インタビュー マルク・ミンコフスキ指揮 レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル

世界の檜舞台で躍進中の指揮者、マルク・ミンコフスキが、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルとともに、2018年2月来日。メンデルスゾーン・プログラムを披露します。音楽観、最近の活動を中心にお話しいただいたインタビューをご紹介します。

聞き手・文:那須田 務(音楽評論家)
(2017年7月 取材協力:東京都交響楽団)

  • ■これまで何度も東京オペラシティに登場されて数々の名演を残されています。今回はメンデルスゾーンの序曲《フィンガルの洞窟》と交響曲《スコットランド》と《イタリア》という、メンデルスゾーンの中でも特に人気の高い作品を演奏されます。
  • まず、東京オペラシティ コンサートホールは私の大好きなホールと申し上げておきます。ステージから天井を見上げると木でできたピラミッドのようで他にはない特別な雰囲気があり、木の温もりが心地いい。
    メンデルスゾーンについては、目下、交響曲の全曲録音を準備しているところです。これまでにもゲスト指揮者としてモダンのオケと《スコットランド》はよく演奏しました。交響曲第5番《宗教改革》やヴァイオリン協奏曲も同様です。《真夏の夜の夢》も大好きな曲でして、目下ベルリンの歌劇場で演奏会形式のコンサートの準備をしています。でも《イタリア》は今回のツアーが初めてなんですよ。意外でしょう。自分でも驚いています(笑)。私にはそういうことがよくあって、ヘンデルのスペシャリストなんて言われながら、《メサイア》を取り上げるのも遅かったし、モーツァルトの《レクイエム》もそうです。《イタリア》の場合はたまたまの成り行きですね。
  • ■ミンコフスキさんが指揮されると、どんなによく知っている曲でも新鮮な感銘を受けます。
  • 私は何であれ物事をできるだけ明晰に伝えたいと思っています。作曲家が楽譜に書いた指示をできるだけ丁寧に読み取っていく。スコアを変えようと思ったことはありません。もちろん私自身の直感はありますよ。
  • ■現在ボルドー歌劇場の音楽総監督をされていますね。
  • ええ、総勢350人の責任を担っています。ボルドーのオペラ座ではドニゼッティやヴェルディ、オッフェンバックの規模の大きな演目を取り上げることが多いのですが、やはりメインはフランス・オペラですね。たとえばドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』は私自身何度も指揮をしていますが、どこかのホールと共同で上演できるといいですね。
  • ■今回はレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルとの来日です。先頃リリースされた《ヨハネ受難曲》(ワーナーミュージック)がすばらしい。通常の演奏では使用されないバッソノ・グロッソ(コントラファゴット)が、冒頭の合唱に只事でない異様な雰囲気を醸し出しています。
  • レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルは今から35年前に結成されました。メンバーの入れ替わりもありますが、私には家族のようなものです。しかもソリストたちが集まって難技巧の面白い作品を演奏しようという思いで結ばれている。その点で他にはない団体だと思います。最近は先ほどの「ヨハネ」の他、スウェーデンのドロットニングホルム歌劇場と合同でモーツァルトのダ・ポンテ三部作を行なっています。舞台の上にもう一つ小さな舞台を乗せて演じるいわばコンメディア・デラルテのような演出で、舞台がシンプルなのでどこへでも持ち運んで上演できる。たとえばこのオペラシティでも(笑)。
  • ■2015年のザルツブルク・モーツァルト週間で騎馬と共演したモーツァルトのコンサートも話題になりました。ヴェルサイユ馬術アカデミーの騎手と馬たちが、皆さんの奏でるモーツァルトの《悔悟するダヴィデ》などの曲で演技をする(演出と振り付けはバルタバス)。YouTubeで拝見しましたが、幻想的な舞台に身震いするほどの感動を覚えました。
  • 馬たちは本当にすばらしい! 会場のフェルゼンライトシューレ(独語で岩場の馬術学校の意味)は、音楽祭が始まる前は本当に馬術学校として使われていたところですからね。でもカラヤンの頃にあのような企画は考えられなかったでしょう。実際舞台に砂を敷くなどかなり面倒な作業でした。でも音響は最高ですし、結果はマジックとしか言いようがありません。今年1月にもモーツァルトの《レクイエム》で行いました。これはDVDで発売されましたし、9月にはパリ近郊の新施設「ラ・セーヌ・ミュジカル」でも再演する予定です。一年に2回程度ならばこういうクロスオーバー的な企画もやりたいですね。一度レディ・ガガとも共演してみたいと思っているんですよ。彼女はミュージカルやジャズもすばらしい。
  • ■最後に日本のお客様にメッセージをいただけますか?
  • どうぞライヴでコンサートを体験しにいらしてください。インターネットは決して東京オペラシティの代用にはなりません。

東京オペラシティArts友の会会報誌「tree」Vol.124(2017年10月号)より

■公演情報

マルク・ミンコフスキ指揮
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル

2018年2月27日[火]19:00
会場:コンサートホール

[出演]

指揮:マルク・ミンコフスキ
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル

[曲目]

メンデルスゾーン:
・序曲《フィンガルの洞窟》op.26
・交響曲第3番イ短調 op.56《スコットランド》
・交響曲第4番イ長調 op.90《イタリア》

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[料金](全席指定・税込)

S:¥12,000 A:¥10,000 B:¥8,000 C:¥6,000 D:¥5,000

[チケット情報]

東京オペラシティチケットセンター
03-5353-9999(電話 10:00〜18:00/店頭 11:00〜19:00/月曜定休)

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コンサート情報

マルク・ミンコフスキ指揮
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル


2018年
2月27日[火]19:00
コンサートホール

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東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホール


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