武満徹作曲賞 審査員紹介

マグヌス・リンドベルイ

© 中島正之

2004年度審査員

マグヌス・リンドベルイ(フィンランド)
Magnus Lindberg (Finland)

2004年度 審査結果・受賞者紹介

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■マグヌス・リンドベルイ 「シベリウス賞」受賞!

マグヌス・リンドベルイがシベリウス賞を受賞しました。賞金は100,000ユーロ。
この賞は、国際的な評価を確立した作曲家を表彰し、その活動を支援するために1953年に設立されました。これまでに10回しか授賞されておらず、リンドベルイは、フィンランドの作曲家としては、1953年のシベリウス以来の単独受賞者となります。

[これまでの主な受賞者]

1953ジャン・シベリウス
1955パウル・ヒンデミット
1958ディミトリ・ショスタコーヴィチ
1963イゴール・ストラヴィンスキー
1965ベンジャミン・ブリテン、エイノユハニ・ラウタヴァーラ
1971オリヴィエ・メシアン
1973ヴィトルド・ルトスワフスキ、ヨーナス・コッコネン
1983クシシュトフ・ペンデレツキ、アウリス・サッリネン
2000ジェルジ・リゲティ

■《管弦楽のための協奏曲》世界初演(2003.9.30)

マグヌス・リンドベルイの新作《管弦楽のための協奏曲》(BBC交響楽団委嘱作品)が、2003年9月30日、ロンドンのバービカン・ホールでユッカ=ペッカ・サラステ指揮BBC交響楽団によって初演される。続けて演奏される5つの楽章から成り、演奏時間は約30分。この曲は「コンポージアム2004」で日本初演される予定(2004年5月28日/サラステ指揮 NHK交響楽団)。

■これからの新作情報 2003年9月現在

[オーケストラ曲]
  • ロサンゼルス・フィルとクーセヴィツキー音楽財団委嘱作品(エサ=ペッカ・サロネン指揮 ロサンゼルス・フィルにより2004年5月21日、ウォルト・ディズニー・コンサートホールで世界初演予定)。
  • サイモン・ラトルとベルリン・フィル委嘱作品(初演日時未定)
[アンサンブル曲]
  • シカゴ交響楽団の「MusicNOW」シリーズのための新作アンサンブル曲(2004/05シーズン/シカゴ)
[CD]
Ondineレーベルからオーケストラ曲集が2004年中にリリース予定。収録曲は《ピアノ協奏曲》(リンドベルイ独奏)、《クラフト》、《クラリネット協奏曲》、《グラン・デュオ》など。

1958年ヘルシンキ生まれ。ピアノを学んだ後、シベリウス音楽院にて作曲をラウタバーラとパーヴォ・ヘイニネンに師事。ヘイニネンは弟子たちに、一般的なフィンランドの保守的要素や国民的美学を飛び越えて、ヨーロッパの前衛主義的な作品を書くように促した。このことにより、1980年頃、リンドベルイやハメーンニエミ、カイパイネン、サーリアホやサロネンとともにEars Open Society(コルヴァト・アウキ! 耳を開け! の意味)というグループが結成された。この団体はモダニズム(現代音楽)を推奨するということを目的にしている。彼は1981年にパリへ赴き、グロボカールとグリゼイに師事している。この間、シエナでドナトーニの授業に参加したり、ファーニホウ、ラッヘンマン、ヘラーなどと親交を結んだりもしている。

彼の躍進のきっかけとなった作品は、いずれも大規模な《アクション-シチュエーション-シグニフィケイション》(1982)と《クラフト》(1983-85)であり、この2作はサロネンとともに実験的なトイミー・アンサンブルを結成する大きな要因となった。このアンサンブルでは、リンドベルイ自身、ピアノとパーカッションを担当し、彼にとっては作曲の大胆な実験の場となった。この頃の彼の作品には、極端な音楽素材があいまって、実験性、多元性、原始性などが絡み合っている。1980年代後半の彼の音楽は、新モダン古典主義とも言うべき傾向にあり、生き生きとした音楽の構成要素であるハーモニー、リズム、対位法、メロディなどが、ポスト・セリー音楽時代へ向けて変化している。この様式的な変化は、《キネティクス》(1988)、《マレア》(1989-90)、《ジョイ》(1989-90)、《オーラ》(1993-94 サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ委嘱作品)、《アリーナ》(1994-95)において完全に達成された。

《フェリア》(1997)、《フレスコ》(1997)、《カンティガス》(1999)と《チェロ協奏曲》(1999)、サイモン・ラトル指揮バーミンガム市響の管楽器奏者たちのために書き下ろした《グラン・デュオ》(2000)などの最近の作品で、最も活発にオーケストラ作品を生み出している世界的な作曲家の一人として、評価は確立された。そして、2001年11月から2002年2月にかけて「Related Rocks - the world of Magnus Lindberg」と題された大規模なプロジェクトが、エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管、アルディッティ弦楽四重奏団らにより欧州各地で実施された。

2003年シベリウス賞受賞。

[メッセージ]

友人、仲間、そして美しい彼の音楽を愛する人たちに惜しまれながら、作曲家・武満徹はいまだになお私たちの間に存在しています。彼の音楽、心暖まる想い出の数々、幸いにして私自身の心のなかにもたくさん残っているその想い出をとおしてだけでなく、若く才能ある作曲家たちを支援するという観点からなおさらそうなのです。寛大と先見、この二つは、この偉大にして謙虚な音楽家を言い表すとき、つねに欠かせないものではないでしょうか。

武満徹作曲賞の優れた伝統を担う役割を実際に果たせることは、私にとって大きな名誉であり、喜びであります。

【オーケストラ曲】
クラフト(1983-85)
キネティクス(1988)
オーラ(1993-94)
アリーナ(1994-95)
フレスコ(1997)
チェロ協奏曲(1999/2001改訂)
カンティガス(1998-99)
パラーダ(2001)
クラリネット協奏曲(2002)
管弦楽のための協奏曲(2003)
【室内管弦楽・アンサンブル・室内楽曲】
自画像(1980/83)
…タルテュフからだと、私は思う(1981)
アクション-シチュエーション-シグニフィケイション(1982)
ウル(1986)
エンジン(1996)
グラン・デュオ(2000)
弦楽四重奏曲(2001)
【器楽曲】
ストローク(1984)
トゥワイン(1988)
ジュビリー(2000)
《ピアノ協奏曲》《クラフト》
2004年4月リリースの最新盤
《ピアノ協奏曲》《クラフト》
マグヌス・リンドベルイ(ピアノ)
トイミー・アンサンブル
エサ=ペッカ・サロネン指揮
フィンランド放送交響楽団
ONDINE ODE 1017-2
《カンティガス》《チェロ協奏曲》《パラーダ》《フレスコ》(いずれも世界初録音)
《カンティガス》《チェロ協奏曲》《パラーダ》《フレスコ》(いずれも世界初録音)
エサ=ペッカ・サロネン指揮 アンッシ・カルットゥネン(チェロ)
フィルハーモニア管弦楽団 ほか
Sony Classical SK 89810
マグヌス・リンドベルイの個展 《キネティクス》《クラフト》《自画像》 ほか全11曲
マグヌス・リンドベルイの個展
《キネティクス》《クラフト》《自画像》 ほか全11曲
エサ=ペッカ・サロネン指揮 フィンランド放送響 ほか
FINLANDIA WPCS-6109/10(2枚組)
《オーラ》/《エンジン》
《オーラ》/《エンジン》
オリヴァー・ナッセン指揮/BBC響 他
DG UCCG-1044
《フェリア》/《アリーナ》 他全3曲
《フェリア》/《アリーナ》 他全3曲
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/フィンランド放送響
ONDINE ODE 911-2
《アリーナ2》 他全4曲
《アリーナ2》 他全4曲
サカリ・オラモ指揮/アヴァンティ!チェンバーオーケストラ
ONDINE ODE 882-2
《キネティクス》 他全3曲
《キネティクス》 他全3曲
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/アヴァンティ!チェンバーオーケストラ ほか
ONDINE ODE 882-2
ictus 3《Related Rocks》《クラリネット五重奏曲》
ictus 3
《Related Rocks》《クラリネット五重奏曲》
山根孝司(クラリネット) ほか
MEGADISC MDC 7835
from scandinavia(リンドベルイ、サーリアホ 他の作品集)リンドベルイ《クラリネット五重奏曲》 他全4曲
from scandinavia(リンドベルイ、サーリアホ 他の作品集)
リンドベルイ《クラリネット五重奏曲》 他全4曲
kari Kriikku(クラリネット) アルディッティ弦楽四重奏団 ほか
naive (MONTAIGNE) MO 782141
リンドベルイ 室内楽作品集《ウル》《コレンテ》《デュオ・コンチェルタンテ》《ジョイ》
リンドベルイ 室内楽作品集
《ウル》《コレンテ》《デュオ・コンチェルタンテ》《ジョイ》
ペーター・エトヴェシュ指揮/アンサンブル・アンテルコンタンポラン
ACCORD 465 308-2

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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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