東京オペラシティ+バッハ・コレギウム・ジャパン
2007→2009 ヘンデル・プロジェクトII

ユダス・マカベウス

ユダス・マカベウスチラシ

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日時:
2008年12月7日[日]15:00
会場:
コンサートホール     ホールへの行き方   座席図

見よ!英雄来たる!
シリア王からエルサレムを奪回する勇者の物語。

[出演]

指揮:鈴木雅明
合唱と管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

ユダス・マカベウス:櫻田 亮(テノール)
イスラエルの女:柏原奈穂(ソプラノ)
イスラエルの男:マリアンネ・ベアーテ・キーラント(メゾソプラノ)
シモン:萩原潤(バス)

[曲目]

  • ヘンデル:オラトリオ《ユダス・マカベウス》HWV63
    (日本語字幕付き)
「東京オペラシティ+バッハ・コレギウム・ジャパン2007→2009 ヘンデル・プロジェクト」は、2009年のヘンデル没後250年に向けて、毎年末ヘンデル作品を取り上げる全3回の演奏会シリーズ。東京オペラシティ文化財団とバッハ・コレギウム・ジャパンによる共同プロジェクトです。

  • チケット情報
  • 公演について
  • 出演者プロフィール
  • インタビュー

チケット情報

[料金](全席指定・税込)
S:¥9,000 A:¥8,000 B:¥6,000 C:¥5,000 D:¥4,000
[チケット発売日]
Arts友の会優先発売 :7月12日[土](特典:10%割引)
一般発売 :7月19日[土]
インターネット予約受付開始(予定) :7月22日[火]10:00~
[チケット取り扱い]
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999
バッハ・コレギウム・ジャパン 03-3226-5333
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:292-985)
イープラス http://eplus.jp/
ローソンチケット 0570-000-407(Lコード:35825)
CNプレイガイド 0570-08-9990

公演について

見よ!英雄来たる!
シリア王からエルサレムを奪回する勇者の物語。


ヘンデル・プロジェクト第2回は、オラトリオ《ユダス・マカベウス》(マカベアのユダ)を取り上げます。
「マカベアのユダ」とは、紀元前2世紀頃シリアの支配に抗ってユダヤ人を率い、みごとにエルサレムを奪還した英雄です。ヘンデルは1747年、この英雄譚を、おりしもイギリス軍を率いてジャコバイトの反乱軍を鎮圧したカンバーランド公爵に重ね合わせ、さらに作品の成功によって、同時に自らの苦境をも乗り切ったのでした。ロンドンのオペラ界での挫折と病い、新分野オラトリオでの妨害と経済的危機。あらゆる苦難を乗り越えて、不死鳥のように復帰したヘンデルは、この「起死回生のオラトリオ」によって、現代の私たちにも、きっと力強いメッセージを与えてくれるに違いありません。
では、12月7日、東京オペラシティでお目にかかりましょう。

バッハ・コレギウム・ジャパン音楽監督 鈴木雅明


曲目について

《ユダス・マカベウス》はヘンデル円熟期(61歳)の傑作オラトリオで、当時から《メサイア》、《サムソン》と並ぶ高い人気を誇っていた。スポーツの表彰式でお馴染みの「見よ、勇者は還る」もこの作品に含まれる合唱曲である。
この作品は時宜を得たものであった。1745年に勃発したジャコバイト党の反乱はイギリスを恐怖のどん底に陥れたが、1746年、国王の三男がこれを鎮圧し、平和を回復した。ヘンデルはこれを好機と、愛国的オラトリオを作曲し、1747年4月1日にロンドンで初演、大成功を収めた。題材は紀元前167年に起こったユダスの反乱で、異教徒の圧制に苦しむイスラエルの民が勇者ユダスに率いられ、異教徒を倒して自由と平和を回復するというものである。
分かり易くテンポの良い筋書き、簡潔ながら深い感情が凝縮されたアリアや二重唱、表現力豊かな合唱、アリアと合唱の均衡のとれた使用(約半数が合唱)、アリアと合唱の間断なき連結による淀みない音楽の流れなど、この作品の魅力は語り尽くせない。しかし、それ以上に、時代を超えたメッセージ「自由と平和の願い」が今日も変らぬ本作品の人気の源ではなかろうか。終曲合唱の直前で、イギリスの美しい田園風景に寄せて、甘美なまでの自由と平和を讃美する二重唱は、イギリスの自然と平和をこよなく愛したヘンデルの願いが見事に凝縮された1曲となっている。

三澤寿喜(ヘンデル研究家)

出演者プロフィール

鈴木雅明(指揮)

Masaaki Suzuki, conductor
©Marco Borggreve
東京芸術大学作曲科から同大学院オルガン科に進み、スウェーリンク音楽院ではチェンバロとオルガンを学ぶ。1990年、オリジナル楽器アンサンブルと合唱団〈バッハ・コレギウム・ジャパン〉を結成、J.S.バッハの宗教音楽作品を中心に幅広い活動を行っている。BIS社より70点を超えるCDをリリースしており、特に『J.S.バッハ:教会カンタータシリーズ』は、数少ない全曲録音企画として世界的に注目を集めている。またオルガン・チェンバロ奏者としては『J.S.バッハ:チェンバロ作品全曲シリーズ』をはじめ多数がリリースされている。ソロやバッハ・コレギウム・ジャパンの活動のほか、海外での指揮活動も活発化しており、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、オランダ・バッハ協会、シアトル響、オールドバラ音楽祭などに客演。2007年12月のコレギウム・ヴォカーレ・ゲント&フライブルク・バロック・オーケストラとのヨーロッパ・ツアー、2008年4月のブリテン・シンフォニア公演(ストラヴィンスキー・プログラム)は、いずれも現地メディアで絶賛された。2000年度音楽之友社賞、2001年第42回毎日芸術賞、2001年「ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章」など、受賞歴も多数。現在、東京芸術大学教授。

バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱と管弦楽)

Bach Collegium Japan, chorus & orchestra
© K.Miura

鈴木雅明が世界の第一線で活躍するオリジナル楽器のスペシャリストを擁し、1990年に結成したオーケストラと合唱団。特にJ.S.バッハの宗教声楽作品を中心とするバロック音楽を理想的に上演・普及することを主旨とし、東京と神戸の定期演奏会に加え、全国各地でさまざまな演奏活動を行なっている。録音も多く、スウェーデンのBIS社から『J.S.バッハ:教会カンタータ全曲録音シリーズ』をはじめ60点を超すCDが世界リリースされ、国際的に高い評価を得ている。昨年発表したバッハ《ミサ曲 ロ短調》は、2007年度レコードアカデミー大賞銀賞を受賞。
1997年以来ほぼ毎年海外にも赴いており、2006年にはヨーロッパ・グランド・ツアー、昨年8月にはドイツでの《マタイ受難曲》およびイギリス/BBCプロムスでのカンタータ公演が成功を収めるなど、ますますその評価を高めている。2008年11月には再び7カ国11都市に及ぶヨーロッパ公演を予定。
2007年からは東京オペラシティとのヘンデル・プロジェクトをスタートさせ、第1回公演《エジプトのイスラエル人》の演奏は、「アンサンブル全体が協和しながら光を発するような響きの美しさ」と新聞紙上でも絶賛された。

櫻田 亮(テノール)

Makoto Sakurada, Judas Maccabaeus/tenor
© K.Miura
東京芸術大学声楽科、同大学院修了。声楽を平野忠彦、ジャンニ・ファッブリーニ、ウィリアム・マッテウッツィ、グローリア・バンディテッリの各氏に師事。1997年よりイタリア国立ボローニャ音楽院に留学。その後、イタリアを中心にヨーロッパ各国で幅広く演奏活動を行い、これまでにアカミデア・ビザンティーナ、イ・マドリガリスティ・アンブロジアーニ、ヴェニス・バロック・オーケストラなど、さまざまなグループと共演。国内ではN響、読売日響、新日本フィルなどと共演。また自らのグループ「ラ・カンターテリア」を結成し、イタリア・バロック音楽の普及に努めている。オペラの活動も多く、2004年イタリア各地で、《ウリッセの帰還》エウリマコ役で14回の公演に出演。第27回イタリア声楽コンコルソ、シエナ部門大賞、2002年ブルージュ国際古楽コンクール第2位(声楽最高位)など受賞多数。二期会会員。

柏原奈穂(ソプラノ)

Naho Kashiwabara, Israelitish Woman/soprano
東京芸術大学声楽科卒業。同大学院修士課程オペラ科修了。芸大卒業時にアカンサス音楽賞受賞。横浜市文化振興財団公演、「フィガロの結婚」スザンナでオペラデビュー。これまでに「後宮よりの逃走」(コンスタンツェ)、「ドン・ジョヴァンニ」(ツェルリーナ)、「ウィンザーの陽気な女房たち」(アンナ)など多数出演。第11回世界オペラ歌唱コンクール「新しい声2005」のアジア予選で優秀者として選ばれ、ドイツでの本選に出場。2006年9月より文化庁海外派遣在外研修員としてイタリアへ留学。二期会会員。日本声楽アカデミー会員。

マリアンネ・ベアーテ・キーラント(メゾソプラノ)

Marianne Beate Kielland, Israelitish Man/mezzo soprano
ノルウェー国立音楽アカデミーで研鑽を積み、2001/02年のシーズンはハノーヴァー国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとして活躍した。その後、またたく間にスカンジナビアでの主要な歌手の一人として名声を築き、ヨーロッパの数々のオーケストラや音楽祭に定期的に出演するようになった。P.ヘレヴェッヘはじめ、H.リリンク、M.ホーネック、J.リフキンなど、著名な指揮者との共演も多い。今シーズンは、R.アレッサンドリーニとのモンテヴェルディ《オルフェオ》(ノルウェー国立オペラ)、インマゼール指揮ハイドン「テ・デウム&ミサ・チェレンシス」、ブリュッヘン指揮《第九》、C.シュペリング指揮ヘンデル《テオドーラ》、D.ロイス指揮《メサイア》、またビオンディ指揮ファーゴのオラトリオ《海中のファラオ》等に出演している。

萩原潤(バリトン)

Jun Hagiwara, Simon/bass
東京藝術大学声楽科卒業、同大学院オペラ研究科修了、博士課程満期修了。
1999年秋より文化庁在外派遣研修員としてベルリンへ留学。ベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学大学院に入学し、2004年に最優秀の成績でKonzert-Examenを取得。多田羅迪夫、H.Reeh、Peter Koiij に師事。
2000年夏、ラインスベルク音楽祭『セヴィリアの理髪師』フィガロ役で出演、その後もドイツのみならずヨーロッパ各地で演奏活動行っている。国内においては、二期会『ニュルンベルクのマイスタージンガー』や『魔笛』『フィガロの結婚』『ジュリアス・シーザー』などに出演。2003年五島記念文化財団オペラ新人賞受賞。
また1994年よりバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとして数多くのコンサート、録音に参加している。二期会会員。

インタビュー


ヘンデル没後250年の記念イヤー(2009年)に向けた「ヘンデル・プロジェクト」第二弾は、ヘンデル円熟期のオラトリオ《ユダス・マカベウス》(マカベアのユダ)です。
「マカベアのユダ」は、紀元前2世紀頃、異教徒の圧制に苦しむユダヤ人を率いて、エルサレムを奪還した英雄。スポーツの表彰式でおなじみの有名曲「見よ、勇者は帰る」は、ユダを讃えて最終幕で歌われます。
作品の魅力、公演への抱負を、バッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督・鈴木雅明氏にうかがいました。

◎音楽的内面も充実した作品

《ユダス・マカベウス》は、旧約聖書ではいわゆる外典にあたる、戦いと勝利の物語です。とはいえヘンデルの作品は、戦いの音楽を経て勝利の凱歌へ、などという単純な内容ではなく、内面的な表情があって非常に美しいものですから、そういった面も表現してみたいと思い、今回上演することにしました。たくさんあるヘンデルのオラトリオからの選択は大変なのですが、この《ユダス・マカベウス》はそうしたストーリーの明快さとともに、『見よ、勇者は帰る』という大変有名な曲がありますしね。日本では表彰式の音楽としてどなたもご存知でしょう。

とにかく内容が濃い作品で、オペラのようにちょっとしたセリフのやりとりがあって、しかもアリアが続いたり、デュエットがあったりとか、変化に富んでいるのです。それから合唱も、対位法やリズムが複雑で、演奏するのはとても難しくて、それだけにやりがいがあります。そういう意味でも十分に取り上げる価値がある作品だと思います。

オーケストラは、《エジプトのイスラエル人》のように情景描写的ではなく、たとえば戦いを表わすためのコンチタート(編注:同音の激しい繰り返し音型。イタリア語で「興奮して」という意味)が、心の騒ぎという場面でも用いられるし、16分音符の飛び跳ねるような音型などが特定の言葉の表情のために用いられていたりします。ちょっとドイツ的な、いわゆるムジカ・ポエティカのような感じの音型も出てくるし、ヘンデルのさまざまな面が表れていて面白く聴ける曲です。

舞台配置については、《エジプトのイスラエル人》は合唱が前でオーケストラが後ろという、現代では変則的な配置にしましたが、《ユダス・マカベウス》はあれほど合唱主体ではありませんし、通常のセッティングがふさわしいと思っています。ただ、オーケストラは、僕らはバッハの曲ではいつも弦楽器と管楽器を左右に分けているのですが、今回は弦楽器を左右に分けて、管楽器を真ん中に置くという並びが適している気がしていて、いろいろ研究中です。

◎美しいアリアが次々と現れる。

聴きどころは本当にたくさんあります。
まずなんといっても、アリアがどれも美しくて素晴らしい。例えば第2幕でシモンが歌う「私達の敬虔な心で」というアリア。勇気というのは必ずしも戦うばかりじゃない、敬虔な思いから勇気が出てくるのだという内容で、(シモン役の)萩原潤の美しい歌唱にぴったりだと思います。さらに、印象的な二重唱もたくさんあり、例えば第51曲のイスラエル人の男と女のデュエット。信仰の決意を歌う見事な掛け合いです。しかもやがて同じモティーフが合唱へつながっていく! これがとても美しく効果的です。

第1幕冒頭はユダス・マカベウスのお父さんが亡くなる場面。この追悼の音楽が変化に富んでいてとても美しい。序奏の部分は重々しいけど、アレグロは劇的なオペラの始まりを告げるような、言わば“序曲”ですね。コーラスが始まり、やがてイスラエルの男と女の二重唱による嘆きの歌。そして司祭シモン(ユダス・マカベウスの兄)が「嘆くのは無駄でない!」と歌い、「さあ、勇気を出せ!」と民衆を励ますところでファンファーレのような音楽になる。このあたりはまさにオペラティックで、自然に音楽の中に引き込まれていってしまいます。そしてユダス・マカベウスのアリア。「戦いに進め!」と歌う典型的にコンチタートなアリアで、とても技巧的。今回のユダス・マカベウス役の櫻田亮は非常に適任だと思いますよ。勇んで歌ってくれるはずです(笑)。

あるいは第2幕の最初の場面。敵が倒れたことを喜ぶ戦いの音楽ですが、音型に変化があって対位法的にも複雑です。演奏は易しくありませんが、大変弾きごたえがあります。合唱と管弦楽のシンクロも見事です。途中で「倒れた!」っていう言葉のところでピタっと音楽がなくなって、本当に倒れた状態というか(笑)、敵方の状態を表す静かなところが出てきたかと思うと、また勝利の音楽が鳴ったりして、非常に劇的です。

凱旋の場面となる第3幕に入ると、いよいよ有名な『見よ、勇者は帰る』です。表彰式の厳かなイメージとは違って(笑)、軽快な喜びの合唱です。まず若者が歌って、次に乙女たち、最後に全員が歌いますが、若者の歌ではホルン、乙女の歌ではトラヴェルソが加わったりするなど、単なる繰り返しに終わらせない音色の変化が鮮やかですね。そしてマーチに続く合唱「神に賛美の歌を歌え」は、質的に《メサイア》の合唱に匹敵するものです。ここから最後に向かって盛り上がっていくのですが、ふと、しっとりとした二重唱が出てきたりして、一本調子ではありません。こうした音楽の起伏により、聴衆は飽きることがありません。やはりヘンデルは非常に巧みですね!

◎オペラ的表現を目指したい。

僕はヘンデルのオラトリオを上演する時は、基本的にオペラ的な表現であるべきだと思います。つまり、ストーリーの有無にかかわらず、内面的な変化に応じてそれぞれの場面を的確に表現していくということです。たとえば、このレチタティーヴォは何のためにあるのか、このアリアはどういう歌なのか、このオーケストラの音楽は何を表現しようとしているのか、あるいは象徴的な意味なのかなど、音楽の趣旨を楽章ごとにちゃんと設定していく。それはオペラのシーンを描くのと同じことだと思います。歌手も、演技をするわけじゃないけど、そういう表現や表情がないといけません。いわば“演技しないオペラ”と申しましょうか。そして、来年はこのプロジェクトの締めくくりとして、ぜひヘンデルのオペラを演奏会形式でとり上げたいと思っています。

*曲目、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。


主催:東京オペラシティ文化財団
協賛:小田急電鉄株式会社

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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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