次回展覧会「白髪一雄」 2019/11/22 update

東京オペラシティアートギャラリーでは2020年1月11日[土]より3月22日[日]まで展覧会「白髪一雄」を開催いたします。

白髪一雄の全貌に迫る、都内の美術館で初の大規模展覧会。

白髪一雄(1924-2008)は、戦後日本の前衛芸術を牽引した具体美術協会の中心メンバーとして知られ、近年改めて国際的に熱い注目を集めています。兵庫県尼崎市に生まれた白髪は、具体美術協会に参加する前年の1954年より、床に広げた支持体に足で直接描く「フット・ペインティング」の制作を始め、その実践と探求により、未知の領域を切り拓いてゆきます。従来は制作の手段にすぎなかった身体運動(アクション/パフォーマンス)をまさに画面の主役に据えるそのラディカルな方法は、既存の芸術的、社会的な常識を一気に飛び越え、人間がものを作る行為の原初にたち返る画期的なアイデアでした。具体美術協会解散後も先鋭な制作原理を貫いた白髪の作品は、空間や時間、物質や運動のなかで人間存在のすべてを燃焼させる圧倒的な力をはらんでおり、同時に、絵具の滴り、滲み、粘性や流動性、堅牢さ、といった油彩画ならではの魅力を豊かに備えています。


アトリエでの制作風景、1960年代
画像提供:公益財団法人 尼崎市文化振興財団


《作品(赤い材木)》
1957
赤色塗料、木
東京都現代美術館蔵


《難航》
1949
油彩、キャンバス
尼崎市蔵

白髪の探求は、人間の資質と感覚をいかに高めるかという問題や、宗教的な精神性の問題など、独自の人間学的アプローチを含んでおり、様々な視点からの検証を待っています。
白髪の没後10年以上を経て開催する本展は、東京で初の本格的な個展として、初期から晩年までの絵画約60点をはじめ、実験的な立体作品や伝説的パフォーマンスの映像、ドローイングや資料も加え、総数約100点で作家の活動の全容に迫ります。


《無題》
1957
油彩、紙
豊田市美術館蔵


《天空星急先鋒》
1962
油彩、キャンバス
兵庫県立美術館蔵


《群青》
1985
油彩、キャンバス
尼崎市教育委員会蔵(尼崎市立尼崎高等学校)


《貫流》
1973
油彩、キャンバス
東京オペラシティアートギャラリー蔵
photo: 早川宏一

インフォメーション

白髪一雄
Kazuo Shiraga : a retrospective


期間:2020年1月11日[土]─ 3月22日[日]
会場:東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]
開館時間:11:00 ─ 19:00 (金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、2月9日[日](全館休館日)

入場料:一般 1,200円(1,000円)、大学・高校生 800円(600円)
中学生以下無料

  • 同時開催「収蔵品展069 汝の隣人を愛せよ」「project N 78 今井麗」の入場料を含みます。
  • 収蔵品展入場券200円(割引は無し)もあり。
  • ( )内は15名以上の団体料金
  • 障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
  • Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
  • 割引の併用および払い戻しはできません。

お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社
特別協力:尼崎市、公益財団法人 尼崎市文化振興財団
協力:ヤマトグローバルロジスティクスジャパン株式会社、株式会社ログ キャビン