武満徹作曲賞

審査員紹介

2014年度審査員 ペーテル・エトヴェシュ (ハンガリー) Peter Eötvös (Hungary)
© Wilfried Hoesl

【訃報】(2024.3.25)
2014年度武満徹作曲賞審査員を務められた、作曲家ペーテル・エトヴェシュ氏が逝去されました。
コンポージアム2014では武満徹作曲賞の審査のほか、自身の指揮で《スピーキング・ドラム》《鷲は音もなく大空を舞い》《ゼロ・ポインツ》の日本初演やリゲティ作品をNHK交響楽団と聴かせてくださいました。作曲家・指揮者として優れた才能を発揮されただけでなく、次代を担う作曲家たちの新たな音楽作品の創造にも長年手を差し伸べてこられたエトヴェシュ氏は、各年の武満徹作曲賞受賞作品にも深い関心を寄せ続けてくださいました。
謹んで哀悼の意を表します。


出版社 Schott Musicのサイト
マネージメント Harrison Parrottのサイト

2014年度 審査結果・受賞者紹介

コンポージアム2014(本選演奏会を含む東京オペラシティの同時代音楽企画)

プロフィール

作曲家/指揮者。1944年1月2日、当時ハンガリー領だったトランシルヴァニア地方のセーケィウドヴァルヘィ生まれ。ブダペスト音楽院で作曲を、ケルン音楽大学で指揮を学んだ後、シュトックハウゼン・アンサンブルと定期的に共演(1968-1976)、ケルンの西ドイツ放送電子音楽スタジオでも活動した(1971-1979)。1978年、ピエール・ブーレーズに招かれ、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)の開設記念コンサートを指揮し、引き続きアンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督に就任、1991年までその職を務めた。1980年の「プロムス」デビュー以来、指揮者として、BBC交響楽団、ブダペスト祝祭管弦楽団、シュトゥットガルト放送交響楽団、エーテボリ交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニック、NHK交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、ミラノ・スカラ座、ロイヤル・オペラ・ハウス、ブリュッセル・モネ劇場、グラインドボーン・オペラ、パリ・シャトレ座など、世界の主要オーケストラ・歌劇場に定期的に客演している。

作曲家としては、伝統的な西洋音楽から現代音楽、電子音楽、さらに民俗音楽にわたる広範な音楽要素を、洗練された手法で自在に融合する作風を特徴とし、特に1990年代以降、声楽と管弦楽のための《アトランティス》(1995)やオペラ『三人姉妹』(1996-1997)などの大規模作品の成功により、一気に世界的な名声を獲得。近年も、トニー・クシュナーの同名戯曲に基づく『エンジェルズ・イン・アメリカ』(2002-2004)や、『更級日記』による『レディ・サラシナ』(2007)などのオペラをはじめ、《アトランティス》の続編にあたる《IMA》(2002)、トランペット協奏曲《ジェットストリーム》(2002)、ヴァイオリンとオーケストラのための《セブン-コロンビア宇宙飛行士への追悼-》(2006/2007)などの管弦楽作品を次々と発表、いずれも大きな話題となり、各地で再演を重ねている。

また、カールスルーエ音楽大学教授、ケルン音楽大学教授を歴任したほか、1991年には「国際エトヴェシュ・インスティテュート」を、さらに2004年に「ペーテル・エトヴェシュ現代音楽財団」を設立し、若い作曲家と指揮者のためのマスタークラスやワークショップを世界各地で展開するなど、教育者としても熱心な活動を続けている。

これまでにバルトーク賞(1997)、フランス批評家大賞(1998)、ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ音楽賞(2002)、カンヌ音楽祭「ベスト・リヴィング・コンポーザー」(2004)、モナコ・プリンス・ピエール財団作曲賞(2008)、ヴェネツィア・ヴィエンナーレ金獅子賞(2011)など受賞多数。

作品は、Editio Musica Budapest、Salabert、Ricordi München、Schott Music、およびPeter Eötvös Composition Studioから出版されている。

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