「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界

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展覧会について

section1 隠れたリズムを探せ

本展の会場には図面や模型がほとんどありません。「情報を読んで理解する」展覧会ではなく、「感覚を研ぎ澄ませて体で考える」展覧会にしたいというバルモンドは、会場の冒頭をたくさんの写真やドローイングで埋め尽くします。
身の回りの自然に向けられたバルモンドの目は、その表面の美しさだけでなくその内側に息づく秩序(オーダー、リズム)を探しだし、それを幾何学へと展開させていきます。たとえば、枝分かれをくり返す木の成長や、葉のすみずみまではりめぐらされた葉脈など、私たちのまわりの自然は単純なルールにもとづきながらおどろくほど豊かで複雑な姿を見せています。gallery 1では、「自然はもともとすばらしくデザインされている」というバルモンドの視点で自然のエレメントを体験し、その奥に隠された美しいリズムを探ります。

要するに、私は何を見るのか、ということ。まずは表面 ─ 色があって、形がある。でも私には、そこにぼんやりと、まったく異なるイメージが見えてくる。観察を続けると視覚的な情報が整理され、淘汰されていく。そうすると、おどろくべき事にまったく異なる形が現れるのだ。
内なる目が動き出し、魂が肉体に取って代わる。まずは写真を撮ってみよう。そして特徴を捉えるスケッチ。見たままの特徴ではなくコンセプチュアルなもの。するとそれはダイアグラム(図形)として現れる。
なにか別のものが頭をもたげ、私たちの感情や記憶を刺激する。説明的な言葉や線が止まったとき、その姿の内側には直感的なものが形を結ぶのだ。

近著『Element』より









上、下:© Prestel Verlag, Munich - Berlin - London - New York 2007
中央左:《コインブラの歩行者橋》のスケッチ
中央右:《コインブラの歩行者橋》2006 photo: Christian Richiter


東京オペラシティアートギャラリー
© 2009 Tokyo Opera City Art Gallery