◎収蔵品展010
寺田コレクションにみる日本画への視点
2002.2.8[金]― 5.6[月・祝]
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当館に収蔵される寺田コレクションの中から、特定のテーマの下に作品を選んで展示する収蔵品展の第10回目となる今回の展覧会では、「寺田コレクションにみる日本画への視点」と題し、同コレクションに含まれる日本画を取り上げて展示しています。
寺田コレクションといえば、日本的な詩情あふれる抽象絵画を描きつづけた難波田龍起と、その息子で繊細な線描と色彩による作品を描いた難波田史男の作品を集めるコレクションとして知られていますが、このコレクションはそのほか、「日本の原風景」と呼ばれるテーマにそって現代の日本画家による数多くの日本画の作品が収集されていることも大きな特徴となっています。
日本画は、自然の顔料を膠などを使って和紙の上においていくもので、使われる素材をはじめとして、作品自体も湿度や温度の影響を受けやすいなど、技法として自然と非常に密接に係わっているものです。また描かれる主題も風景や植物といった自然に題材を得たものが多く、その繊細でこまやかな様相はおそらく世界でも他に例をみないものであると言えるでしょう。
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稗田一穂《寒鳥》
墨、岩絵具、麻紙/85.5×117.0cm
1994 |
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松本祐子《雲になる花》
顔料、紙/181.8×227.3cm
1991 |
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今回出品されている作品は、寺田家由来の地といわれる近江の琵琶湖を題材にした風景画や琵琶湖にすむ魚を描いた作品のほか、日本特有ともいえる美しい季節の移り変わりを感じさせる植物や山々を描いたものなど、私たちの心の中にある「日本的なるもの」についてあらためて想いを馳せるような展示となっています。
出品作家
麻田浩、有元容子、磯部茂樹、伊藤彬、内田あぐり、大竹卓民、大野俊明、岡田伊登子、下保明、清沢孝之、小泉淳作、高坂和子、坂部降芳、重岡朋子、須田克太、滝沢具幸、箱崎睦昌、稗田一穂、平松礼二、並木功、西内利夫、西田俊英、松生歩、松本祐子、村田茂樹、森山知己(五十音順)
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