2021.07.17[土] - 09.20[月]
前回、ライアン・ガンダーによる実験的な演出により、新しい視点でご覧いただいた寺田コレクション。今回の収蔵品展では、7月から9月にわたる会期に合わせて、夏を感じさせる日本画の作品をしっとりと味わう機会としたい。 展示前半、日本の風土的特徴をのびやかに描いた作品群では、描かれた自然そのものを味わうとともに、山河草木すべての連関に人々が自らを連ね、自然とひとつながりの関係を結んできた文化的背景にも思いを馳せてみたい。第二室冒頭では異国情緒を感じる夏の風景を展示した。後半は、同じ自然を描きながらも、風景の描写を超えて物語性を帯びた作品で締めくくる。幻想、情念、神秘といった言葉を連想させるこれらの作品は、現実の世界を別の角度で見ることが物事の根源に迫るひとつの筋道であると考えた寺田氏の志向を色濃く表している。 自然の風景、草花を描いた作品をご覧いただいて美術館を出られた後は、ぜひ東京オペラシティの植栽にも目を向けていただきたい。当ビルの植栽は、造園の仕事に生涯たずさわってきた寺田氏が設計し、亡くなる直前まで剪定のディレクションも行われてきた。植物は切り詰めずになるべくのびのびと、というのも寺田氏のコンセプトのひとつだった。作品と植栽のそれぞれから、コレクションの特徴を感じていただければ幸いである。



