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和谷泰扶(ハーモニカ)

1998年5月12日 出演

002_和谷泰扶(ハーモニカ)©Takanori Ishii

©Takanori Ishii

私がB→Cに出演したのは1998年の5月。ヴァイオリニストの松原勝也氏に続いての第2回目でした。当時私はドイツに在住。チェロに藤森亮一氏、ピアノは野平一郎氏の豪華メンバーとの共演でした。その頃B→Cのタイトルは斬新でしたが、それが今や定着し、周知されたことに感慨を覚えます。
バッハに始まってコンテンポラリーまでというプログラムの枠は、お客様にとりましては理解しやすいテーマですが、演奏家には力量を試されるプレッシャーもあります。ハーモニカの誕生は1820年代頃で、現代の形状になったのは1930年代。この楽器でバッハを演奏することはかなりハードルの高い挑戦でしたが、同じ音域を持つフルートの楽曲から、《フルート・ソナタ》ロ短調を演奏しました。
バッハの音楽は300年経った今でも多くの音楽家には永遠の課題であり、とりわけハーモニカで演奏することは至難の業ではありますが、これからも常に挑戦し続けたいと思います。