[53]
高橋 敦(トランペット)

2003年6月17日 出演

053_高橋 敦(トランペット)

©堀田力丸

開館20周年おめでとうございます。現在は日本を代表する主要ホールのひとつとなった貴ホールですが、今まで20年間、様々なコンサートやリハーサルでお世話になりました。これからも日本を代表するコンサートホールとして益々のご発展に期待し、今後も末永くお付き合いさせて頂けたらと思います。 開館直後からスタートしました名物企画のB→C。記念すべき20周年の今年度で開催200回を迎えられるとのことですが、僕も53回目(2003年)として出演させて頂きました。その時には本邦初演の作品も多く演奏しましたが、我が師匠のマルセル・ケンツビッチこと津堅直弘先生に《トランペット協奏曲》を委嘱させて頂き、今でも色々なコンサートで演奏しています。アンコールにはポストホルン、スライドトランペット、ミニスーザフォンなど珍しい楽器で演奏しました。そのため楽器ケースが複数必要となり、電車に乗る際は網棚に置いて移動していました。実はコンサート前日、伴奏者の白石光隆さんとの合わせを終えて帰宅する時も、全ての楽器が入った複数のケースを網棚に置いて、とても疲れていたので座って移動し、そして眠ってしまいました。降車する駅に到着した時、ハッと目が覚め慌てて降りた両手には何も持っておらず…全ての楽器は電車の網棚に置き去りとなってしまいました。運良く全部終点駅で受け取ることができ、無事に翌日を迎えましたが…とても焦ったのを今でも鮮明に覚えています。
出演者の数だけバッハがあったのと同時に、多くの新曲も誕生したB→C。日本の音楽史上に多大な影響力を与えているコンサートとして、今後も多くの優秀な音楽家を育てると共に、世に残る名曲が沢山誕生することを楽しみにしております。

[近況](2017年3月現在)
名誉あるB→Cに出演させて頂いた一人として、今後もそれに恥じないよう努力していきたいと思っています。