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- 岡 静代(クラリネット)、多井智紀(チェロ)、菅原幸子(ピアノ)
- 辺見康孝(ヴァイオリン)、亀井庸州(ヴァイオリン)、安田貴裕(ヴィオラ)
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- ラッヘンマン:弦楽四重奏曲第3番《グリド(叫び)》(2001/02)
- ラッヘンマン:アレグロ・ソステヌート(1986-88)[クラリネット、チェロ、ピアノ]
- ★各曲の演奏前に作曲家自身による解説を行ないます。

5月26日[火] | 〈コンポージアム2009〉ヘルムート・ラッヘンマンの室内楽 |
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5月28日[木] | 〈コンポージアム2009〉ヘルムート・ラッヘンマン オーケストラ作品展「協奏二題」 |
5月31日[日] | 〈コンポージアム2009〉2009年度武満徹作曲賞本選演奏会 |
7月27日[月] 7月28日[火] |
〈アーツシャワー 2009〉「音楽の絵本」 ズーラシアンブラス&弦うさぎ |
8月15日[土] | 〈アーツシャワー 2009〉侍BRASS |
8月22日[土] | ヴィラ=ロボス没後50年記念 《ブラジル風バッハ》全曲演奏会 |
9月25日[金] | ウィークデイ・ティータイム・コンサート 9 井上道義 / 池辺晋一郎 / オーケストラ・アンサンブル金沢 |
10月11日[日] | マティアス・ゲルネ&ピエール=ロラン・エマール |
11月5日[木] 11月6日[金] |
マルク・ミンコフスキ指揮 ルーヴル宮音楽隊 |
11月9日[月] | 大野和士 指揮 フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団 |
12月6日[日] | 東京オペラシティ+バッハ・コレギウム・ジャパン 2007→2009 ヘンデル・プロジェクト III 歌劇《リナルド》 |
1月9日[土] | 山下洋輔プロデュース 東京オペラシティ・ニューイヤー・ジャズ・コンサート 2010 |
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3月3日[水] | ウィークデイ・ティータイム・コンサート 10 「合唱とオーケストラの楽しみ〜日本合唱名曲選〜」 |
前衛作曲界のリーダーの一人であり、既存の楽器のさまざまな特殊奏法を開発・駆使してオーケストラやアンサンブルから驚異の音響を紡ぎだすドイツの作曲家、ヘルムート・ラッヘンマンを「武満徹作曲賞」の審査員に迎え、あわせて彼の音楽世界も紹介します。
ヘルムート・ラッヘンマン
©Markus Kirchgessner
フライブルク在住の岡静代は、アンサンブル・ルシェルシュのメンバーとして、またソリストとしてしばしばラッヘンマンと共同作業を行なっており、ラッヘンマンから理想的なクラリネット奏者の一人として信頼されているプレーヤーです。また、ラッヘンマン夫人でもあるピアニスト菅原幸子も、作品の最良の解釈者です。そして多井智紀は、若い世代のチェリストの中でも早くから現代音楽のスペシャリストとして活躍しています。
前半では、ラッヘンマンの代表作の一つ《アレグロ・ソステヌート》を、すでに共演・録音を行なっている岡と菅原が、多井とともに演奏。後半は近作《弦楽四重奏曲第3番》を多井率いるカルテットでお届けします。いずれの演奏前にも、ラッヘンマン自身による解説を行います。
岡 静代
菅原幸子
©Dirk
Kittelberger
多井智紀
飯森範親
©林千秋
岡 静代
橋本晋哉
©大窪道治
演奏家にも聴衆にも緊張と集中の持続が求められるラッヘンマンのオーケストラ曲だけでいかに演奏会を構成するか、作曲家および指揮者と長期間にわたってアイデアを練りました。その結果、独奏楽器を伴う作品から代表的な2曲に、作曲者自身による解説を組み合わせて構成することにしました。音響的にも、またソリストが居ることにより視覚的にも変化に富んでいることと、特殊なサウンドのラッヘンマン作品には聴衆への事前の解説がより深い関心と理解の助けになるはずと考えたからです。加えて、これらのソロ楽器には素晴らしい日本人プレーヤーがいることも大きなきっかけでした。クラリネットは室内楽作品展に続き岡静代が、そして珍しい“テューバ協奏曲”では、やはり現代音楽シーンで絶大な信頼を集めている橋本晋哉が独奏を受け持ちます。さらに、歌劇『マッチ売りの少女』演奏会形式日本初演や、オーケストラための《書》世界初演など、数々のラッヘンマン作品を上演してきた東京交響楽団も、ラッヘンマンの指名による出演です。指揮は、東京交響楽団の正指揮者であり、ラッヘンマンの故郷シュトゥットガルト近郊、ロイトリンゲンはヴュルテンベルク・フィルの指揮者も務める飯森範親。
今回の2曲はいずれも日本初演であり、これらの曲にCDで親しんでいる現代音楽ファンも、ライヴはまったく新しい体験になるはず。研ぎ澄まされたラッヘンマンの耳がもたらす壮絶なオーケストラ音響に、この機会にぜひ触れてください。
ヘルムート・
ラッヘンマン
©Markus
Kirchgessner
本名徹次
photo Ryusei Kojima
「武満徹作曲賞」は、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などにより、今や世界的に知られているオーケストラ作品の作曲コンクールです。11回目となる2009年の審査員はヘルムート・ラッヘンマン。世界31カ国から集まった103作品の中から、現代作曲界の重鎮ラッヘンマンがいかなる才能を発掘するか、注目です。
「アーツシャワー」は、夏休み期間中に子供から大人まで気軽に芸術文化を楽しんでいただくために、東京オペラシティ街区に関係するさまざまな施設・団体が協力して実施する催しです。
アーツシャワーの中でも、毎年爆発的な人気のズーラシアンブラスと弦うさぎが今年もやって来ます。よこはま動物園ズーラシアのマスコットキャラクターとして誕生し、「子どもたちの音楽への興味を沸き起こし、これから花開く可能性を持った素晴らしい感性の導火線に火をつけること」を目的として活動するズーラシアンブラスとその仲間のうさぎたち。
見た目はユーモラスですが、実力は折り紙つき。それもそのはず、マスクをかぶっているのはいずれもプロオーケストラ等で活躍する演奏家たちなのです。家族で楽しめるコンサートとして今回も人気を集めることでしょう。
中川英二郎
2006年のデビューコンサート以来、毎年大盛況。パワフルかつ洗練された演奏で聴衆を魅了するスーパーアンサンブルです。オリジナル作品、名曲、新編曲を取り混ぜ、楽譜出版やCDリリースも含めた多角的な展開で、アマチュアのブラス奏者たちの心をつかんで放しません。スタジオ、ジャズのトップ奏者とオーケストラのトッププレーヤーたちが結集した「侍BRASS」は、ブラスアンサンブルの新たな可能性を追求し続けます。その巧さと楽しさは、ブラスファンのみならず、誰もが楽しめること間違いなし。2009年夏、東京オペラシティでの彼らの新たな挑戦にご期待ください。
ヴィラ=ロボス
ロベルト・ミンチュク
2009年は、ブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスの没後50年。独学で作曲法を勉強し、その独特な作風で知られている彼の作品は、交響曲、管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲、器楽曲と多岐にわたり多数作曲しました。とりわけ最も脂の乗った時期でもある1930年から1945年にかけて書かれた《ブラジル風バッハ》(Bachianas Brasileiras)は彼の作品群の中でも一際高い頂点の作品といえます。
終生J.S.バッハを深く敬愛していたヴィラ=ロボスは、ブラジル固有の民俗音楽や大衆音楽を素材にして、バッハが書いたような組曲を創作しようと試み、9曲の《ブラジル風バッハ》を完成。それは、管弦楽曲、室内楽曲、ピアノソロ、チェロ・アンサンブル、ア・カペラと様々な編成で作曲されました。その中では特に第5番が最も有名でしばしば演奏されますが、《ブラジル風バッハ》全曲を、しかもオリジナル編成で聴く機会はめったにありません。第9番は、もともと無伴奏合唱のために書かれましたが、演奏困難だったために弦楽合奏版が作られ、その版が知られるようになりました。しかし、今回はオリジナルにこだわり、無伴奏合唱版でお楽しみいただきます。
指揮者は2004年にBISレーベルにて《ブラジル風バッハ》全曲をレコーディングした、ブラジル人指揮者ロベルト・ミンチュク氏を招聘し、記念年ならではの豪華な企画となっています。
井上道義
©Benjamin Lee
池辺晋一郎
ほぼ半年に1回実施している恒例の「平日昼間」のオーケストラコンサートです。
9回目は、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)を、音楽監督である井上道義に加え、日本を代表する作曲家の一人でNHK教育テレビ「N響アワー」での絶妙ダジャレ&トークも人気の池辺晋一郎も指揮するという豪華版です。
石川県立音楽堂の洋楽監督でもある池辺氏は、たびたびOEKを指揮しており、クラシックの名曲のみならず、自らが手がけた映画音楽などバラエティ豊かなプログラムで好評を博しています。今回は、第1部として池辺氏の指揮で自身の編曲によるビートルズ特集を、そして第2部では井上道義のモーツァルトをお楽しみいただきます。お互いにトークゲストとして登場も予定していますので、おしゃべりも大いに盛り上がるでしょう。
気軽で本格的がモットーのウィークデイ・ティータイム・コンサートの中でも、また一味違った楽しい音楽会になること請け合いです。
マティアス・ゲルネ
©Decca Sasha Gusov
ピエール=ロラン・エマール
photo by Guy Viven
マティアス・ゲルネ。艶のある美声はもとより、魂のこもった歌唱力と鬼気迫る表現力で、一瞬にして聴き手の目と耳を奪う稀代の存在感。ドイツ歌曲の神髄に迫る新時代の名歌手です。2003年の初来日公演以来、シューベルト「三大歌曲集」をはじめ東京オペラシティコンサートホールでの数々の名演は聴衆に深い感銘を与えてきました。
ピエール=ロラン・エマール。精巧緻密にしてあたたかく、饒舌にして神秘的。バッハから現代、そして未来を自在に往来し、一夜のプログラムを一つの宇宙にしてしまう、今や世界で最も魅力的で鮮烈な個性を持つピアニストと言ってもよいほどです。2008年7月、東京オペラシティコンサートホールでのリサイタルも独自の選曲と完成度の高さで絶賛を浴びました。
そして2009年10月、この二人による歌曲の夕べが日本では初めて実現します。
いわばソリストどうしのデュオにふさわしく、歌とピアノが対等に語り合うかのようなシューマンの名作《女の愛と生涯》などによるプログラムが予定されています。ドイツ・ロマン派歌曲の神髄に触れるチャンスと言えるこの公演は、歌曲ファンのみならず、多くのクラシック音楽ファンの注目を集めること必至です。
マルク・ミンコフスキ
photo Peter Schnetz
躍動感と色彩感あふれる解釈でフランス・バロック・オペラにおける新時代のスペシャリストとして、ヨーロッパで一大旋風を巻き起こしているミンコフスキ。日本では、2002年エクサンプロヴァンス国際音楽祭・東京公演で『フィガロの結婚』を指揮し、絶賛を博しました。古楽ファンを中心に長年再来日が待たれていましたが、自ら創設したバロック・オーケストラ「ルーヴル宮音楽隊」とともに7年ぶりに来日します。
得意のモーツァルト、CDも大ヒットしたラモーに加え、没後200年にあたるハイドンの交響曲(来日に向けて新録音も計画中!)という入魂のプログラムは新鮮な驚きをもたらしてくれることでしょう。いま最もエキサイティングなコンビの登場であり、2009年日本の音楽界の大きな話題となることは間違いありません。
ルーヴル宮音楽隊
photo Guy Vivien
日本が世界に誇る指揮者・大野和士が、新たに首席指揮者に就任したフランス国立リヨン歌劇場とともに来日、東京オペラシティコンサートホールではオーケストラコンサートを行います。数ヶ国語を話し、そのカリスマ性と強靭な推進力でオーケストラを縦横にドライブし、緻密なスコアリーディングに基づく深い解釈で作品の新たな魅力を引き出し続ける大野には、世界中の歌劇場やオーケストラ、音楽祭から出演依頼が殺到しています。また、NHKなどのドキュメンタリー番組でその仕事ぶりが紹介されファンを増やす一方で、日本で大野の指揮に接する機会はますます貴重になっています。
今回は、フランスのオーケストラの持ち味を味わっていただくべく、近代フランスが生んだ2つの交響曲を中心にプログラムが組まれました。色彩的にして深遠、繊細にして壮大なフレンチ・シンフォニーの傑作が、大野によって新鮮な輝きを放つことでしょう。
鈴木雅明
©marco borggreve
東京オペラシティ文化財団は、開館以来、世界的評価を獲得しているバロック・アンサンブル、バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)によるバッハやモンテヴェルディの大作、モーツァルト《レクイエム》などいくつもの公演を主催し、また、BCJも当ホールを定期演奏会の会場とするなど、密接な協力関係を築いてきました。そして開館10周年となった2007年から、2009年のヘンデル没後250年に向けて、毎年末ヘンデル作品を取り上げる全3回の演奏会シリーズを開始、第1回《エジプトのイスラエル人》、第2回《ユダス・マカベウス》は大きな話題を提供しました。
ヘンデル・イヤーに当たる2009年、その最終回として、歌劇『リナルド』を演奏会形式で上演します。ヘンデルのロンドン・デビューを飾った大作で、十字軍の騎士リナルドが敵方の魔女を打ち破り勝利する英雄物語です。有名なアルミレーナのアリア「私を泣かせてください」は、NHK連続テレビ小説『ちゅらさん』でも使用されました。
山下洋輔がプロデューサーとして魅力ある音楽家たちの新たな姿をご紹介する、新春恒例「東京オペラシティ・ニューイヤー・ジャズ・コンサート」。
2010年は、なんとあのスタニスラフ・ブーニンが登場。山下洋輔との豪華共演が実現します。 かねてからの山下ファンというブーニン。ソロあり、デュオあり、そして即興あり!? まさに予想外の顔合わせによる、予測不可能なピアノワールドにご期待ください。
山田和樹
ほぼ半年に1回実施している恒例の「平日昼間」のオーケストラコンサートです。
10回目は、「合唱とオーケストラの楽しみ」と題して、東京混声合唱団と東京交響楽団の演奏で日本の合唱曲をお贈りします。
指揮は東京混声合唱団の指揮者でもある新進気鋭の山田和樹。中心となる作品は、アマチュア合唱界や学校教育の現場などで愛され歌い継がれている名曲《筑後川》と、「大地讃頌」で有名な《土の歌》。これに武満徹の無伴奏合唱曲と、日本の合唱シーンで現在最も人気のある作曲家の一人、木下牧子の珠玉作を組み合わせました。
ありそうでなかった、プロフェッショナルならではの贅沢なプログラムで、感動的な合唱の世界をお楽しみください。きっと一緒に歌いたくなることでしょう。
東京混声合唱団