ジャン=ギアン・ケラスに聞く バッハ&ブリテン 無伴奏リサイタル

この秋、ジャン=ギアン・ケラスが2日にわたる無伴奏チェロリサイタルを行います。
東京オペラシティ コンサートホールへの13年ぶりの登場について、今回のプログラムについて、メールインタビューにお答えいただきました。

(取材協力:アスペン)

  • ■ケラスさんが東京オペラシティ コンサートホールに初めて出演されたのは、2000年の「東京オペラシティコンサートホール3周年記念演奏会」でした。その公演について覚えていらっしゃること、ホールの印象などお聞かせください。
  • ケラス:東京オペラシティ コンサートホールは、視覚的にも魅力的な建築、素晴らしい音響で、はっとするような雰囲気にたちまち心を奪われました。
    2000年のコンサートは、もともと故ボリス・ペルガメンシコフ(チェロ)、タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)、アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)達で室内楽を演奏する予定だったのですが、ペルガメンシコフ氏が来日できなくなり、急遽私が出演することになりました。
    ピエール・ブーレーズ氏との初めての日本ツアー(1995年)以来、再び日本へ行けることになってわくわくしたことを覚えています。毎日が発見に満ちていたそのツアー以来、無限の側面を持つ日本文化や文明に私は熱烈な恋をしていたのです。
  • ジャン=ギアン・ケラス
    ©Marco Borggreve
  • ■今回日本で初めて、バッハの無伴奏組曲全曲を、一度の演奏会でまとめて演奏いただきます。全曲演奏するからこそ見えてくるもの、感じられることはありますか?
  • ケラス:最近、ある批評家がバッハの無伴奏組曲全曲演奏を「天国でのひととき」と表現しました。天国へと向かうこの旅は、まさに、一度に演奏する場合にのみ本当に体験することが出来るのです。
    ごくわずかなツールによって、その旅のスケールは大きく広がります。たった一つの楽器とたった一人の演奏者が、意欲的な聴衆と共に際限なく変化する風景の中を大胆に踏み進んで行くのです。
  • ■もうひとつのプログラムはブリテンです。ブリテンのバースデーに無伴奏チェロ組曲をまとめて聴かせていただけるのを楽しみにしています。ケラスさんがブリテンの音楽にシンパシーを感じられるのは、どういうところですか?
    日本のファンに、ケラスさんが感じられるブリテンの魅力をアピールください!
  • ケラス:ブリテンが下記のようなことを述べていますが、これはまさに彼自身を良く物語っていると思います。
    「音楽がこんなにも美しくあらねばならないなんて残酷だ。そこには孤独や苦悩の美、強さや自由の美がある。落胆や、決して満たされることのない愛の美しさ。過酷な自然の美しさ、そして永遠に続く単調さの美がある。」
    すべてはここに述べられています……ブリテンの激しくかつ非常に英国的な憂鬱(メランコリー) ─ これは同じイギリスの作曲家エルガーの音楽にも見受けられますが ─ 、そして、人生のあらゆる局面における美 ─ たとえ死や死後を含む悲しい体験さえも ─ を高める彼の才能。
     私がブリテンを“20世紀のシューベルト”と位置付けるのはこのような理由からです。つまり、我々に憂鬱を愛させ、絶望に希望を見出させる天才なのです。

    東京オペラシティArts友の会会報誌「tree」Vol.100(2013年10月号)より

■公演情報

2013年11月16日[土]14:00
2013年11月22日[金]19:00
コンサートホール

ジャン=ギアン・ケラス
無伴奏チェロリサイタル

11/16[土]

J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲全曲演奏会

11/22[金]

ベンジャミン・ブリテン生誕100年バースデー・コンサート
ブリテン:無伴奏チェロ組曲(全3曲)
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ op.8

[チケットのお申し込み]

東京オペラシティチケットセンター
03-5353-9999(電話 10:00〜18:00/店頭 11:00〜19:00/月曜定休)

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コンサート情報

2013年11月16日[土]14:00
2013年11月22日[金]19:00
コンサートホール

ジャン=ギアン・ケラス
無伴奏チェロリサイタル

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ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
Jean-Guihen Queyras, cello

ジャン=ギアン・ケラス

©Marco Borggreve

1967年モントリオール生まれ。リヨン国立高等音楽院、フライブルク音楽大学、ジュリアード音楽院でチェロを学ぶ。レパートリーはバロックから現代まで多岐にわたり、ウィーン楽友協会、アムステルダムのコンセルトヘボウ、パリのシャンゼリゼ劇場、ロンドンのウィグモアホール、ニューヨークのカーネギーホール等、欧米の権威あるコンサートホールの多くでリサイタルを行っている。また、ブリュッヘン、ヘルビッヒ、アルブレヒト、フィッシャー、ヘレヴェッヘ、ビエロフラーヴェク、スラットキン、ナッセン、ノリントン等の指揮のもと、フィルハーモニア管、パリ管、チューリッヒ・トーンハレ管、スイス・ロマンド管、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、BBC響、プラハ・フィル、ネーデルラント・フィル、フィラデルフィア管、N響、読響、東響を始めとするオーケストラと共演。初来日は1995年。2000年以降は毎年様々な企画で来日公演を行い、日本のファンを増やしている。演奏楽器は1696年ジョフレド・カッパ製(メセナ・ミュジカル・ソシエテ・ジェネラルより貸与)。2002年グレン・グールド国際プロテジェ賞受賞。ドイツ・フライブルク音楽大学教授。


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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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