展覧会について Exhibition

《水鏡14, WM-61》 2014年

約8年ぶりとなる東京での大規模個展

2007年に東京都写真美術館で開催された個展「熊野、雪、桜」から約8年。鈴木はライフワークともいえる熊野での撮影を継続し、雪、桜のシリーズも制作を続けてきました。本展はこれらの新作・近作に、新シリーズ「水鏡」「Étude」を加え構成されています。
近年、鈴木は「『見るということ』そのものを提示したい」と語っているように、写真の特性と視覚の問題に関心を向けています。「何が写っているか」を示すだけでなく、「見るという経験とは何か」を問いかける装置として写真をとらえ、写真表現の可能性に向かう鈴木の作品は、私たちに清新な視覚体験をもたらしてくれるにちがいありません。

《SAKURA 10, 4-45》 2010年

カメラ・視覚・時間

鈴木が使用するのは8×10インチフィルムを使用する大型カメラです。フィルムの大きさとそこに記録できる情報量は比例するため、大判フィルムで撮影された風景は豊かな細部に満ちています。それらは日本国内で手に入る印画紙の最大幅まで引き伸ばされることで、写真家が見ていた光景がそのまま展示室に持ち込まれたかのような印象を与えます。鈴木が「見た」時間と、作品の前に立つ人の「見る」時間が重なる時、実際にその風景を見ているのとも、「写真」を見ていることとも異なる不思議な感覚へと誘われます。

《White 09, H-343》 2009年

未発表作、新作を含め約100点、映像作品も公開

鈴木は展示や写真集の構成を自ら手がけることで知られています。特にシークエンス手法で構成した写真集『KUMANO』『PILES OF TIME』は高く評価され、2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を授賞しました。また2007年の「熊野、雪、桜」展では壁面構成、照明、壁と床の色などの全てに鈴木のアイディアが反映され、ほの暗い熊野の光景から白くまばゆい雪と桜の作品へと広がる展示が話題となりました。
本展の構成も鈴木自身により行われています。ギャラリー1では熊野で撮影された新作「海と山のあいだ」が連続的に展開し、ギャラリー2では「水鏡」「White」「SAKURA」「Étude」の4つのシリーズが響き合います。ひとつの経験をもたらす場として展覧会を考えている鈴木にとって、展示構成も作品と言えます。デジタルカメラで撮影された3点の映像作品と写真作品の関係性にもご注目ください。本展は写真が持つ表現性をあらためて発見し、見ることのみずみずしさを体感する機会となるでしょう。

《海と山のあいだ14, DK-335》 2014年

《Étude10, F-8》 2010年

all images ©Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

鈴木理策写真展 意識の流れ

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