソロCD『for Viola』をリリース予定。

インタビュー

笠川 恵

世界屈指の現代音楽グループ「アンサンブル・モデルン」で活躍するヴィオラ奏者、笠川恵がB→Cに登場です。ヴァイオリンからヴィオラに転向するきっかけとなった今井信子との出会い、アンサンブル・モデルン入団のいきさつとその活動について、そして「リチェルカーレ」をテーマにした今回のプログラムの聴きどころについて、メールインタビューで語っていただきました。

笠川さんがヴァイオリンからヴィオラに転向されたのは、大学卒業後だったそうですね。

もともとヴィオラには興味があり、室内楽やオーケストラでは弾いていましたが、ソロの勉強はした事がありませんでした。しかし、母校の相愛大学で行われたヴィオラスペースのマスタークラスで今井信子先生のレッスンを受け、ヴィオラの音色を聴き、この楽器を弾きたいと強く思ったのを覚えています。その後すぐにヴィオラ転向を決めました。

ジュネーヴへ留学されたのも、同じ年でした。

今井先生からジュネーヴ音楽院を受けるよう勧められました。当時はまだヴィオラをちゃんと弾いた事もなく、ましてや自分の楽器も持っていなかったのですが、先生は私がヴィオラに変わる事は確信していたとおっしゃっていました。大学卒業、今井先生との出会い、ヴィオラ転向、留学、すべて2005年の出来事でした。

いまは世界屈指の現代音楽の演奏団体「アンサンブル・モデルン(EM)」で活躍されています。

彼らを知ったのは、2007年でした。アンサンブル・アンテルコンタンポランでヴィオラを弾いていたガース・ノックスがジョージ・ベンジャミンの《ヴィオラ、ヴィオラ》を暗譜で演奏すると知り、どうしても聴きたくて、ジュネーヴからアムステルダムへ足を運びました。実はその公演はEMがベンジャミンのオペラ《Into the Little Hill》を演奏するもので、オペラの冒頭でゲスト奏者のガースとEMメンバーが《ヴィオラ、ヴィオラ》を弾くという演出だったのです。
恥ずかしながらそれまでEMの存在を知りませんでした。が、こんな素晴らしい団体があるのだと、その時のショックは想像を超えるものでした。そして半年後にガースから連絡があり、当時のEMメンバーに変わって《ヴィオラ、ヴィオラ》を一緒に弾いてほしいと…。こんな事が本当にあるのかと思いました。

その後、エキストラとして演奏を重ね、正式入団されました。

彼らに誘われ、2010年に正式メンバーになりました。なので、EMが2008年に東京オペラシティコンサートホールでスティーヴ・ライヒと一緒に演奏した時、私はまだエキストラとしても参加間もない頃でした。EMでの活動は、いつも新幹線に乗っているような感覚でしょうか。毎年予想を超える数の初演があり、音楽だけでなく舞台、ダンス、文学などさまざまな芸術とのコラボレーションも含まれます。これはムリだと思っていることも全力でやり遂げてしまう、この団体の並外れたパワーには凄さと感心を覚えます(笑)。

今回のB→Cも数々の新しい音楽と最前線で接している、笠川さんならではの感性が光っています。

重要視したのは、近現代以前のオリジナル曲が少なく、ソロレパートリーに限りのあったヴィオラのリサイタルで、出来るだけ性質の異なる曲を選び、この楽器の可能性と隠れた魅力を皆様に紹介したいという事でした。ソロ、ピアノとのデュオに加えエレクトロニクスとの演奏など、バラエティに富んだ曲を織り込みました。

「リチェルカーレ」というコンセプトテーマをつけたのは?

「リチェルカーレ」とは探し求めるという意味。私は現代の音楽を紹介する音楽家として、過去の音楽史の中で、異なる時代の音楽、異なる場所の音楽、そして異なるスタイルの音楽を常に見直し考える事は、とても重要だと感じています。
時代の変化に伴って、私たちの考え方も思想も観念も変化していくと思います。中には変化しない事もあるかもしれませんが、固定観念に囚われたくないという思いもあって、このテーマを選びました。

その意味から考えてもバーグスマ、グリゼー、田中吉史、ハーヴェイの作品らが並ぶと、現代の音楽におけるさまざまな変化や違いも浮き彫りになって面白そうですね。

バーグスマはスティーヴ・ライヒやフィリップ・グラスに作曲を教えた人でもあります。この曲はワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』の主題が用いられていますが、冒頭から斬新なハーモニーの連続で、リサイタルの始まりに最適と思いました。
グリゼーは「スペクトル楽派」と呼ばれる音楽の中心的人物の一人でした。彼の代表作に《音響空間》という曲があり、この曲の冒頭16分間が今回演奏する《プロローグ》です。そんな大曲の冒頭にヴィオラソロが選ばれたことも嬉しいし、今後、ヴィオラの重要なソロレパートリーになる曲だと考えています。もうひとつ、バーグスマとグリゼーを続けてお聴き頂くことによって、当時の音楽の多種化、そして急激な変化をみることが出来るのではないかと。この2曲が生まれた間には15年という時間の差があります。たった15年の間に音楽がどのように変わったか…にも、ぜひ注目してほしいのです。

田中吉史さんの作品は、2015年にリリースされたCDでも笠川さんが演奏されています。

これはルチアーノ・ベリオのインタビュー録音を元に作曲された曲で、ヴィオラ(インタビュアー)とピアノ(ベリオ)が本当にペチャクチャとおしゃべりをしている様に聴こえます。ピアノパートには内部奏法も多く含まれており、新鮮な響きと時間を感じて頂けます。

リチェルカーレはおっしゃる通り「探求」を意味する言葉でもあり、16~18世紀に数多く書かれた音楽の形式でもあります。ハーヴェイの《リチェルカーレ》はどんな曲ですか?

もともとトランペットとテープによる録音演奏遅延システムの為に作曲されましたが、現在はコンピューターでライヴ録音し、それをカノンとして演奏します。全く異なる作曲スタイルながらも、5つのパートがカノンになっていく事など、バッハやガブリエリのリチェルカーレとの関係が見て取れます。

シューマンをリサイタルの最後に選ばれたのは?

シューマンとそれ以外の曲とではスタイルも印象も全く違う、そのコントラストを意識して、最後に弾きたいと思いました。
今回のリサイタルは、様々な時代、スタイル、コンセプトの曲が体験できます。バッハもシューマンも私の見解をフルに取り込んでいきます。今からとても楽しみです。

*曲目、演奏曲順、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社

ページトップ

東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


閉じる