池辺晋一郎 プロデュース
日本の現代音楽、創作の軌跡
第2回「1930年生まれの作曲家たち」

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日時:
2020年7月10日[金]19:00
会場:
リサイタルホール     ホールへの行き方

未来へ伝えたい。
日本の現代音楽界を切り拓き、高めてきた先達の辿った道。

[出演]

池辺晋一郎(プロデュース/お話)

斎藤和志(フルート)
吉井瑞穂(オーボエ)
山澤 慧(チェロ)
篠﨑和子(ハープ)
塚越慎子(マリンバ)
永野英樹(ピアノ)
三橋貴風(尺八)
木村玲子(十七絃箏)

[曲目]

  • 下山一二三:セレモニー第2番(1971)
  • 鈴木博義:2つの声(1954/55)
  • 廣瀬量平:パドゥマ(波曇摩)(1973)
  • 助川敏弥:山水図 op.58(1978/81)
  • 三木 稔:雅びのうた op.36-1(1971)
  • 福島和夫:冥(1962)
  • 田中利光:マリンバのための二章(1965)
  • 諸井 誠:竹籟五章(1964)
  • 武満 徹:ユーカリプスⅡ(1971)

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チケット情報

[料金](全席自由・税込)
一般:¥4,000 学生:¥2,000
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売 :3月7日[土](特典:10%割引)
「インターネット予約」会員優先発売:3月12日[木]
一般発売 :3月14日[土]
[チケット取り扱い]

公演について

すでに長い歴史を持つ我が国の作曲活動。今あらためて、日本の現代音楽が歩んで来た道程を振り返り、そのなかから選りすぐりの作品をお聴きいただきたいと、当財団のミュージック・ディレクター池辺晋一郎が企画したシリーズです。第二弾の今回は1930年(昭和5年)生まれの作曲家を特集します。同時に、道を切り拓いてきた作曲家たちと彼らが生み出してきた作品を間近で見聴きしてきた池辺が、自身の言葉で、作曲家の人となりや時代の空気を次の世代へと伝えたい、そのような思いでプロデュースしました。

1930年生まれということ

撮影:武藤章

昭和一桁の「日本の作曲家・団塊の世代」については、昨年の第1回すなわち「1929年生まれの作曲家」の時にお話しした。今回は1930年生まれのかたがたを特集するが、多い。何と、9人!
明治維新から62年。欧米列強に並ぶべく着々と近代化を図るいっぽう、日清戦争(1894〜95)が、日露戦争(1904〜05)があり、さらに日本は第一次世界大戦(1914〜18)にも参戦。軍部の力がどんどん強くなり、ついに満州事変が勃発した。1931年だ。中国との戦争が始まる。この日の作曲家たちが生まれたのは、その前年なのである。当時の一般の感覚としては、現代の我々が想うほど重く暗い日々だったのではなく、軍部による洗脳で、ひたすら万歳を叫ぶ状況だったのではないか。とはいえ、巷間には軍靴の音が響き渡っていただろう。中原中也(1907〜37)の詩の一節が浮かぶ ── 幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました(『サーカス』の冒頭)──
そう、振り返って見えるのは、茶色い日々だ。この日聴くのは、その茶色の濃さが増しつつあったころ、この世に生を受けた作曲家たちの作品である。多感な彼らの十代に、周囲がどんな景色だったか、考えてみてほしい。軍国少年でなければならなかった時代だ。音楽をやるということに、世間の眼は穏やかではなかったはず。同業の上の世代のなかには、のちに戦犯音楽家と呼ばれても仕方がない生きかたをする人もいた。そして、長ずれば戦後。激動を体験しつつ、創作に勤しんだ……。
先達の声を聴くことで見えてくるものがある。この日、そのことに専心する時間を作りたいと思っている。

池辺晋一郎

9人9色の音楽を、様々な軸で堪能する

武満をはじめとする多士済々が同年生まれとして並ぶこのプログラムは、図に示したように、スタイルそのものにおいて多彩な方向性が見られることに一番の特徴があるが、一方、管楽器とそれ以外、西洋楽器と邦楽器のような対比関係もあり、様々な軸を通じて楽しむことができる。
武満が最も前衛書法を洗練させていた時期の超絶技巧作品を筆頭に、同じ「実験工房」のメンバーであった鈴木、福島のフルート作品が並ぶことで、1950、60、70年代のフルート書法の変遷を知る。それに加え、先端的表現を駆使しつつ東洋的美学を盛り込む廣瀬のオーボエ作品、現代音楽における尺八書法の最初の実践となった諸井作品、そして邦楽作品の第一人者である三木による初期の取り組みを通じて、管楽器による表現の振り幅と、洋邦の相互影響を追う。
他方、最前衛を突き進む下山のチェロ作品、大胆且つ緻密な書法でアクティヴな演奏効果を引き出す田中のマリンバ作品、そして西洋楽器の象徴であるピアノで日本的な幽玄を表す助川作品は、それぞれの立場で存在感を示す。このように、どの曲とて同じ立ち位置のない、全方位的な選曲となった。
戦後の荒廃の中、創作への情熱を爆発させた世代による、千変万化だが、通底する芯を感じるこの演目。
あなたはどの作品に最もシンパシーを感じるだろうか。

川島素晴(作曲家)

*曲目、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:ジャパンリアルエステイト投資法人

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