B→C バッハからコンテンポラリーへ
155 太田真紀(ソプラノ)

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日時:
2013年10月8日[火]19:00
会場:
リサイタルホール     ホールへの行き方

新しい声の世界を拓くソプラノ。
その類ない才能をB→Cで聴く!

  • 【アンコール曲】 ・スコットランド民謡/細川俊夫 編曲:私の愛する人は黒髪(世界初演)

[出演]

ピアノ:新垣 隆 *
アルト・サクソフォン:大石将紀 **
エレクトロニクス:有馬純寿 ***

[曲目]

  • シェーンベルク:あの人の姿が今もなお目に浮かび(思い出)*
  • シェーンベルク:渚にて *
  • J.S.バッハ:カンタータ《私の心は血の海を泳ぐ》BWV199から *
    「私の心は血の海を泳ぐ」「沈黙のため息、静かな嘆きよ」「しかし神は私を憐れんで下さる」「深くうなだれ悔いに満ちて」
  • シェーンベルク:《2つの歌》op.14 *
  • ダッラピッコラ:アントニオ・マチャドによる4つの歌(1948)*
  • 酒井健治:私は他人である Ⅲ(2013、太田真紀委嘱作品、世界初演)*
  • 細川俊夫:声とアルト・サクソフォンのための《3つの愛のうた》(2005)**
  • シェルシ:《山羊座の歌》(1962〜72)から ***

  • チケット情報
  • 公演について
  • 出演者プロフィール
  • インタビュー

チケット情報

[料金]全席自由
¥3,000(税込)
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売 :6月14日[金](特典:10%割引)
一般発売:6月21日[金]
インターネット予約受付開始(予定):6月25日[火]10:00〜
[チケット取り扱い]
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:197-704)

公演について


© Slot Photographic

新しい声の世界を開拓しつづけ、極めて豊かな音楽性で数々の現代曲に輝きを吹き込むソプラノ、太田真紀。大学院を修了した2003年、ラッヘンマンの作品を歌ったことがきっかけとなり、以後、彼女の活動フィールドはずっとコンテンポラリーが中心です。日本を代表する作曲家の作品を数多く歌い、新作委嘱にも積極的。また2011年にはローマへ1年間滞在し、20世紀の異端の作曲家シェルシの声楽曲を平山美智子氏のもとで研究してきました。これまで平山氏以外ほとんど歌う事ができなかったシェルシ作品を歌い継げる、世界的にも貴重な存在に彼女はなりつつあります。

「バッハから続くクラシック音楽において、声を扱う作品がどのような拡がりをみせたか…。そして21世紀の現在、どのような声楽作品が生まれてくるのか?」がテーマのB→C。彼女のレパートリーをフルに活かしたプログラムです。シューベルト以降長く繁栄した「ドイツ語による芸術歌曲」の更なる拡大を目指したシェーンベルク。ダッラピッコラの素敵な小品や、酒井健治の新作、和泉式部の和歌が用いられた細川作品。そしてメインは、さまざまな唱法を駆使し、ほとんどが無伴奏で歌われるシェルシの《山羊座の歌》。今回は抜粋バージョンでお聴きいただきます。

出演者プロフィール

太田真紀(ソプラノ)

Maki Ota, soprano
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大阪府出身。同志社女子大学学芸学部声楽専攻卒業後、大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。現代音楽を中心に演奏活動を展開し、これまでに湯浅譲二、松平頼暁、近藤譲、西村朗、細川俊夫らをはじめ、日本を代表する作曲家の作品を数多く演奏している。日本現代音楽協会主催、現代音楽演奏コンクール「競楽Ⅵ」第3位。2007年トーキョーワンダーサイト本郷にて選抜され無伴奏ソロリサイタル開催。2008年にはライブ録音したブソッティの無伴奏ソロ作品《涙》がイタリア・ストラディバリウス社から発売中のCDに収録されている。2007年4月から2011年8月まで東京混声合唱団のソプラノ団員として活動した。2009年にはシュトックハウゼンの大作のひとつ《私は空を散歩する…》を日本初演。2011年9月より1年間、平山美智子氏のもとでジャチント・シェルシの声楽作品研究のため、平成23年度文化庁新進芸術家海外研修制度にてイタリア・ローマに滞在した。2013年4月、ローマのイザベッラ・シェルシ財団にてシェルシ初演作品を含むコンサートに出演。同年5月にはケルン大学内のムジークザールにてオール・シェルシ・プログラムのコンサートにも出演した。

インタビュー


© slot photographic
太田真紀

新しい声の世界を開拓しつづけ、極めて豊かな音楽性で数々の現代曲に輝きを吹き込むソプラノ、太田真紀さん。現代曲との出会い、師 平山美智子と異端の作曲家ジャチント・シェルシについて、今回のプログラムの聴き所など、語っていただきました。


太田さんと現代曲との出会いは?

大学院1年の時、無調の歌曲を歌ったのが現代作品との出会いでした。その頃はまだシェーンベルクをはじめ、無調作品の良さがよく判らなかったのですが(苦笑)、当時指導頂いていた教授からも「絶対音感があるならば、修士演奏はシェーンベルクかウェーベルンにしなさい!」とずっと言われていたんです。
そして大学院を修了した2003年にヘルムート・ラッヘンマンが京都に来て、その時に彼の《temA》を歌いました。これがもう見たこともないような譜面で、譜読みにもの凄く時間がかかり、ラッヘンマンとのレッスンも大変だったのですが、彼がレッスン中に「音はそこにあるんだ!」とおっしゃったのがすごく印象的で…。その言葉で、楽譜に書かれている音を、ある種機械的にしか声に出して歌っていなかった自分に気づいたのです。そうではなく、空間と音を感じることが大切なのだと。その時の経験が現代作品を歌うきっかけになったと思っています。


その後、東京混声合唱団(東混)のメンバーとしても活動されていました。

もともと合唱は好きでしたので。東混で委嘱作品を演奏できたこと、中でも柴田南雄先生、林光先生、三善晃先生、間宮芳生先生などの作品を演奏できたことは得難い経験でした。


そして2011年から1年間ローマに留学し、シェルシの声楽作品を学ばれたそうですね。

ローマではシェルシ作品をこれまでほぼお一人で歌われてきた平山美智子先生のもと、彼の無伴奏声楽曲をすべて勉強しました。
平山先生をご紹介くださったのは、ピアニストの高橋アキさんなのです。私が歌っているのを聴いて「シェルシを歌うのにぴったり!」と思われたそうで(笑)、アキさんが平山先生に連絡を取って下さいました。それまでは正直シェルシについて、そう詳しい訳ではありませんでした。
シェルシは自分で譜面を書かず、彼自身の即興演奏から気に入った部分を何人かの作曲家に書き起させ、彼が良しとすればサインを入れて作品としていました。ですから譜面から得られる情報が実は曖昧なんですね。私にとってはレッスンで平山先生が話して下さったエピソードをはじめ、シェルシの家、ローマの街、それらすべてが演奏のためのヒントになり、一人の作曲家についてじっくり考える時間をもてたのはとても幸せなことでした。


さて、今回のプログラムについてお聞かせいただけますか?

バッハから続く「クラシック音楽」に於いて、声を扱う作品がどのような拡がりを見せたかを考え、選曲しました。
バッハが生まれたドイツからは「ドイツ語による芸術歌曲」が生まれ、特に声楽曲においてはシューベルト以降、その分野が長く繁栄してきました。その更なる拡大を目指したのが後にシュプレヒシュティンメを記譜したシェーンベルクであり、シェルシはその孫弟子にあたります。
ダッラピッコラは、シェルシと同時期に活動していたイタリアの作曲家でたくさんの歌曲を残しています。今回取り上げる作品は演奏機会は少ないものの、とても素敵な小品です。
シェルシの《山羊座の歌》は様々な唱法を駆使し、ほとんど無伴奏で演奏される作品で、今回は抜粋でお聴きいただきます。この曲は平山先生がほぼお一人で歌われてきた作品で、一音を聴きつづけることでみえてくる世界があります。唱法はたくさんあり過ぎて難しいです。例えば“ゲップ”が出てくる曲がありますが、これはヨーロッパの貴族だったシェルシが「人前でする一番下品なこと」を皮肉っぽく作品に盛り込んだからだと考えられています。他にも声明に近い地声を使った唱法、話し言葉に近いヴィブラートなどが登場します。
また私は作品(作曲家)と演奏家は出会いが大切だと考えていて、今を生きる作曲家との交流も大切にしたいと考えています。細川俊夫先生の《3つの愛のうた》は和泉式部による和歌が歌詞になっていて、日本語を大切に歌っていきたいという気持ちから選びました。そして酒井健治さんには新作を委嘱しました。彼の作品はとてもすばらしいのですが、演奏が本当に難しいです。ただ声楽家の長所や短所をよく分かってくださっていると思います。


最後に公演に向けての意気込み、抱負をお願いします。

今回このような機会をいただいたことに心から感謝しています。私にとって演奏とは、まず作曲家がいて作品があり、そして演奏家を通してお客様に届く、この流れをいかに作るか…ということです。CDやインターネットの普及で音楽は身近なものになったように思いますが、ライヴで体験する音は格別の存在感があるのでは、と私は信じています。音は生き物です。ぜひ、たくさんの方々に聴いていただけたらと思います。

*曲目、演奏曲順、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社

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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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