◎収蔵品展004
Territory of Fantasy
心象の領域 ? 寺田コレクションにみる幻想的な具象

2000.8.2[水]― 10.9[月]



当館収蔵「寺田コレクション」から、毎回違ったテーマで作品を選び、みなさまにご覧いただいている収蔵品展の第4回目として、「心象の領域─寺田コレクションにみる幻想的な具象」を開催いたします。

絵画を分類するのに私たちはよく具象と抽象という分け方をします。絵画はもともと自然の風景や人物の面影などをイメージとして記録する役目を担っていましたが、19世紀に写真が発明された後、絵画はその役目を写真に譲り、次第に「色」や「形」そのもののを素材とする抽象絵画へと向かうようになりました。
しかし、物事の姿を正確に写し取る写真においても多様な表現の幅があるように、画家の思考のフィルターを通して描き出される具象的な絵画にも、単に対象を写実的に描くばかりではない、非常に豊かな表現の領域が広がっているのです。

この展覧会では、実際に存在することのない想像上の風景や生き物などを克明に描き出した幻想的な具象絵画を集めてご覧いただきます。これらの作品に描かれたイメージは、画家の心の中に写し出された心象の風景と呼べるものですが、画家は、物理的に把握することが叶わぬそうした心象のモチーフを、リアリティを伴った存在物として実体化させるかのごとく、細部に至るまで徹底的に描き込んだ緻密なイメージとして画面上に現出させています。

今回展示される作品の中には、超現実的な風景や建物を写実的に描く野又穫や奥山民枝をはじめ、人々の集団意識に潜む非日常性を捉える相笠昌義、どこか心温まるファンタジックな世界を展開する落田洋子や小杉小二郎、15世紀北方ルネサンスの細密画を思わせるような技法によってシュール・リアリスティックな世界を描く川口起美雄、そして打ち震えるような感性によって内面の幻想的な世界を表現した難波田史男の作品など、超自然の光景や異次元を思わす神秘の世界を描いた油彩、水彩、ドローイング、版画等、約120点の作品を展示いたします。

これほどの数の緻密に描写された幻想的な絵画が一堂に集められて展示される機会はあまりありません。これは「寺田コレクション」という個人蒐集によるコレクションを収蔵する当館ならではの展覧会であると言えましょう。

出品作家:相笠昌義、有元利夫、池田龍雄、胡子修司、奥山民枝、落田洋子、小山田二郎、加藤清美、柄沢齋、河内良介、川口起美雄、川原田徹、小杉小二郎、相馬武夫、鈴木和道、武田史子、難波田史男、野又穫、長谷川健司、東弘治、藤井一友、藤井級井(五十音順)


花火のある部屋
有元利夫《花火のある部屋》
116.5×73.0cm
1979
Sublime1
野又穫《Sublime 1》
145.5×89.4cm
1990

薬草園
河内良介《薬草園》
21.0×41.0cm
1997

旦気
奥山民枝《旦気》
130.5×97.0cm
1996
孤立した夢想家
落田洋子《孤立した夢想家》
53.0×45.5cm
1996


インフォメーション
期間:2000.8.2[水]― 10.9[月]
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8.6[日](全館休館日)
開館時間:12:00 ― 20:00(金・土は21:00まで、入館は閉館30分前まで)

入場料:一般 \300(\200)、大学・高校生 \200(\150)、中学・小学生 \100(\50)
( )内は15名以上の団体料金、その他割引制度あり
企画展「テリトリー:オランダの現代美術」のチケットでもご覧いただけます。
 
主催:(財)東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命/NTT都市開発/小田急電鉄

お問い合わせ:東京オペラシティアートギャラリー Tel. 03-5353-0756