ヴィラ=ロボス没後50年記念
《ブラジル風バッハ》全曲演奏会

ヴィラ=ロボス没後50年記念 《ブラジル風バッハ》全曲演奏会チラシ

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日時:
2009年8月22日[土]14:00
会場:
コンサートホール     ホールへの行き方   座席図

ブラジルの大地をたどる9曲の音楽旅行

  • 【オンエア情報】 NHK-FM「サンデークラシックワイド」
    2009年10月25日[日]14:00 - 18:00

    *放送日時・内容は予告なく変更される場合があります。

[出演]

指揮:ロベルト・ミンチュク
ソプラノ:中嶋彰子
フルート:斉藤和志
ファゴット:黒木綾子
ピアノ:白石光隆
新国立劇場合唱団[合唱指揮:三澤洋史]
東京フィルハーモニー交響楽団
司会:加藤昌則

[曲目]

エイトル・ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ

  • 第6番(1938) ~フルートとファゴットのための
  • 第9番(1945) ~無伴奏合唱のための
  • 第4番(1930-1941) ~ピアノのための

  • 休憩 約15分

  • 第1番(1932) ~8本のチェロのための
  • 第5番(1938) ~ソプラノと8本のチェロのための

  • 休憩 約30分
    ロビーコンサートあり(ギター:益田正洋)


  • 第3番(1934) ~ピアノとオーケストラのための
  • 第8番(1944)~オーケストラのための

  • 休憩 約15分

  • 第2番(1933) ~オーケストラのための
  • 第7番(1942) ~オーケストラのための

  • *終演予定時間 18:30頃

  • チケット情報
  • 公演について
  • 出演者プロフィール
  • CD情報
  • インタビュー

チケット情報

[料金](全席指定・税込)
S:¥8,000 A:¥7,000 B:¥6,000 C:¥5,000 D:¥4,000

*演奏会当日に残席がある場合、学生券を¥5,000で発売します。(要学生証)
当日10時より東京オペラシティチケットセンターへお問い合わせください。

[チケット発売日]
Arts友の会優先発売 :4月18日[土](特典:10%割引)
一般発売 :4月25日[土]
インターネット予約受付開始(予定) :4月28日[火]10:00~
[チケット取り扱い]
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:318-988)
イープラス http://eplus.jp/
ローソンチケット 0570-000-407(Lコード:34447)
CNプレイガイド 0570-08-9990

公演について

ブラジルの大地をたどる9曲の音楽旅行


ボサノヴァが生まれ、数多くの音楽的才能が登場してきた、まさにその時に、ブラジル音楽界の巨星がこの世を去った。エイトル・ヴィラ=ロボス(1887~1959)である。今年は彼の没後50年。いま、巨星の代表作である「ブラジル風バッハ」全曲が私たちの前にその隠れた素顔を表す時が来た。

ヴィラ=ロボスはリオ・デ・ジャネイロ生まれ。父親からギターとチェロとクラリネットを習った。週末の夜、家に集まる多くの音楽家からも影響を受け、父親の死後はオーケストラでチェロ奏者として活動を始めるが、作曲は独学である。西欧スタイルの音楽だけでなく、ブラジル民衆の音楽、あるいはこの大陸の奥地に息づく民俗音楽を調査し、実際に民俗音楽グループとも演奏活動を行った。1917年にダリウス・ミヨーとブラジルで出会った事から同時代のフランス音楽を知り、大きな影響を受けた。またピアニストのルビンシュタインやギタリストのセゴヴィアとの出会いも大きな出来事だった。

1920年代をパリで過ごした後、ブラジルに帰ったヴィラ=ロボスが書き始めた意欲的作品が「ブラジル風バッハ」。1930年に書かれた第1番はチェロのアンサンブルのための作品で、以後1945年まで様々なタイプの9曲が書かれることになった。中ではソプラノと8つのチェロのための第5番が最も有名だが、それぞれに個性的な作品は、ヴィラ=ロボスのたどってきた音楽的人生の結晶とも言えるものだ。子供の頃から好きだったバッハの作品の形式感、そこにブラジル各地の音楽を融合させ、ヴィラ=ロボスにしか書けない強烈な色彩感を持つ音楽世界を華開かせた。

今回はその9曲を一挙に聴くチャンスだが、中でも第9番の無伴奏合唱版は実演で聴く事がほとんどないので要注目。また指揮者として初来日となるロベルト・ミンチュクは、南北アメリカで主に活動する中堅指揮者で、すでに「ブラジル風バッハ」全曲の優れた録音を残しているので、期待も高まる。夏の一日、ヴィラ=ロボス再発見の旅に出かけよう。

片桐卓也(音楽ジャーナリスト)

出演者プロフィール

エイトル・ヴィラ=ロボス

Heitor Villa-Lobos
写真提供:日本ヴィラ=ロボス協会
ブラジルを代表する20世紀前半の作曲家。音楽愛好家の父親からチェロ、クラリネット、ギターの手ほどきを受け、チェロに関してはその後専門的に学んだが、作曲に関しては独学。若い頃はギターを持って町の放浪楽団と「ショーロ」を演奏したり、ブラジルの奥地に入って原住民の音楽や民謡などを収集したりした。ルービンシュタインやミヨーとの出会いから1924年パリを中心に自作を指揮するなどしてヨーロッパデビュー、セゴビアとの出会いによってギター音楽の発展にも貢献、1940年代にはアメリカでも活躍するようになった。自国では、1935年バッハの「ロ短調ミサ」をブラジル初演するなど指揮者として、また、リオ・デ・ジャネイロにブラジル音楽アカデミーを設立、生涯その院長を務め、教育者としても活躍。代表作の《ブラジル風バッハ》、《ショーロス》他、室内楽作品を含め、1,000曲以上作曲した多作家であった。

ロベルト・ミンチュク(指揮)

Roberto Minczuk, conductor
1967年、サンパウロ生まれ。カナダのカルガリー・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督。同時にブラジル交響楽団の芸術監督および、リオ・デ・ジャネイロ市立歌劇場と同管弦楽団の音楽監督兼芸術監督を兼任している。1998年ニューヨーク・フィルを指揮して北米デビューを飾る。以降これまでに、ロンドン・フィル、BBC交響楽団、ベルギー国立管弦楽団、フランス国立リヨン管弦楽団、ハーグ管弦楽団、ハレ管弦楽団、イスラエル・フィル、モントリオール交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ミネソタ管弦楽団、ボルティモア交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、ワシントン・ナショナル交響楽団、ダラス交響楽団、シンシナティ交響楽団などを指揮。2004年、ヴィラ=ロボスの《ブラジル風バッハ》全曲録音を遂行。CDは、BISレーベルからリリースされ、好評を博した。今後の動向が最も注目されている若手指揮者のひとり。今回が初来日。

オフィシャルサイト(ポルトガル語)
http://www.robertominczuk.com/

中嶋彰子(ソプラノ)

Akiko Nakajima, soprano
90年全豪オペラ・コンクール優勝。シドニーとメルボルン、両オペラハウスと契約し、『皇帝ティートの慈悲』のセルヴィリアでデビュー。92年ヨーロッパ国際放送連合年間最優秀賞受賞。99年ダルムシュタット・オペラ『ルチア』タイトルロールでドイツ・オペルンベルト誌年間最優秀新人賞受賞。同年ウィーン・フォルクスオーパーと専属契約。劇場のトップスターとして、卓越した歌唱と演技力、自由で華やかな存在感で圧倒的な人気を獲得。オーケストラ演奏会、リサイタル、音楽祭でも活躍し、シャンゼリゼ劇場、コンツェルトハウス(ウィーン/ベルリン)、ウィグモア・ホール等世界各地のコンサートホールに出演している。
CDは歌曲集『ラ・パストレッラ』(2005年度ドイツ批評家大賞受賞)とオペラ・アリア集『女の肖像』、歌曲集『愛の喜び』をリリース。第14回「出光音楽賞」受賞。シュタイヤー音楽祭アーティスティック・アドバイザー。

オフィシャルサイト「Akiko Nakajima - soprano」
http://akikonakajima.com/

斉藤和志(フルート)

Kazushi Saito, flute
福島県郡山市出身。東京芸術大学附属高校を経て、東京芸術大学器楽科卒業。同大学院修了。第5回神戸国際フルートコンクール第4位。第70回日本音楽コンクール第1位。合わせて加藤賞及びE・ナカミチ賞受賞。第4回びわ湖国際フルートコンクール第1位。
これまでに、パウル・マイゼン、金昌国、佐久間由美子、中川昌巳、中野富雄、三上明子、山崎成美の各氏に師事。
東京藝術大学附属高校および洗足音楽大学講師。東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者。「NOZZLES」「The flute quartett」メンバー。ソリスト、室内楽奏者、オーケストラ奏者として活動中。
現代の音楽の演奏にも力を注いでおり、現代音楽演奏グループ、東京シンフォニエッタでは副代表を務め、国内外より高い評価を得ている。第68回日本音楽コンクール作曲部門本選における演奏に対し審査員特別賞を受賞。2006年度アリオン音楽財団奨励賞受賞。また、自身、作曲、編曲も行っており、即興演奏も含め、従来の枠にとらわれない多彩な活動を展開している。

斎藤和志ブログ
http://blog.goo.ne.jp/tronjack

黒木綾子(ファゴット)

Ayako Kuroki, bassoon
1980年、宮崎市生まれ。14歳よりファゴットを始め、埜口浩之氏の下で学ぶ。東京芸術大学にて岡崎耕治氏に、同大学大学院にて岡本正之、河村幹子の両氏に師事。
東京芸術大学在学中より、在京オーケストラに多数客演し、また、小澤征爾音楽塾オペラプロジェクト、「JTの育てるアンサンブルシリーズ」、倉敷音楽祭、宮崎国際音楽祭等に参加し、国内外の著名な演奏家との共演を重ね、研鑽を積んだ。2005年、東京芸術大学大学院修了後、東京フィルハーモニー交響楽団の首席ファゴット奏者に就任。
約2年半の在籍の後、2007年10月より文化庁派遣芸術家在外研修員として、ドイツ・ミュンヘンへ留学。ミュンヘン国立音楽大学大学院・マイスタークラスにて学ぶ。エバーハルト・マーシャル(バイエルン放送響・首席)、リンドン・ワッツ(ミュンヘンフィル・首席)の両氏に師事。2008年6月に同大大学院・マイスタークラスを修了。
帰国後、東京オペラシティリサイタルホールにて初のソロリサイタルを行い、また同じく東京オペラシティコンサートホールにて、東京交響楽団とモーツァルトのファゴット協奏曲で共演を果たした。
現在、東京フィルでの活動を中心に、ソロ、室内楽などでも幅広く活動している。

白石光隆(ピアノ)

Mitsutaka Shiraishi, piano
1989年に東京芸術大学大学院を修了後、ジュリアード音楽院へ進む。1990年ジーナ・バッカウアー国際奨学金コンクール入賞。1991年学内におけるコンチェルト・コンペティションで優勝し、リンカーンセンター内アリスタリーホールでジュリアード・オーケストラとラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番を協演。鋭い感性とパワー溢れる行動力で、アメリカ留学中も幅広く活躍。帰国後は音楽にさらなる深みが増し、ソロ、室内楽、協奏曲等、そのステージは決して期待を裏切らないクオリティーの高いものとして定評がある。
1994年第63回日本音楽コンクール声楽部門において、優れた日本歌曲の演奏に贈られる木下賞(共演)受賞。レパートリーも広く、邦人、現代作品の分野でも評価が高く、ジャズへのアプローチも積極的に行なっている。吉松隆、長生淳らの作品を入れたCD『レグルス回路』は山野楽器1998年度アカデミー賞(現代曲部門)を受賞、またベートーヴェン作品109と、これに触発された矢代秋雄作品を主軸とした『109』、『大指揮者のピアノ曲』、『作曲家ムラヴィンスキー』他、いずれも好評である。キングインターナショナルとのベートーヴェン・ソナタシリーズの収録を開始し、2006年8月に3大ソナタを収めたアルバム第1弾を、2007年9月には第2弾をリリース。2007年2月にリリースした『成田為三ピアノ曲全集』(世界初録音)は平成19年度(第62回)文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞し、各方面から高い評価を得る。
毎年東京で定期的にリサイタルを開催し、意欲的なプログラミングはもとより、近年は透明感ある音に奥行きと厚みが加わり、圧倒的なリズム感と、生き生きと、説得力のある演奏スタイルで、回を重ねるごとにファンを増やしている。
次代を担う実力派であると同時に、柔軟な思考回路を持った豊かな人間性。ピアニストで音楽人。白石光隆の宇宙は際限ない。
ピアノを金澤桂子、高良芳枝、故 伊達純、小林仁、マーティン・キャニンの各氏に、室内楽をフェリックス・ガリミア、伴奏法をジョナサン・フェルドマンの各氏に師事。 現在、東京芸術大学ピアノ科非常勤講師。

CD情報

2009年7月10日発売
ヴィラ=ロボス:ショーロス&ブラジル風バッハ全集

•ブラジル風バッハ 全曲
(第1~9番、9番は弦楽オーケストラ版、無伴奏合唱版の2種収録)
ロベルト・ミンチュク(指揮)、サンパウロ交響楽団、同合唱団 他
•ショーロス
(第1~第12番、ショーロス序章、2つのショーロス)
ジョン・ネシリング(指揮)
•ショーロス形式による木管五重奏曲
ベルリン・フィル木管五重奏団
•ギター独奏曲全集
(5つの前奏曲、ブラジル民謡組曲、12の練習曲)
アンデシュ・ミオリン(ギター)


BIS-CD-1830(7枚組CD・輸入盤)


ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ
ロベルト・ミンチュク(指揮)
サンパウロ交響楽団 他


第1番、第4番、第5番、第6番
BIS-CD-1410
[試聴]http://www.bis.se/naxos.php?aID=BIS-CD-1410



第2番、第3番、第4番
BIS-CD-1250
[試聴]http://www.bis.se/naxos.php?aID=BIS-CD-1250




第7番、第8番、第9番
BIS-CD-1400
[試聴]http://www.bis.se/naxos.php?aID=BIS-CD-1400

インタビュー


ヴィラ=ロボス没後50年記念《ブラジル風バッハ》全曲演奏会に出演する指揮者、ロベルト・ミンチュク氏は、ブラジル、サンパウロの出身。ブラジルで音楽教育を受けた氏に、ブラジル国民にとってのヴィラ=ロボスの存在、彼の音楽の魅力などを語っていただきました。


(2009年4月、メール・インタビューの抄訳 取材協力:コンサートイマジン)


ヴィラ=ロボス音楽の特徴と魅力について、またブラジル国民にとってどのような存在なのか、お話しください。
ミンチュク 彼の音楽は、一度耳にしたらもっと聴きたくなるような人の心を奪う魅力と溢れるばかりのエネルギーに満ちています。またさまざまな種類のレコーディング、スコアや書籍が手にできるのも特徴ですね。2009年の記念イヤーにはヴィラ=ロボスのコンサートがたくさん行われますから、彼の音楽がより広まることを期待しています。
ヴィラ=ロボスは、間違いなく20世紀ブラジルを代表する“ブラジル的な”作曲家です。ちょうどハンガリーにおけるバルトーク、米国におけるコープランドのように。

今回全曲演奏される《ブラジル風バッハ》の魅力についてお話しください。今回は、作曲家が書いたオリジナル編成で第4番、第5番、第9番を演奏されるのも特徴ですね。
ミンチュク ブラジル風バッハ》は、J. S.バッハのスタイルで書かれた、ポピュラーなメロディと民俗的なリズムに基づく曲集です。私は常に、「オリジナル編成」による演奏こそベストで、作品の真実を伝えることができると考えています。今回これらの曲を最適な状態でお聞かせできることを嬉しく思います。

ヴィラ=ロボスは、当時流行していた「ショーロ」を放浪楽団とともに演奏していたそうですね。《ブラジル風バッハ》にもその影響は見られるのでしょうか?
ミンチュク ええ、そう思います。けれども彼はその他にもサンバ、モヂーニャ(甘美で情緒的な旋律を持つゆっくりとしたテンポの音楽)、マルシャ(カーニバルの時に踊るブラジル版マーチ)などさまざまなブラジルのポピュラー音楽に影響を受けていました。



ミンチュクさんご自身についてお聞かせください。指揮者になられたきっかけは? ブラジルでどのような音楽教育を受けられたのでしょうか。
ミンチュク 小さい頃から「将来は指揮者になる」と決めていましたね。その前にまず「いい音楽家になりたい」と思い、6歳から父が子どもたちを教えていた教会で音楽を学び始めました。そしてサンパウロの市立学校でフレンチ・ホルンを習い、13歳でジュリアード音楽院に入学して、引き続きフレンチ・ホルンを勉強しました。指揮の勉強はニュージャージーで始めました。卒業後、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管でのポジションを得て、そこでクルト・マズアに師事したのです。

今回が初来日となりますが、日本の聴衆にメッセージをお願いいたします。
ミンチュク 日本のみなさんが、ヴィラ=ロボスの美しさと音楽的アイデアのすばらしさを楽しむことで、彼の音楽の真髄を味わってくださることを期待しています。そして、このコンサートによって、みなさんが新しい発見をされることを願っています。

東京オペラシティArts友の会会報
「tree」Vol.74 より

*曲目、演奏曲順、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:東京オペラシティ文化財団
協賛:ジャパンリアルエステイト投資法人
後援:ブラジル大使館
協力:日本ヴィラ=ロボス協会
企画協力:コンサートイマジン

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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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