Schedule

  • 5月26日(火) ヘルムート・ラッヘンマンの室内楽
  • 5月28日(木) ヘルムート・ラッヘンマンオーケストラ作品展「協奏二題」
  • 5月31日(日) 2009年度武満徹作曲賞本選演奏会

ヘルムート・ラッヘンマンの室内楽 Chamber Music of Helmut Lachenmann 2009年5月26日[火]19:00 リサイタルホール

ヘルムート・ラッヘンマンの室内楽

岡 静代(クラリネット)、多井智紀(チェロ)、菅原幸子(ピアノ)
辺見康孝(ヴァイオリン)、亀井庸州(ヴァイオリン)、安田貴裕(ヴィオラ)

・ラッヘンマン:弦楽四重奏曲第3番《グリド(叫び)》(2001/02)〔25'〕
・ラッヘンマン:アレグロ・ソステヌート(1986-88)[クラリネット、チェロ、ピアノ]〔35'〕

★各曲の演奏前に作曲家自身による解説を行ないます。

全席自由:¥ 3,000(税込) 
* 曲目、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
* 就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
* ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします

【公演について】

ラッヘンマンの代表作による室内楽の夕べ。
ラッヘンマン作品に強い共感と理解を持つ奏者たちが、未曾有の響きに挑む。
フライブルク在住の岡静代は、アンサンブル・ルシェルシュのメンバーとして、またソリストとしてしばしばラッヘンマンと共同作業を行なっており、ラッヘンマンから理想的なクラリネット奏者の一人として信頼されているプレーヤーです。また、ラッヘンマン夫人でもあるピアニスト菅原幸子も、作品の最良の解釈者です。そして多井智紀は、若い世代のチェリストの中でも早くから現代音楽のスペシャリストとして活躍しています。
前半では、ラッヘンマンの代表作の一つ《アレグロ・ソステヌート》を、同曲の録音を行なっている岡と菅原が、多井とともに演奏。後半は近作《弦楽四重奏曲第3番》を若き精鋭たちによるカルテットでお届けします。
いずれの演奏前にも、ラッヘンマン自身による解説を行います。

【演奏曲目について】

◎弦楽四重奏曲第3番《グリド(叫び)》 Streichquartett Nr.3 “Grido” (2001/02)
“16弦の楽器”から多彩なサウンドを取り出した《グラン・トルソ》(1971-72/78)、圧力をかけないフラウタンド(指板の近くを弾きフルートのような音を出す)がさまざまな“音の影”を作り出す《精霊の踊り》(第2番・1988/89)に対して、内的表現が重視されており、もはや絶妙に制御された特殊奏法による音響は、まさに抑圧された精神の叫びのようである。アーヴィン・アルディッティからの「もっと音量の大きな曲を」というリクエストに応えた曲とのこと。演奏時間約25分。
メルボルン国際音楽祭、西部ドイツ放送協会、IRCAM、ザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭共同委嘱作品
世界初演:2001年11月2日 メルボルン
アルディッティ弦楽四重奏団
◎アレグロ・ソステヌート Allegro Sostenuto (1986-88)[クラリネット、チェロ、ピアノ]
現在に至るまで、ラッヘンマンの室内楽曲を代表する作品として高い評価と演奏頻度を誇っており、CDも4種を数える。連続する6つの局面が相互に作用しながら、切り詰められた編成によるストイックな音響と沈黙の対比、そして動と静の凄まじいまでのせめぎあいが聴き手に迫る。クラリネットはバスクラリネットと持ち替え。演奏時間約35分。
世界初演:1989年12月3日 ケルン・フィルハーモニー
エドゥアルド・ブルンナー(クラリネット) ヴァルター・グリンナー(チェロ) ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)

[試聴]

音楽出版社「Breitkopf & Hältel」のサイトでは、今回の演奏会で取り上げるラッヘンマン作品の一部がそれぞれ試聴できます。
(下記リンク先のページ左側の「オーディオサンプル」の下にある「Listen」という文字をクリックしてください。)

弦楽四重奏曲第3番《グリド(叫び)》
http://www.breitkopf.com/feature/werk/2931

アレグロ・ソステヌート
http://www.breitkopf.com/feature/ausgaben/2769