展覧会について
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寺尾勝広

1960年生まれ。父親が経営する鉄工所で溶接工として20年間働いたのち、制作活動を始めた。こうした経歴を色濃く反映して、作品のモティーフはすべて鉄である。本人が「図面」と呼ぶ緻密なドローイングは、実際に訪れた場所だけでなく、テレビ番組などで見た場所や情景などもテーマになっているが、いずれも鉄骨の柱をあらわす直線と溶接の目印をあらわす記号がひしめいている。今回の展示では、過去に発表された大作のほか、それぞれ制作に半年ちかくをかけた縦2.7メートル、横4.3メートルの大作2点を初めて展示する。
ニューヨークのギャラリーのほか、国内の美術館での展覧会多数。昨年、名古屋のGALLERY NYHで個展が開催された。

《博覧会》 ペン/キャンバス 2008年
アトリエ インカーブ蔵 ©2012 atelier incurve

新木友行

1982年生まれ。大の格闘技好きで、作品にもボクシング、プロレスなどの格闘技の技が頻繁に登場する。無骨な格闘家たちの隆々とした筋肉の動き、互いの体が組み合い、もつれ合う様子を、冷静な観察力のもと、繊細な輪郭線によってじつに的確にとらえる。その黒い線描と、主に色鉛筆による鮮やかな色彩表現とが共鳴し合い、大胆にデフォルメされた技の数々は躍動感に満ちている。
アトリエ インカーブのアーティストのなかでは、寺尾と並んで、数多くの展覧会に出品している。2010年、ギャラリー インカーブ|京都で個展「Draws and Flows」を開催した。

《左ストレート》 ペン、色鉛筆/紙 2008年
アトリエ インカーブ蔵 ©2012 atelier incurve

《ラッシュ》 ペン、色鉛筆/紙 2011年
アトリエ インカーブ蔵 ©2012 atelier incurve

湯元光男

1978年生まれ。湯元の作品では建物、船、虫や鳥などのモチーフが繰り返し登場する。それぞれのモティーフの特徴を鋭い洞察力で端的にとらえ、画面に写し取っていく。色鉛筆で丁寧に彩られた色面は、まるで南国を思わせるような色鮮やかさと同時に、どこかちぎり絵を連想させるようなノスタルジックで心温まる雰囲気を醸し出している。実際の建物や風景がもとになっている作品も多いが、それが奇妙に変換されて、何かの物語が始まる舞台や、その一場面でもあるかのように、未知なる世界が構築されている。寺尾、新木とともに海外で高く評価されている。

《新ちくサントニー島》 色鉛筆/紙 2007年
アトリエ インカーブ蔵 ©2012 atelier incurve

《チョコレートグラミー かまいるか シーラカンスのナワバリのとり合い》 色鉛筆/紙 2009年
アトリエ インカーブ蔵 ©2012 atelier incurve

湯元光男

社会福祉法人 素王(そおう)会のアートスタジオ兼事業本部として2002年に大阪市平野区に設立。知的に障がいのあるアーティストたちの創作活動の環境を整え、彼らがアーティストとして自立することを支援している。現在28名のアーティストが所属。2005年、ニューヨークで開催されたアートフェアに出品以降、海外・国内の美術館やギャラリーで展覧会が開催されている。2010年にアトリエ インカーブのアーティスト専門の「ギャラリー インカーブ|京都」がオープンした。

[アトリエ インカーブ]オフィシャルサイト
http://incurve.jp/

©2012 atelier incurve

寺尾勝広・新木友行・湯元光男 アトリエ インカーブ3人展

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東京オペラシティアートギャラリー