B→C バッハからコンテンポラリーへ
216 伊藤美香(ヴィオラ)

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日時:
2019年11月12日[火]19:00
会場:
リサイタルホール     ホールへの行き方

日本人作曲家の作品演奏に情熱を注ぐ、注目のヴィオリスト。
“ヴィオラの知られざる名曲たち”が輝きを放つ一夜。

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[東京オペラシティチケットセンター]
TEL.03-5353-9999

[出演]

伊藤美香(ヴィオラ)

[共演]
新垣 隆(ピアノ)*

[曲目]

  • 鈴木行一:響唱の森 ─ ヴィオラとピアノのために(2009)*
  • J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第2番 イ長調 BWV1015 *
  • マルティヌー:ヴィオラ・ソナタ(1955)*
  • 西村 朗:無伴奏ヴィオラ・ソナタ第3番「キメラ」(2017)
  • 眞鍋理一郎:ヴィオラとピアノのための《長安早春賦》(1987/2009)*
  • 矢代秋雄:ヴィオラとピアノのためのソナタ(1949)*

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  • 公演について
  • 出演者プロフィール
  • インタビュー

チケット情報

[料金]全席自由
¥3,000(税込)
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売:6月21日[金](特典:10%割引)
「インターネット予約」会員優先発売:6月26日[水]
一般発売:6月28日[金]
[チケット取り扱い]

インターネット予約

公演について


© Naoya Yamaguchi (Studio☆DiVA)

これまで「多種多彩なヴィオラの世界」が繰り広げられてきたB→Cのステージ。そこにまた一人、新たな世界へと誘ってくれる逸材が登場!
伊藤美香(いとう・はるか)は、ソロ、室内楽に加え、戦前から戦後まで幅広い時代に創作された、日本人作曲家の管弦楽曲を掘り起こし、さらに映画、特撮、アニメ音楽までも演奏する団体「オーケストラ・トリプティーク」の要として、貴重な音楽体験を提供しているヴィオリストです。
お聴き頂くのは日本人作曲家の作品を中心とした、いわば“ヴィオラの知られざる名曲集”。彼女が情熱を傾け、深い理解をもって演奏を重ねてきた音楽が並びます。「起承転結のはっきりした、とても劇的な作品」と彼女が語る《響唱の森》は、黛敏郎などに師事し、卓越したオーケストレーション技術の持ち主としても知られていた鈴木行一の作品。バッハのソナタBWV1015はヴィオラの音色との相性の良さを感じ、選びました。明朗でおおらかな曲調のマルティヌーのソナタもまたこの機会にぜひ知ってほしいと願う一曲。そして西村朗《無伴奏ヴィオラ・ソナタ第3番》は、彼女の演奏に触発され誕生しました。ヴィオラの音色が生きた、情緒あふれる調べが魅力の眞鍋作品に続くのは、70年前に作曲されたものの、近年まで幻の作品ともいわれていた矢代秋雄の傑作ソナタです。
彼女の演奏をとおし「世の中には次世代に継がれるべき、素晴らしい音楽がまだまだある!」というメッセージも、ぜひ実感してほしい一夜です。

出演者プロフィール

伊藤美香(ヴィオラ)

Haruka Itoh, viola
© Naoya Yamaguchi (Studio☆DiVA)
1983年神奈川県出身。北鎌倉女子学園高等学校音楽科ヴァイオリン専攻を卒業し、ヴィオラ専攻として東京音楽大学に入学。同大学院修士課程に給費特待生として入学し、在学中に特待生奨学金を得て、修士課程修了。くらしき作陽大学音楽学部研究生修了後、くらしき作陽大学音楽学部非常勤講師を務め、現在、尚美学園大学オーケストラ演奏員、日本人の作品を専門に演奏するオーケストラ・トリプティークの団長を務める。在学中から新作初演に積極的に取り組み、特に日本人作曲家の作品に力を入れる。2008年、別宮貞雄の《ヴィオラ協奏曲》を井上道義指揮によるオーケストラ・アンサンブル金沢と共演。2013年、水戸博之指揮によるオーケストラ・トリプティークの定期公演にて、西村朗の《ヴィオラ協奏曲》を演奏した際、好評を得る。2014年の同楽団の定期公演にて水野修孝の《ヴィオラ協奏曲》の初演も務め、この2作品はライブCDとしてスリーシェルズから発売された。2017年、第24回「四人組とその仲間たち」演奏会にて、西村朗の《無伴奏ヴィオラ・ソナタ第3番"キメラ"》を初演。
これまでにヴィオラを兎束俊之、室内楽を河合訓子、浦川宜也、ドミトリー・フェイギン、ヴァイオリンを鈴木稔、田尻かをり、大谷康子の各氏に師事。

インタビュー


© Naoya Yamaguchi (Studio☆DiVA)
伊藤美香

ソロ、室内楽での活動のみならず、「オーケストラ・トリプティーク」の団長としても活躍しているヴィオラ奏者 伊藤美香(はるか)。今回のB→Cは、日本人作曲家の作品を多くの人々に届けることに情熱をかける彼女ならではの特別なプログラムです。ヴィオラという楽器の魅力、日本人作曲家に関心を持ったきっかけ、それぞれの曲の聴きどころや各作曲家への思いなどについて、メールインタビューで語っていただきました。

伊藤さんがヴィオラを始めたきっかけを教えてください。

高校三年の時、音大受験に向けて大谷康子先生にレッスン頂いた際、「ヴァイオリンが壊れそうだから、ヴィオラをやってみたら?」と、本当に言われました(苦笑)。その後、兎束俊之先生にヴァイオリンを聴いて頂いた直後に、「うん、ヴィオラ向きだね」と。
私は自分が高身長だからそう言われたのかな?とも思いましたが、ヴィオラを初めて弾いた時の音の感動や、顎に伝わってくる振動がとても楽しかったので、受験間近でしたが、心理的にも違和感なく転向することを決め、東京音楽大学ヴィオラ専攻に進みました。
ヴィオラは精神性の深さを表現しやすい音色を持っているという点が魅力かな…と、この楽器を弾くようになって感じました。そしてヴィオラの為に書かれた作品には、哲学的な要素を含む作品が多いような気がします。

伊藤さんは2012年に結成された、日本人作曲家の作品を専門に演奏する楽団「オーケストラ・トリプティーク」の団長でもあります。どんな活動をされているのですか?

オーケストラ・トリプティークは、日本人作曲家の作品であれば、戦前でも戦後でもどの時代であろうと、そしてどんなジャンルの作品でも演奏します。また現在活躍している作曲家への委嘱初演や、日本が世界に誇る映画音楽、特撮音楽、アニメ音楽も演奏します。
これらの作品は、素晴らしい音楽作品にも関わらず、後世に残せない状態である事が多いのです。音源があるけれど楽譜が行方不明で再演出来なかったり、楽譜の一部分しか残っていない、パート譜がない、楽譜はあるが音源がないので音を世の中の人々に届けられない…等の問題があるのです。
そこで、次の世代のために手書きの楽譜をデータ化して再演出来る形にしたり、音源を残してCD化し、人々が聴ける状態にしたりという、音楽作品のアーカイブ活動もしております。
私の周りの演奏家や聴衆からも、「このような良い作品があったのだ」と知って貰えるようになり、だんだん多くの人が日本人作曲家の作品に興味を持って下さるようになっていると感じています。

以前から日本人作曲家の作品に深い関心を持たれていたのですか?

私は中学の時に作曲に転科しようかな…と少し思ったことがあり、新曲や現代曲にはずっと興味がありました。大学生の頃は、作曲家の友人と仲良くなり、お互いに意見交換をして、いくつもの新曲を初演しました。作曲家と一緒に作り上げる過程は大変楽しく、音大時代の良い思い出です。
また大学の卒業試験で、別宮貞雄先生のヴィオラ協奏曲を演奏したことも大きなきっかけになりました。その演奏を別宮先生が聴きにいらして下さり、先生との会話を通して、大変貴重な情報や経験を得ました。
このような学生時代を過ごした事により、日本人作曲家の作品を取り上げて、多くの方にその作品の良さを知って頂きたいと強く思うようになりました。
加えて日本人作曲家の作品の方が、自分としては立体的に景色を感じる気がして、そういうところが魅力だと思っています。

今回の選曲は、まさに伊藤さんならでは!ということですね。では、それぞれの作曲家、作品について詳しく教えて下さい。

原博、宍戸睦郎、尾高惇忠、松村禎三、黛敏郎各氏の弟子だった鈴木行一先生の《響唱の森》は、10分位の曲で起承転結のはっきりした、劇的な作品です。2009年に兎束俊之先生がご自身の古稀記念リサイタルの際に初演された曲で、会場は今回と同じ東京オペラシティリサイタルホール、そして私が公演の実行責任者として対応していた思い出深い公演でした。初演の反響から、更なる新作に期待が寄せられたのですが、翌年、鈴木先生は急逝され、この曲が遺作となってしまいました。とても大柄で豪快だった鈴木先生の笑顔は未だに忘れられません。

西村作品は伊藤さんのために書かれたと聞きました。

以前、西村先生の《ヴィオラ協奏曲》を、オーケストラ・トリプティーク第2回演奏会の際にとりあげ、私がソロを務めました。その後、先生から「四人組」2017公演(全音楽譜出版主催)の演奏依頼を電話で頂き、無伴奏ヴィオラ・ソナタ第3番《キメラ》が誕生しました。
初演に向けて、西村先生から表現の幅を広げるようなアドバイスを頂いたり、先生とコミュニケーションを図るなかで、音楽作品を仕上げる作業を一緒にさせて頂いた、大変光栄な時間でしたし、「この作品は伊藤さんへのあて書きだから」と、先生は仰って下さったので、自分が思った事や感じた事を思いっきり遠慮なく、躊躇せず演奏に込めました。
この曲は無伴奏ヴィオラ作品のなかでも芸術性の高い大作であり、楽器の魅力も最大限に引き出せるので、初演者としてこの曲をもっと世に伝えたいと思っています。

眞鍋理一郎さんは映画音楽などにおいても根強いファンがいます。

池内友次郎、伊福部昭、仁木多喜雄、Francesco Angelo Lavagnino各氏の弟子だった眞鍋先生は、映画音楽なども手がけ、クラシック音楽ファンだけでなく、映画音楽ファンからも人気があり、大島渚監督『太陽の墓場』の音楽でブルーリボン賞の音楽賞も受賞されています。曲調としては異空間、異世界へ誘うような雰囲気が漂い、大変魅力的です。
《長安早春賦》はヴィオラの音色が生きた名作で、「Ⅰ柳絮」「Ⅱ老女歌」「Ⅲ胡旋舞」からなります。
先生は江戸っ子のような気質を持ち合わせつつも、とても紳士的でゆっくりとした口調と、学生時代は声楽科に在籍していたこともあっただけに、落ち着いた素敵な声の持ち主でした。そして楽器も好きで、その中でもヴィオラが好きと仰っていました。ヴィオラ好きの作曲家が書いた作品は、やはり素晴らしいです。

矢代秋雄さんのヴィオラ・ソナタは70年前、1949年に作曲された作品です。

若かりし矢代先生がフランス留学前に書かれた、大変瑞々しい作品です。ヴィオラ作品としては、やや高音のフレーズなどがあり、難易度が非常に高いのですが、多くのヴィオラ奏者が演奏していくべき作品の一つと思っています。

曲目の一つにマルティヌーが入っているのは意外な気もしました。

マルティヌーのヴィオラ・ソナタを初めて知った時は衝撃を受けました。一般的にヴィオラの作品には内向的な雰囲気の曲が多いように思うのですが、このソナタは明朗で大らかな曲調なのです。ですが、演奏している方をあまり見かけない気がして、以前からリサイタルでこの曲を演奏したいと思っていました。
また、今回のプログラムのなかでは他の楽曲と曲調が違うので、それぞれの曲の個性が浮き彫りになるのではないか?とも思いました。

どの曲も貴重な実演の機会になりそうですね。

言うなれば、今回は全体を通して「ヴィオラの知られざる名曲集」かなと思っています。ヴィオラの為に書かれた魅力ある作品や名曲を多くの方に知って頂けるよう、精一杯演奏して参りたいと思います。
さらに、初めて共演する新垣隆さんの演奏も大変素晴らしいので、それも非常に楽しみです。

*曲目、演奏曲順、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社

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