東京オペラシティ+バッハ・コレギウム・ジャパン
2007→2009 ヘンデル・プロジェクト I
《エジプトのイスラエル人》

東京オペラシティ+バッハ・コレギウム・ジャパン 2007→2009 ヘンデル・プロジェクト I 《エジプトのイスラエル人》チラシ

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日時:
2007年11月23日[金・祝]15:00
会場:
コンサートホール     ホールへの行き方   座席表

2009年のヘンデル・イヤー(没後250年)に向けて、3年がかりの企画がスタート。

  • 【オンエア情報】 NHK-FM
    「サンデークラシックワイド
    ~バッハ・コレギウム・ジャパンのヘンデル2大作品~」
    2008年1月27日[日]14:00~18:00

    ・オラトリオ「エジプトのイスラエル人」(全曲)
    (2007年11月23日 東京オペラシティコンサートホールにて収録)
    ・オラトリオ「メサイア」(全曲)
    (2007年12月24日 サントリーホールにて収録)

    *放送日時は予告なく変更される場合があります。
  • 【アンコール曲】 ヘンデル:祭司ザドク HWV258

[出演]

指揮:鈴木雅明
合唱と管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
ソプラノ:野々下由香里、松井亜希
アルト:上杉清仁
テノール:藤井雄介
バス:浦野智行、渡辺祐介

[曲目]

  • ヘンデル:オラトリオ《エジプトのイスラエル人》HWV54

 第2部「出エジプト」 第3部「モーセの歌」
(日本語字幕付き)

東京オペラシティ+バッハ・コレギウム・ジャパン
2007→2009 ヘンデル・プロジェクト

東京オペラシティ コンサートホール開館10周年を機に、東京オペラシティ文化財団とバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)は、このホールの響きにふさわしい新たな共同プロジェクトとして、2009年のヘンデル没後250年に向けて、毎年末ヘンデル作品を取り上げる全3回の演奏会シリーズをスタートさせます。
バッハと同年生まれで国際的に活躍したヘンデルには、旧約聖書をもとにした雄大で劇的なオラトリオや、さまざまな様式に挑戦したオペラなど多数の作品がありますが、日本では《メサイア》と一部の器楽曲以外あまり知られていないのが現状です。
そのような知られざるヘンデル作品の魅力を再発見すべく、BCJ音楽監督・鈴木雅明が意欲的なプログラミングを行っていきます。
合唱作品を得意とするBCJの力を最大限に発揮するシリーズとなるでしょう。
  • チケット情報
  • 公演について
  • 出演者プロフィール
  • インタビュー

チケット情報

[料金](全席指定・税込)
S:¥9,000 A:¥8,000 B:¥6,000 C:¥5,000 D:¥4,000
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売 :6月22日[金](特典:10%割引)
一般発売 :6月29日[金]
インターネット予約受付開始(予定) :7月3日[火]10:00~
[チケット取り扱い]
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
バッハ・コレギウム・ジャパン 03-3226-5333
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:259-261)
イープラス http://eplus.jp/
ローソンチケット 0570-000-407(Lコード:33616)
CNプレイガイド 0570-08-9990

公演について


鈴木雅明
© shuto mikio
バッハ・コレギウム・ジャパン 音楽監督 鈴木雅明

来たる2009年は、ヘンデルの没後250年の記念として、世界中でヘンデルフェスティヴァルが開かれることになるでしょう。わが国でヘンデルと言えば、メサイアとほんの一握りの器楽曲が知られているに過ぎず、BCJとしても、メサイア以外には大作を取り上げたことがありません。そこで、今年から2009年にかけて、東京オペラシティ文化財団とBCJの共同企画として、ヘンデルの重要な作品を1作ずつ取り上げ、ささやかな記念とすることにいたしました。
まず今年は、ブラームスも絶賛したと言われる《エジプトのイスラエル人》を取り上げます。出エジプト記(旧約聖書)に基づいて、エジプトの圧政からイスラエル人が救い出される驚くべき物語が、圧倒的な二重合唱とオーケストラによって劇的に繰り広げられる、劇作家ヘンデルの面目躍如たる作品です。どうぞお楽しみに。

[曲目について]
三澤寿喜(ヘンデル研究家)

1738年秋、53歳のヘンデルが作曲した《エジプトのイスラエル人》は旧約聖書の「出エジプト記」を題材とする壮大稀有なオラトリオである。第1部「出エジプト」では、モーセの数々の奇跡によってイスラエルの民がエジプトを脱出するまでが描かれる。第2部「モーセの歌」はイスラエルの民が苦難からの解放を神に感謝する壮大なアンセムとなる。
雹、蝿やイナゴの大群、飛び跳ねる蛙などの絵画的描写に見られる管弦楽の豊かな表現力にも圧倒されるが、豊富で多種多様な合唱こそ本作品の最大の魅力である。なんと全体の7割以上が合唱で占められている。数あるヘンデル・オラトリオの中で、本作品が今日なお異彩を放ち続けているのはこのためである。合唱音楽の大家ヘンデルは歌詞に潜む劇的表現の可能性を鋭く読み取り、豊かな想像力と自在な形式処理によって、起伏に富む合唱ドラマを創り出している。ヘンデルが熟練した合唱手法の全てを傾注した《エジプトのイスラエル人》はまさしく彼の夥しい合唱音楽の最高峰である。

出演者プロフィール

鈴木雅明(指揮)

Masaaki Suzuki, conductor
© K.Miura
東京芸術大学作曲科から同大学院オルガン科に進み、スウェーリンク音楽院ではチェンバロとオルガンを学ぶ。1990年、オリジナル楽器アンサンブルと合唱団〈バッハ・コレギウム・ジャパン〉を結成、J.S.バッハの宗教音楽作品を中心に幅広い活動を行っている。BIS社より50点を超えるCD をリリース。特に『J.S.バッハ:教会カンタータシリーズ』は、数少ない全曲録音企画として世界的に注目を集めている。またオルガン・チェンバロ奏者としては『J.S.バッハ:チェンバロ作品全曲シリーズ』ほか多数リリースされている。また海外公演も盛んで、ソロで、またバッハ・コレギウム・ジャパンと共にヨーロッパを中心に度々ツアーを行っている。近年では2003年4月、アメリカ・デビューで大喝采を浴び、2006年5月には、5ヶ国10公演に及ぶヨーロッパ・グランド・ツアーを行い大成功を収めた。2000年度音楽之友社賞、2001年第42回毎日芸術賞受賞、2001年「ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章」など、受賞歴も多数。現在、東京芸術大学教授。

バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱と管弦楽)

Bach Collegium Japan, chorus & orchestra

©K.Miura

バッハ・コレギウム・ジャパンは、世界的なオルガン・チェンバロ奏者で東京芸術大学教授の鈴木雅明が、世界の第一線で活躍するオリジナル楽器のスペシャリストを擁して1990年に結成したオーケストラと合唱団。特にJ.S.バッハの宗教作品を中心とするバロック音楽を理想的に上演・普及させることを主旨とし、東京と神戸での定期演奏会に加え、全国各地でさまざまな演奏活動を行っている。録音も活発で、スウェーデンのBIS社から50点近いCDがリリースされ、そのいずれもが常に高い評価を得ている。
海外演奏の機会も多く、1997年以来ヨーロッパを中心に世界各地で演奏をしており、近年では、2003年4月、6都市7公演を巡るアメリカツアーを行い、満場総立ちの喝采を浴び各メディアにも絶賛された。また、2005年5月は韓国公演、8月には6公演のドイツ公演を行い、大成功を収めた。さらに、2006年3月には、再びアメリカ公演(器楽アンサンブル)、5月には5カ国10公演に及ぶヨーロッパ・グランド・ツアーを行ない、各地で高い評価を獲得した。

インタビュー

鈴木雅明(BCJ音楽監督)が語る、ヘンデル・プロジェクトへの抱負。

ヘンデル没後250年の記念イヤー(2009年)に向けて、いよいよ〈ヘンデル・プロジェクト〉が始まります。
東京オペラシティコンサートホールを本拠に、バッハの教会カンタータ全曲演奏会を行っているバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)。東京オペラシティコンサートホールは、BCJとともに、開館10周年を迎える今年から3年計画で、ヘンデルの大作を上演するシリーズを企画しました。この夏はドイツでの《マタイ受難曲》公演に加えて、イギリスの著名な音楽祭プロムスにデビューするなど、国際的な活動を繰り広げるBCJの音楽監督、鈴木雅明氏に、プロジェクトへの抱負をうかがいました。

(2007年6月15日 取材協力:バッハ・コレギウム・ジャパン)



─ BCJはこれまでに《メサイア》《グローリア》などを演奏されていて、先生はヘンデルにもかねてから深い関心をお持ちとうかがいました。ヘンデルの魅力についてお話しいただけますか。

ヘンデルの音楽の魅力は、まず単純さです。理屈抜きに頭に入ってくる旋律と、非常に劇的な音の動きがあって、演奏していても聴いていても楽しくなります。ここ数年、インスブルックなどヨーロッパでヘンデルのオペラを聴く機会が増えましたが、歌い手が上手なときほどスリリングで楽しいのです。そういう楽しみはバッハにはないですよね。バッハでスリルを感じたら、それは演奏が危ないときですから(笑)。ヘンデルの音楽には、そういうサービス精神、エンタテインメント性が満ち溢れている。その意味で、ヘンデルの演奏は楽しくなければいけませんから、演奏家の責任は重大です。


鈴木雅明氏

ヘンデルが、バッハと同じ年に、そう遠くない場所で生まれ育ち、そこを飛び出してイタリアに渡り、最後はロンドンに行った、というのもおもしろいですね。バッハはドイツに留まることを選びましたが、ヘンデルは飛び出すことを選んだ。彼のオペラにある、ストーリーを劇的に展開させる手法は、音楽消費都市ロンドンで育まれたものでしょう。

人間性も、また音楽の語法もまったく異なる二人ですが、僕はそこに共通点があると思っています。バロックの時代特有の、音楽に対する強さ、表現の強さというんでしょうか。バッハであれば教会という場で人の心を捕まえたい、この言葉だけはどうしても表現したいという思いがあるでしょう。ヘンデルの場合は、オラトリオもそうですが、オペラでは特にワンシーンの表現にこだわって、バロック的な意味での言葉遣いを音楽に盛り込んで、何が何でも人の心を一気にさらっていこうとする。バッハとの違いは、理念が優先されないところでしょうか。たとえば神に従うことでカノンを用いるといった発想ではなく、演奏する歌手が最もよく歌える音域、音形を使って効果を出すことから発想される。当然、出てくる結果は違いますが、アフェクトを求めるという意味では、共通のドイツ人的発想なのです。当時の音楽家は作曲も演奏もするのが当然で、さらに人の心をかっさらっていくところまでちゃんとやるのが務めと考えていたようですから。


─ 「ヘンデル・プロジェクト」をスタートさせるにあたり、初年度に《エジプトのイスラエル人》を選ばれたのはなぜですか?

BCJとして演奏会を続けてきたなかで、ヘンデルの代表的なオラトリオ、オペラはぜひ演奏したいという思いが強くありました。なかでも《エジプトのイスラエル人》は、ヘンデルのなかで評価すべき最も重要な作品のひとつだと考えていて、昔からぜひやってみたかったのです。

ブラームスがこの作品をヘンデルの最もすばらしいオラトリオだと言っていた、という話をヘルムート・リリングの奥さんから聞いたことがあるんです。ロベルト・カーンという彼女のおじいさんがブラームスの弟子で、彼があるときブラームスとヘンデルの話になり、「君はヘンデルのオラトリオのなかでどれが一番いいと思うかね」と聞かれて「メサイア」と答えたところ、「そうではない、一番よいのは《エジプトのイスラエル人》だ」と言ったというのです。翌朝、カーンの家の玄関にスコアが一冊置いてあり、そこにブラームスの書付があって、「シェーン・グーテンモルゲン ロベルト・カーン」と書いてあったと。リリングによると「君はいつまで寝ているのかね」という意味なのだそうですが(笑)。その書付は今でもリリングのところにあるそうです。


─ 《エジプトのイスラエル人》は題材を旧約聖書の「出エジプト記」からとっています。作品の魅力についてご紹介いただけますか。

ストーリーはなかなか劇的で、圧政のエジプトで蛙がイナゴの大群や疫病が発生したりするのですが、それがまるでオペラのように描かれているのが楽しいですね。たとえば蛙が飛び跳ねている場面のオーケストレーションは、ポポンポポンと音が跳ねているし、その後の「He spake the word 神は言葉を発した」という歌詞の部分は、すごく威厳に満ちた音楽が始まるわけです。と思うとそこにイナゴの大群がやってきて32分音符がうめる。それから雹の場面。まず雨だか雹だかわからないものが一個ポトン、またポトンと落ち、だんだんトコトコトコと増えていく。こういう視覚的といえるほど描写的な書き方がおもしろいですね。

この曲は、ヘンデルのオラトリオのなかでも合唱の比重が非常に大きい。逆にいうとソロの部分が少ないので、そのためだけにソリストを呼ぶのは大変ですから、実演がなかなかむずかしいのです。今回は、いつもわれわれがカンタータでやっているように、ソロ歌手が合唱も歌います。
《エジプトのイスラエル人》で問題になるのは、どういうかたちで演奏するかということです。かなりの数の資料が残されているのですが、自筆譜はエジプトの王様の圧政が始まるところからスタートしていて、その前にあるはずの「ヨセフの死」にまつわる部分がない。私の持っているアーノルド・エディションも、いきなりテノールのレチタティーヴォから始まっている。そういうかたちで始まるオラトリオはないので、実演ではいろいろ転用が行われています。さて今回はどうすべきか、これは当日のお楽しみとさせてください。


鈴木氏所蔵のヘンデルのスコア。
左下が《エジプトのイスラエル人》アーノルド・エディション。

─ 最後にお客様へのメッセージをお願いします。

ヘンデル・ファン、合唱ファンはもちろん、いつもわれわれの定期公演に来てくださっているバッハ・ファンにもぜひいらしていただきたいですね。バッハにはないスペクタクル感や、明るいエンタテインメントを味わっていただければと思います。バッハはわれわれの「家」みたいなものですが、私は旅行好きですから、ほかのところにも行ってみたい。そしてバッハに戻ってきて、あらためて発見することも多いのです。聴衆のみなさまと、このプロジェクトでいろいろな発見ができるといいなと思います。

(東京オペラシティArts友の会会報「tree」Vol.64 より)

*曲目、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社

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