B→C バッハからコンテンポラリーへ
205 黒田鈴尊(尺八)

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日時:
2018年10月16日[火]19:00
会場:
リサイタルホール     ホールへの行き方

無限の可能性に挑み続ける、
気鋭の尺八奏者
B→Cに登場!

インターネット予約終了

[東京オペラシティチケットセンター]
TEL.03-5353-9999

[出演]

黒田鈴尊(尺八)

[共演]
岡村慎太郎(三絃)*
中島裕康(箏)**

[曲目]

  • 神保政之助:奥州薩慈
  • J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007
  • 細川俊夫:線Ⅰ── フルートのための(1984/86)
  • 峰崎勾当:残月 */**
  • 入野義朗:尺八と箏の協奏的二重奏(1969)**
  • 坂田直樹:Liquid Pulse(2018、黒田鈴尊委嘱作品、世界初演)
  • 山本和智:Aquifer A/B(2014)
  • 網守将平:Surface of Chimeric Movement(2018、黒田鈴尊委嘱作品、世界初演)
  • 権代敦彦:スワン・ソング ─ 尺八のための op.167(2018、黒田鈴尊委嘱作品、世界初演)

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チケット情報

[料金]全席自由
¥3,000(税込)
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売:6月16日[土](特典:10%割引)
「インターネット予約」会員優先発売:6月21日[木]
一般発売:6月23日[土]
[チケット取り扱い]

インターネット予約終了

公演について


© Ayane Shindo

「尺八」の“し”の字も知らなかった二十歳の大学生が、ある日、どんな曲かまったく知らぬまま聴いた音楽。それは武満徹の《ノヴェンバー・ステップス》でした。聴き終えた瞬間、大きな衝撃と感動を覚え、尺八を、この曲を演奏したい!と翌日にはプロをめざし、行動していた有言実行のひと。それが今回の出演者・黒田鈴尊です。
あこがれの作品J.S.バッハ《無伴奏チェロ組曲》の構成に因み、“舞曲をちりばめた組曲”のように、尺八古典本曲の名作とバッハ、深い共感を覚える邦人作曲家の同時代音楽を組み合わせたリサイタル。一見、尺八とは縁遠く感じがちな「ダンス・ミュージック」というテーマには、リズミックな音楽や瞑想的な音楽、あるいは休符や間の静寂のなかに備わる“動的なエッセンス”を、尺八ならではの多様な表現と無限の可能性から感じ取ってほしいという意図が込められています。入野作品や尺八バージョン世界初演となる細川作品、未聴感溢れる山本作品もまた然り。そして3人の作曲家による新作は「各々のオリジナリティを生かしつつ、バッハの無伴奏組曲のように楽器の限界に迫り、さまざまなスタイルの舞曲をちりばめた作品を」とリクエストしました。
2004年以来、シリーズ2度目となる「尺八で聴くB→C」。気鋭の表現者が「尺八一本で驚きと感動、どきどきワクワクを共有してほしい!」と意気込むステージです。

出演者プロフィール

黒田鈴尊(尺八)

Reison Kuroda, shakuhachi
© Ayane Shindo
1983年生まれ。人間国宝・青木鈴慕、青木彰時に師事。早稲田大学人間科学部、東京藝術大学音楽学部卒業、東京藝大大学院修士課程修了。NHK邦楽オーディション合格。NHK-FM『邦楽のひととき』に独奏で出演。第2回利根英法記念邦楽コンクールにて最優秀賞受賞。NHK Eテレ『にっぽんの芸能〜いま輝く若手たち』出演。CD、TV、ラジオなどに音源提供多数。2014年韓国・百済文化祭で朴範薫の尺八協奏曲《流》のソリスト。自作カデンツァを含むその演奏が好評を得て同年公州で再演。2015年山本和智《Roaming liquid for shakuhachi and orchestra》を世界初演。2016年国際現代音楽祭・ARS MUSICAにソリストとして招請され、武満徹の《ノヴェンバー・ステップス》、新作尺八コンチェルト2作品(作曲Claude Ledoux、Denis Levaillant)を世界初演。ブリュッセルでのソロリサイタルも好評を博した。第13回佐治敬三賞を受賞した和楽器と古楽器による「アンサンブル室町」と、東京藝大時代の仲間で結成した「邦楽四重奏団」のメンバー。邦楽四重奏団としてリリースした、1st CD『野田暉行邦楽作品集』(ALM RECORDS)はレコード芸術誌にて特選盤、音楽現代誌にて推薦盤となった。東京で毎年、新作発表を含むソロリサイタルを開催。

インタビュー


© Ayane Shindo
黒田鈴尊

気鋭の尺八奏者、黒田鈴尊がB→Cに登場!
「尺八」の“し”の字も知らずDJをしていた二十歳の時に、ある曲と運命的に出会ったことで尺八を習い始めたという異色の経歴の持ち主です。これまた偶然が重なり入門することになった師匠との出会いや、現在の多彩な活動について、そして「テーマはダンスミュージック」という、彼ならではの今回のプログラムについて、メールインタビューで語っていただきました。

黒田さんが尺八を始めたきっかけは、武満徹の《ノヴェンバー・ステップス》を聴いたことだったそうですね。

はい。その頃、DJを嗜んでいたこともあり、その場にいる人たちが聴いたこともないような、でも感動や驚きがある音楽を探していた時に手に取ったCDでした。風の動きや植物の生成のような音楽の在り方、オーケストラのffの中にあってさえ聴こえてくる震えるような尺八のpp....など、あまりの感動と衝撃に脳みそが180度回転するような感覚でした。
恥ずかしながら20歳のその時まで、尺八の"し"の字も知りませんでした。が、その衝撃を感じたまま、この楽器を演奏したいと強く思い、翌日からプロの尺八奏者をめざしました。

そして、人間国宝の青木鈴翁と三代目青木鈴慕の両氏に学ばれました。

当時暮らしていた所から自転車で伺える距離に、たまたま先生方がお住まいだったのです。これまた偶然、自宅近くに尺八屋さんがあって、そのことを教えてくれました。私は「これは運命だ」と思い切ってその門を叩き、師事が叶いました。こんなに幸運なことはありません。

改めて尺八についても教えてください。

竹の節をくり抜いて5つ孔を開けた原始的な楽器です。口元でユリ(ヴィブラートをかけ)ますので、音にそのまま自分が出てしまう恐ろしさと面白さがあります。とてもシンプルな分、その可能性はまだまだ無限に広がっていることも魅力です。

邦楽の古典演奏以外では、どんな活動を?

委嘱新作、現代邦楽の名作の再演、古典三曲合奏の三本柱で活動している「邦楽四重奏団」というカルテットと、和楽器と古楽器による「アンサンブル室町」に所属しております。いずれも"今の音楽、新作を書いて頂きたい作曲家"にアンテナを張って、委嘱活動も続けている団体です。
ソロでは、一昨年に国際現代音楽祭ARS MUSICA(ブリュッセル)で2つの新作尺八コンチェルトの初演に加え、夢であった《ノヴェンバー・ステップス》を演奏することが叶いました。今年8月にはロンドンで行われた「ワールド尺八フェスティバル」に参加、そこで開催された国際コンクールでも優勝することができました。

黒田さんにとって、コンテンポラリーは欠かせないジャンルなのですね。

邦楽の古典本曲も作曲された当初は"現代作品"であり、初演があったはずです。時間と時代と人々の嗜好、作品の強度などを経て、今に残るものが"古典"であることを想いますと、一奏者として「"今"が表出される音楽、作品=同時代音楽」が生まれる現場に立ち会える幸運とワクワク感は何ものにも代え難いです。

ではB→Cのプログラムについて、お聞かせください。

テーマはダンスミュージック。リサイタル全体がまるで“舞曲をちりばめた組曲”のような構成になるよう意識しています。尺八とダンスミュージックは一見遠く感じられるかもしれませんが、私のなかで"ダンス"成分は音楽のなかでとても大事な要素の一つです。リズミックな音楽だけではなく、例えば尺八本曲の様な瞑想的、間を重んじる音楽にも、動的エッセンスを感じることができます。
また、バッハの無伴奏組曲のように、多様なスタイルの舞曲を配列し一つの音楽宇宙を完結させる様にもインスピレーションを得まして、私なりにリサイタル全体の中に一つの宇宙感を波及させたいと意図しました。
公演全体を通して"目に見えないダンサー"を会場中で共有出来るような、そんな世界をめざしたいと思っています。

バッハは《無伴奏チェロ組曲第1番》を選ばれました。

バッハの数ある憧れの作品の中でも、最も多く聴いた作品であること、チェロ奏者の名演の数々だけでなく、沢山の"他の楽器"での演奏も聴けることもあって、無伴奏チェロ組曲の"尺八ヴァージョン"に取り組む事は夢の一つでした。
楽器が変わっても、変わることなくある“バッハの宇宙"、"バッハを通してこそ感じる事の出来る何か"を、自分の演奏でも表現したいです。

細川作品はもともとフルート独奏曲ですね。

《線Ⅰ》を聴き、楽譜を見て、この音楽と哲学は尺八でこそ表現したいと強く思い、細川先生に直接レッスンして頂くことが叶いました。尺八バージョン世界初演です。

山本和智さんの作品は黒田さんの委嘱で誕生した曲です。

初めて耳にした山本和智氏の作品は箏と糸電話を組み合わせた作品でしたが、音楽だけでなく視覚的にもインパクトがあり、さらに音にも感動しまして、「何て面白い作曲家なんだろう。自分も作品を書いてもらいたい!」と強く思ったのが、委嘱のきっかけでした。
《Aquifer A/B》は、尺八が発する微細な音響をループマシーンやエフェクターを用いて顕微鏡のように拡大した未聴感溢れる曲です(YouTubeで視聴可能 https://youtu.be/U9r4jn7vvQw)。このソロがコンチェルトにも展開したんですよ!こちらも是非とも聴いて頂きたいし、再演を願っております。

古典本曲や入野作品についてもお聞かせください。

《奥州薩慈》は古典尺八のエッセンスが凝縮された名曲。《残月》もまた日本音楽随一の名曲のひとつで、器楽部分は歌詞に登場する遊女が昔を懐古して踊る場面に相当するので、いわば幻想的舞曲ともいえます。
入野義朗《尺八と箏の協奏的二重奏》は、12音技法が初めて邦楽器に取り入れられ、重音が尺八で初めて用いられた作品です。

更に今回は坂田直樹、網守将平、権代敦彦の各氏に、新作を委嘱されました。

坂田さんとは昨年入野賞室内楽作品演奏会で出会い、同世代でもあるお互いの表現を聴いて意気投合しました。武満徹作曲賞に続いて尾高賞、芥川作曲賞も受賞され、"時のヒト"の階段を駆け上る坂田さんの初の尺八作品です。彼はフランス在住ですので、Skypeでの対話や、リクエストされた音素材の録音を送るなどのやり取りをしながら書き進めて頂きました。
網守さんは藝大在学中からその才能とセンスは突出しており、いつか彼の尺八ソロ作品を聴きたいと願っておりましたので、今回、奏者自身がループマシン&エフェクターを操作しながら演奏するソロ作品を委嘱でき、ワクワクしております。ちなみに、網守さんの音楽背景を知るインタビューがこちらで読めます。→http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/13232
アンサンブル室町で権代さんの作品を演奏した者として、何より一音楽ファンとしても、その新作が聴きたくて、尺八作品の委嘱初演が叶った事は夢のようです。観客、奏者の両方を高揚させずにおかない権代さんならではの祈りの音楽によって、様々な色彩とリズムの階調から成る広義の意味での"ダンス"が共有され、B→C公演を締めくくれたら…と願っております。

最後に公演への意気込みを!

バッハ、古典、一音楽ファンとして新作を聴きたい3人の作曲家の新作と敬愛する作曲家達の作品を通して、尺八の無限の可能性を展開する一夜にしたいです。

*曲目、演奏曲順、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社

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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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