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片岡綾乃(パーカッション)

2009年6月16日[火]出演

113 片岡綾乃(パーカッション)

開館20周年、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

東京オペラシティ リサイタルホールでは、2005年に自身初のリサイタルをし、その4年後の2009年にB→Cシリーズに出演させていただくなど、自身の音楽活動の軌跡をたどる上で、重要な節目にあたるタイミングで公演をさせていただく機会に恵まれたように思います。「意気投合」という言葉がありますが、ホールというのはその「箱」だけでなく、演奏者とそこに携わる運営・スタッフの方々の心意気とでも言いましょうか、そういったものがバランス良く融合して初めてその空間が「息吹く(いぶく)」ように思います。コンサートの当日は、NHK BSプレミアム『クラシック倶楽部』収録も行われましたので、リハーサルから本番まで非常に緊張が高まった状態が続きましたが、スタッフの方々の心の行き届いたサポートに支えられ、空間の活きたエネルギーを感じながら、本番に臨めたように思います。

私は渡米してから16年になりますので、そうすると貴ホールは私のちょっと先輩にあたるのですね。ニューヨークのリンカーンセンターを拠点に室内楽コンサートシリーズを展開するChamber Music Society of Lincoln Centerでは、2006年よりレジデンシープログラムに在籍して以来、素晴らしいアーティストの方々と、やりがいのあるレパートリーで共演させていただいています。また、2008年9月よりマサチューセッツ大学アマースト校 (University of Massachusetts Amherst) にて後進の指導を始めてから、今年で10年になります。2018年1月からはAssociate Professorとして、学部内の運営の一端を担っていく責任も少しずつ増えそうですが、今までとこれからの様々な出会いに感謝しながら、日々の積み重ねを大切にしつつ、1歩1歩前へ進んでいけたらと思っています。

これからも最先端の音楽・文化の発信拠点として、貴ホールの益々のご発展とご繁栄をお祈り申し上げます。

Ayano Kataoka | Percussionist(片岡綾乃 オフィシャルサイト)
http://www.ayanokataoka.com/