絵画の在りか

イントロダクション

20世紀の絵画は、具象から抽象へ、抽象から具象へと大きな転換をみせました。手法や素材が無限に拡大していく現代美術の領域において、絵画はつねに、尽きることのない表現の可能性を秘めたジャンルであり続けてきたともいえるでしょう。世界の中でもとくに日本では、各地でさまざまなコンクールや公募展が開催され、毎年のように才能あふれる数多くの若手ペインターが輩出しています。
一種の“絵画ブーム”ともいえるこの状況の背後には、大きな危うさも潜んでいます。アニメやマンガなどのサブカルチャー表現、あるいは、氾濫する映像やインターネット上のイメージへの無批判で無自覚な接近は、表現の本質とは全く無関係に展開されているきらいもあります。もちろん、その一方で、絵画という“古くて新しい”ジャンルに真摯に向き合いながら、独自の表現を模索するペインターも少なくありません。
また、意外に聞こえるかも知れませんが、現代絵画をテーマにした展覧会が開催される機会は決して多くありません。過去10年間に美術館で企画された本格的な現代絵画展と呼べるものは、2007年の「「森」としての絵画:「絵」のなかで考える」(岡崎市美術博物館)、2010年の「絵画の庭:ゼロ年代日本の地平から」(国立国際美術館)、2012年の「キュレーターからのメッセージ2012:現代絵画のいま」(兵庫県立美術館)など数えるほどです。
本展は、2000年以降に活躍する24名の近作、新作合わせて約110点という本格的な規模で、現代絵画の最新の動向を紹介するとともに、今日において絵画表現がもつ意味や本質を探るものです。

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