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Interview

◎オガワ・ルミ(打楽器奏者、アンサンブル・モデルン メンバー)

「私たちの演奏会は、現代音楽の最新カタログです。」

1998年9月、このホールで聴衆を熱狂させた、ドイツが誇る世界最強の現代音楽演奏集団、アンサンブル・モデルンが、この夏2度目の来日を果たします。今回の東京公演について、創立以来のメンバーである、打楽器奏者のオガワ・ルミさんにお話を伺いました。

アンサンブル・モデルン
アンサンブル・モデルン (c) Dominik Buscardt


前回の東京オペラシティでの公演では、フランク・ザッパの《イエロー・シャーク》がずいぶん注目されたのをよくおぼえています。あのタイプの曲は人気がありますね。でも、私たちの活動の重点は、クラシカルな作品の演奏にあるんです。そこで今回のプログラムですが、・・・地味といえば地味ですよね(笑)。ストラヴィンスキー以外はなじみの名前がないと思う方も多いでしょうね。でも、反対に、あとは今生きている作曲家たちですから、生活の中で経験している感覚など、私たちと共通する部分ははるかに多いはずです。現代音楽は特殊なものではなく、ごく普通の生活の中から出てきているものだということをわかっていただけると嬉しいです。
 指揮者のドミニク・ミイとはもう何度も共演しています。すごく活気あふれる女性で、ウォルフガング・リームも彼女の大ファンなんですよ。彼女の指揮する《打たれるべき沈黙─アンサンブルのための〈シフルII〉》に注目してください。それから、サロネンの《サッフォーによる5つのイメージ》を、世界初演者でもあるソプラノのローラ・クレイコムが歌いますよね。彼女はとても上手で、勉強熱心ですから、ストラヴィンスキーの歌曲もきっと素晴らしいと思います。細川さんも、トーマス・アデスも、今や世界中で注目されている新しい世代のリーダーです。今回はアンサンブル・モデルンを聴いてほしいという以上に、私たちの演奏を通じてそうした作曲家を聴いてほしい、知ってほしいという気持ちでいます。
 本拠地フランクフルトでも、さまざまなレパートリーでフェスティバルや定期公演を行っていますが、最初はクラシック音楽や現代音楽に縁の無かったという方や、なんだかわからないけど来てみたという方が、面白さにびっくりして、ファンになってくださったりしています。彼らにとっては、アンサンブル・モデルンは、私たちの生きている時代の音楽をカタログのように紹介してくれる媒体の一つといった存在になっていて、今度は何を聴かせてくれるのだろうといつも興味を持ってくれているんです。そして、新しいものは伝統の積み重ねを経て育っていくのですから、今の音楽を提供し続けて、次の時代がその上にさらに新しいものを創作できるようにするのが私たちの使命だと思っています。(談)

東京オペラシティArts友の会会報誌“tree”vol.20(2000年6月号)より


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