ニューイヤー・ジャズ・コンサート2006

ニューイヤー・ジャズ・コンサート2006チラシ

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日時:
2006年1月13日[金]19:00
会場:
コンサートホール     ホールへの行き方   座席図

鬼才・山下洋輔の挑戦は続きます。

  • 【アンコール曲】 山下洋輔:五・七・五

[出演]

ピアノ:山下洋輔

松原勝也ストリング・カルテット
ヴァイオリン:松原勝也、鈴木 理恵子
ヴィオラ:川本嘉子
チェロ:山本 祐ノ介

[曲目]

第1部

  • ソロピアノ
  • 山下洋輔:ピアノとヴァイオリンのための
    《チェイシン・ザ・フェイズ》
    (2004、静岡音楽館AOI委嘱作品)

 第2部
  • 山下洋輔:ピアノとストリング・カルテットのための
    《Sudden Fiction - 突発的組曲》
    (新作初演)

  • チケット情報
  • 公演について
  • 出演者プロフィール
  • インタビュー

チケット情報

[料金](全席指定・税込)
S:¥5,000 A:¥4,000 B:¥3,000 C:¥2,000
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売 :10月8日[土](特典:10%割引)
一般発売 :10月15日[土]
インターネット予約受付開始(予定) :10月18日[火]10:00~
[チケット取り扱い]
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
ジャムライス 03-3478-0331
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:211-659)
イープラス http://eplus.jp/
ローソンチケット 0570-000-407(Lコード:38093)
CNプレイガイド 0570-08-9990

公演について

洋輔はいつも突然に。

ここ二年の演劇的作品から一転、弦楽との完全なるアコースティック・プログラムに立ち返る山下洋輔。蓄積された断片と短いエピソードの連続でジャズの歴史を描き出すという新作が、山下ワールドのさらなる深化を物語る!

2006年のニューイヤー・コンサートは、松原勝也氏が初演してくれた私のヴァイオリン・ソナタ「チェイシン・ザ・フェイズ」を、第一部で是非再演したいと思いました。そして、第二部では松原氏率いる弦楽四重奏団と新曲を共演します。ピアノ五重奏曲ではなくて、あくまでも4人の弦楽器奏者とピアノの共演と考えています。

ここ東京オペラシティでの毎年の経験や長年のライブ活動の実践を通じて、さまざまな音が私の体内に蓄積されました。それらをまとまった作品として放電したいというのが新曲作曲の動機です。脈絡無くひらめく断片を次々に短いエピソードとしてつなげようと思いました。発作的作品群とも言えるこのアイディアは、最近命名された新しい文学形式と呼応することを知り、Sudden Fiction という名称をお借りしました。

断片をとらえる作業は、いつのまにか音楽の、そしてジャズの歴史をなぞる旅にさまよい込んだようです。黎明のアフリカから始まるそれらの音は、どのような時間を巡って、東京オペラシティにたどりつくでしょうか。

どうぞ、ご期待ください。

山下洋輔

出演者プロフィール

山下洋輔(ピアノ)

Yosuke Yamashita, piano
1969年、山下洋輔トリオを結成、フリー・フォームのエネルギッシュな演奏でジャズ界に大きな衝撃を与える。その後、和太鼓やオーケストラとの共演など活動の幅を広げる。
88年山下洋輔ニューヨーク・トリオを結成。国内のみならず世界各国で演奏活動を展開。世界中のジャズ・ファンから圧倒的な支持を受ける、日本の誇るナンバーワン・ジャズ・ピアニストの一人である。
98年、パリで佐渡裕指揮によるラムルー管弦楽団と「ラプソディ・イン・ブルー」を共演。同年、今村昌平監督の映画『カンゾー先生』の音楽を担当、98年度の芸術選奨文部大臣賞(大衆芸能部門)を受賞。
2000年、自作のピアノ協奏曲「即興演奏家の為のエンカウンター」を発表。01年、岡本喜八監督『助太刀屋助六』の音楽を担当。オール・アメリカ人ミュージシャンによるビッグバンド・アルバム『フィールド・オブ・グルーヴス』をリリース。
03年、太鼓の林英哲とデュオ・アルバム『Ken-Kon』をリリース、全国ツアーを実施。春の褒章で紫綬褒章受章。ニューヨーク・トリオ結成15周年記念アルバム『パシフィック・クロッシング』を、邦楽の藤舎名生、仙波清彦をゲストに迎えて制作。
04年1月、筒井康隆と組んでジャズ・オペレッタ『フリン伝習録』を上演。10月、日米交流150周年記念のアメリカ・ツアーを実施。11月にはイタリア・トリノで佐渡裕指揮のRAI国立放送交響楽団と自作のピアノ協奏曲「即興演奏家の為のエンカウンター」を再演。
05年1月、恒例の東京オペラシティ・ニューイヤー・コンサートで『ジャズマン忠臣蔵』を上演、大きな話題を呼ぶ。4月、上海のジャズ・フェスティバルに出演、大喝采で迎えられる。6月、「東京の夏音楽祭」で佐渡裕指揮のNHK交響楽団と自作協奏曲を演奏。
04年より国立音楽大学の客員教授。演奏活動のかたわら、多数の著書を持つエッセイストとしても知られる。

→公式サイト
http://www.jamrice.co.jp/

松原勝也(ヴァイオリン)

Katsuya Matsubara, violin
東京藝術大学在学中に安宅賞受賞。クライスラー国際コンクール等で上位入賞。バッハから現代までを俯瞰的視野でとらえた6回の無伴奏リサイタル、即興やジャズ・ミュージシャンとのコラボレーションなど、常に既成の音楽観に一石を投じ続けるその演奏活動は極めて高い評価を受けている。ソリストとして新日本フィル、東京フィル、東京交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、神戸市室内合奏団など主要オーケストラと共演。室内楽奏者としても、ヨーヨー・マ、P・ナイディック等と共演し、ギターの福田進一、渡辺香津美とのデュオ、トリオは各地で絶賛をあびた。最近では2003年春、津田ホールでのコンチェルトリサイタル【松原勝也+プラス】が、秋には指揮者・ソリストとして同行したジュニアフィルハーモニーオーケストラ欧州公演の成功が記憶に新しい。また、ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏を3年間にわたって行い絶賛をあびた「さいたまアーツシアタークヮルテット」も2004年からは新たに「SIPAストリングクヮルテット」として活動を再開する。第17回中島健蔵音楽賞、第55回文化庁芸術祭新人賞受賞。SIPAストリングクヮルテットメンバー、静岡AOIレジデンスクヮルテットメンバー、第一生命ホールアドヴェントセミナープロデューサー、霧島国際音楽祭講師、東京藝術大学音楽学部助教授。

鈴木理恵子(ヴァイオリン)

Rieko Suzuki, violin
桐朋学園大学在学中は篠?功子に師事。卒業後、23歳で新日本フィルハーモニー交響楽団副コンサートミストレスに就任。その後、インディアナ大学に留学し名教授J.ギンゴールド氏に師事。これまでにJ.J.カントロフ、J.ルヴィエ、A.マリオン、V.サハロフ等、世界のトップアーティスト達と共演を重ねており、1997年新日本フィル退団後はソロを中心に活動している。98~99年にはスウェーデン・マルメ市立歌劇場の客演コンサートミストレスとして定期的に招かれる。99~2001年は神奈川県立音楽堂のレジデンシャルアーティスト「Trio du Monde」、現在は彩の国さいたま芸術劇場のレジデンス・カルテットのメンバーとして、また、2004年6月より読売日本交響楽団の客員コンサートマスターとしても活躍している。霧島国際音楽祭をはじめ、多数音楽祭等に出演している。
CDは、1996年にヴィヴァルディ『四季』をポニー・キャニオンよりリリース。99年にはビクターエンタテインメントより小品集『夏の夜の夢』が発売され、国内はもとより韓国でもヒットした。そして、2002年にはビクターより2枚目のCD『フロム・ジ・オリエント』をリリース、レコード芸術誌上で準特選盤に選ばれるなど、高橋悠治と創り上げた美しいアジアのメロディーが高く評価される。現在、久石譲プロデュースのワンダーランドレコーズよりソロアルバムをリリース予定。
既成概念にとらわれず、邦楽器との共演や映画のサウンドトラックへの参加など、他分野の芸術家とのコラボレーションも積極的に行っており、ヴァイオリンという楽器の新境地を拓くその活動は各方面から注目を集めている。最近では、2004年5月、国際交流基金、ローム音楽財団、野村国際文化財団などの助成を受け、作曲家でピアニストの高橋悠治氏とのニュージーランドツアーを行い、絶賛を博しただけでなく、その内容が現地のラジオ(Radio NZ)や新聞各紙でも取り上げられた。

川本嘉子(ヴィオラ)

Yoshiko Kawamoto, viola
3歳より才能教育研究会にてヴァイオリンを始める。
桐朋学園子供のための音楽教室、桐朋女子高等学校音楽科を経て、同大学に入学。これまでに、ヴァイオリンを江藤俊哉、鈴木愛子、室内楽を末吉保雄、原田幸一郎の各氏に師事。
在学中より学内の演奏会に数多く出演。1989年、第6回東京国際コンクール室内楽部門にてイグレック・クァルテットで優勝。89年、90年にはタングルウッド音楽祭に招待を受けて参加。Grace B.Jackson賞を受賞。
91年東京都交響楽団への入団をきっかけにヴィオラに転向。92年ジュネーヴ国際コンクール・ヴィオラ部門で最高位(1位なしの2位)入賞。翌年東京都交響楽団の定期演奏会にコンチェルト・デビュー。その後アメリカのマールボロ音楽祭、スイスのダボス音楽祭、東京の夏音楽祭、霧島音楽祭などに参加。その他、内外のアーティスト達との交流を果たし、次代を担うスケールの大きなヴィオラ奏者として期待と注目を集めている。
95年11月「新日鉄コンサート」、第59回“プロミシング・アーティストシリーズ”でのリサイタル、またチェンバロの中野振一郎とのデュオ等が注目される。96年村松賞受賞。97年には、優れたヴィオラの作品を発掘し積極的にレパートリーに取り入れている姿勢や、様々な演奏家達との室内楽活動が評価され<第7回新日鉄音楽賞・フレッシュアーティスト賞>を受賞。また同年7月から、リサイタル・シリーズ『HASEKO CLASSIC SPECIAL/川本嘉子ザ・ヴィオリスト』が、カザルスホールで一年間にわたり行われ、いずれも好評を博した。
99年には東京都交響楽団首席奏者に就任。98年から京都アルティ弦楽四重奏団、2001年から静岡音楽館AOIレジデンス・クヮルテットのメンバーとしても活躍しており、2000年には指揮者/ピアニスト、チョン・ミョンフンの提唱する「セブンスターズ・ガラ・コンサート」にも参加し、日本・韓国公演を行ない話題となった。2003年7月にも再び共演し、『臨機応変、他のパートに寄り添いつつ、しっかり支えたビオラの川本は達人』(朝日新聞・白石美雪氏評)との評価を得た。
2002年6月には、東京都交響楽団を退団し、ソリスト及び室内楽奏者として、国内はもとより国外に於いても、より幅広い舞台で活動している。
CD録音はチェンバロの中野振一郎との『ヴィオラ・バロック・ミュージック』(マイスター・ミュージック MM-1028)、『J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェロのためのソナタ』(マイスター・ミュージック MM-1075)がリリースされている。

山本祐ノ介(チェロ)

Yunosuke Yamamoto, violoncello
1963年東京生まれ。両親ともに作曲家(山本直純、岡本正美)の家庭に生まれ、ピアノ、チェロ、作曲、指揮を学ぶ。東京藝術大学、同大学院修了。チェロを堀江泰、H.シャピロ、他の各氏に師事。東京交響楽団首席ソロ奏者。ハレーストリングクァルテットチェロ奏者などを経て、現在ソロチェリスト及び、指揮、作曲で活躍中。これまで各地でリサイタルを行うほか、多くのオーケストラと共演、好評を博す。1985年に結成したハレーストリングクァルテットでは、第21回民音コンクール第1位入賞。同時に齋藤秀雄賞を受賞。95年からサントリー小ホールに於いて行われた6回にわたるチェロ連続リサイタルでは、バッハの無伴奏組曲全曲、ベートーベン及びブラームスのソナタ全曲を含む古今の名曲を組み込んだ意欲的なプログラムで大好評を博すとともに、その演奏解釈の新しさが話題となり、注目を浴びた。ソロ、室内楽、オーケストラと幅広い活動を行うと共に、キャラクターを活かした表情豊かな演奏が話題を呼んでいる。

インタビュー

「突発的なものの連続が、巨大なストーリーになるのです。」
この2年で、オペレッタ《フリン伝習録》、組曲《ジャズマン忠臣蔵》と演劇的大作を披露してきたニューイヤー・コンサート。今年は原点である「クラシック音楽のスタイルとハイブリッド」に戻って、ピアノソロ、デュオ、そしてピアノと弦楽四重奏というアコースティック・プログラムをお届けします。山下さんに公演への抱負をうかがいました。

取材:2005年10月19日 東京オペラシティにて
ききて:東京オペラシティ文化財団




─ 2004年、05年と大仕掛けの企画を経て、今年は弦楽四重奏との共演。この振れ幅の大きさも山下さんの魅力ではないかと思います。一見、いつもよりおとなしい企画というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが。

いえいえ、これだけの弦楽奏者4人がジャズマンと遊ぶわけですから、「秘術を尽くして渡り合う」ということになると思います。みなさんに大暴れしていただく場面をかならず作りますよ。
この2年の企画で、大勢で騒ぐ楽しさを満喫させていただきました。今回は少し逆のほうに振れた、ということですね。さて、来年は何をしようかと考えて、ごく自然に、弦楽四重奏に囲まれてピアノを弾きたいと思った、ということです。



─ それは山下さんが松原さんと共演を重ねられて、信頼関係を築かれていることが大きいですね。今回、松原さんのリサイタルのために書かれた《チェイシン・ザ・フェイズ》の再演も楽しみです。

松原さんとは彼がハレー・ストリング・カルテットにいたときにピアノ五重奏を共演したのが最初ですが、そのときも最後の即興パートで、いきなり立ち上がってピアノを叩きにきたんです(笑)。せっかく山下とやるんだからと思ってくれたんでしょう。とても嬉しかったです。
《チェイシン・ザ・フェイズ》は、直前まで楽譜ができなくて、フレージングこそ大切なところだけ書きましたが、表情記号も指使いもすべてお任せ。大変だったと思いますが、すばらしく弾いてくださって、感謝感激でした。再演といっても、松原さんの楽譜は全部書いてありますが、ピアノ・パートはマイナーチェンジする可能性もありますし、全体で3箇所くらいあるアドリブ部分はまったく変わると思います。松原さんは、こちらの一瞬の気分を捉えて対応してくれる人ですから、本番がどうなるか、すごく楽しみですね。


─ 今回が初演となる《Sudden Fiction ─ 突発的組曲》は、松原さんをはじめ精鋭メンバーとの五重奏曲です。この曲についてのアイデアをお聞かせください。

長い間いろいろなライヴで演奏するうちに、最近とみに、アイデアがぱっと出て数秒で消えていくということを自覚するようになりました。僕の実際の演奏でも、ものすごく激しいフリージャズの肘打ちをやった次の瞬間に、とてもオーソドックスなメロディを弾き始める、といったことが普通に出てきているんですね。そういう次から次へ瞬時に現れては消えていくアイデアを、そのまま書きとめて、この機会に組曲のように並べていってはどうかと考えたのが、今回の新作のきっかけです。そうこうするうちに「Sudden Fiction」という超短編文学* のことを知って、いい言葉だなと思ったし、文学用語でそういう言葉ができているのならお借りしたいと思いまして。それで副題を「Sudden Fiction」としたあたりから、じわじわと構想が固まってきた感じです。自分のなかに瞬時に出てくるアイデアを順不同に並べていくと、もしかしたら、自分のなかのジャズの歴史、実際のジャズの歴史、さらには、音楽がこの世に生まれてきてからの長い時間……というようなものが入り込んできて、時系列に沿って並べられたストーリーができるかもしれないな、と思っているところです。松原さんが選んでくださったすばらしいメンバーとともに、ぜひ丁々発止とやりあいたいですね。


*『Sudden Fiction 超短編小説70』
ロバート・シャパード/ジェームズトーマス 編
村上春樹/小川高義 訳(文春文庫)

1980年代にアメリカで命名・発表された超短編小説集。サドン・フィクションとは、従来ショートショートと呼ばれてきた短編小説とも異なる新しいスタイルの短編を示すために作家たちが知恵を絞って考えた呼び名です。ジャンル名として定着しているとはまだ言えませんが、超短編であるからには、作り手の機知や語り口のうまさが瞬発力をもって示されなければなりません。つまり『長編小説が200ページかけてやることをたった1ページでしてのける』(編者ロバート・シャパード/小川高義訳)…この切れ味は、山下洋輔の音楽にも通じるものではないでしょうか。超短編、油断ならない、思いがけない、突然の(SUDDEN)物語(FICTION)…この呼び名は今回の新作のタイトルにふさわしいと言えるでしょう。


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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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