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- 審査員:フィリップ・マヌリ
- 阿部加奈子(指揮)
- 東京フィルハーモニー交響楽団
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- [ファイナリスト(エントリー順)]
- ツォーシェン・ジン(中国):雪路の果てに
- シキ・ゲン(中国):地平線からのレゾナンス
- パブロ・ルビーノ・リンドナー(アルゼンチン):ENTELEQUIAS
- スチ・リュウ(中国):三日三晩、魚の腹の中に

6月9日[日] | 〈コンポージアム2019〉 2019年度武満徹作曲賞本選演奏会 |
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6月12日[水] | 〈コンポージアム2019〉 講演会「フィリップ・マヌリ、自作を語る」 |
6月13日[木] | 〈コンポージアム2019〉 フィリップ・マヌリの音楽 |
7月12日[金] | 池辺晋一郎プロデュース 日本の現代音楽、創作の軌跡 第1回「生誕90年〜1929生まれの5人」 |
7月24日[水] 7月25日[木] |
音楽の絵本 with パイプオルガン |
8月25日[日] | 侍BRASS 2019 |
10月14日[月・祝] | ウィリアム・クリスティ指揮 レザール・フロリサン 《メサイア》 |
11月7日[木] 11月8日[金] |
サー・アンドラーシュ・シフ ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全曲演奏会 |
11月26日[火] | スウェーデン放送合唱団 |
12月2日[月] | エマニュエル・パユ SOLO Vol.2 |
3月13日[金] | フィリップ・ジャルスキー& アンサンブル・アルタセルセ |
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*今後、公演が追加・変更になる場合があります。
*日程・公演内容等は変更になる場合がございますのでご了承ください。
現代フランスを代表する作曲家の一人、フィリップ・マヌリを「武満徹作曲賞」審査員に迎え、あわせて彼の音楽世界を紹介します。
撮影:ヒダキトモコ
阿部加奈子
フィリップ・マヌリ
撮影:ヒダキトモコ
「武満徹作曲賞」は、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などにより、今や世界的に知られている、若い世代のための作曲コンクールです。21回目となる2019年の審査員はフィリップ・マヌリ。
31カ国(出身国・地域)から集まった83曲の応募作品の中から、マヌリ自身による譜面審査によって選ばれた作品が演奏され、受賞作品が決定します。
[全曲日本初演]
フィリップ・マヌリ
撮影:ヒダキトモコ
マリオ・カローリ
ペーター・ルンデル
©Henrik Jordan
常に聴衆を魅了してきた作曲家フィリップ・マヌリの作品から、本演奏会では、エレクトロニクスを伴わないオーケストラ作品3曲をお届けします。編曲、コンチェルト、大編成管弦楽と、さまざまな姿から浮かび上がる、どの作品にも一貫して流れるマヌリの音楽に対する哲学を感じ取ることができるでしょう。
マヌリがオーケストレーションを施したドビュッシーの《夢》は、《管弦楽組曲第1番》第3曲にあたり、この曲のみオーケストラ版が消失していました。マヌリは「ドビュッシー若かりし時の作品ですが、成長した姿を私たちが知っていることはとても重要な情報でした。」と述べています。
フルート協奏曲《サッカード》は、当財団も共同委嘱に参画し、2018年7月、エマニュエル・パユをソリストに、フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団で世界初演されました。Saccadeは断続的に起こる急速な運動というような意味で、タイトルを想起させるフルート独奏の運動性をはじめ、構造、空間、時間といった概念に対するマヌリ作品の特徴が見て取れます。本公演のソリストには、超絶的なテクニックと読み込みの深さで現代作品に定評のある、マリオ・カローリを迎えます。
演奏会後半はマヌリと縁の深いブーレーズの生誕75年を記念して書かれた《響きと怒り》。シカゴ響とクリーヴランド管の委嘱で、ブーレーズの指揮により初演されました。100名以上の大編成オーケストラを使い、弦楽器や金管楽器を左右二群に分けるなどユニークな配置を採用、音響を縦横無尽に展開させ、オーケストラという伝統的な素材がマヌリの個性によって新たな世界へと突き抜けていくような感覚を覚えます。
いずれも日本初演となるフィリップ・マヌリ作品個展で、この作曲家が描き出す音楽の世界を堪能ください。
池辺晋一郎
撮影:武藤 章
東京オペラシティ リサイタルホールを舞台に、当財団のミュージック・ディレクター池辺晋一郎が新シリーズを立ち上げます。
「現代音楽」と呼ばれる種類の音楽、一口にそう言っても、すでにその歴史は1世紀ほどもさかのぼることができます。我が国においても、様々な作曲家による創作活動の歴史があり、素晴らしい音楽が遺されています。
今あらためて、日本の現代音楽が歩んで来た道程を振り返り、そのなかから選りすぐりの作品をお聴きいただき、次の世代へと伝えたい、そのような思いで池辺晋一郎が企画したのが本演奏会です。出演者の選定もこの観点から、作曲家や作品を良く知る演奏家と、現在活躍している若手中堅演奏家を組み合わせ、その経験や考えを、お客様とともに未来へつないでいくことができたら、と考えています。
動物たちによる楽しい演奏で、毎年子供たちを中心に大人気の演奏会。よこはま動物園ズーラシアのマスコットキャラクターとして誕生し、今では日本全国、さらにはアジアでも公演が行われる人気者になりました。
ユーモラスな仕草が人気の金管五重奏「ズーラシアンブラス」と、優雅な弦楽四重奏「弦うさぎ」、さらにはホールが誇るパイプオルガンを迫力のサウンドで鳴らす「オルガンオウル」の組み合わせでお贈りするこの公演は、音楽の楽しさでいっぱいです。演奏会への期待高まる開場時のファンファーレから、毎回趣向を凝らした楽しいプログラムはもちろん、終演後のお見送りまで、夢と感動に包まれた音楽会は、お子様たちの初めてのコンサート体験としても最適です。
撮影:藤本史昭
スタジオ、ジャズのトップ奏者とオーケストラのトッププレイヤーたちが結集した「侍BRASS」、2006年のデビューコンサート以来パワフルかつ洗練された演奏で聴衆を魅了し続けています。回を重ねるごとにそのサウンドはさらに磨かれ、年々熟成していく大人のアンサンブルとしてますます魅力を増してきています。
和のテイストにこだわったオリジナル曲に、センスの良い名曲の新アレンジを取り混ぜたプログラム、さらには楽譜出版やCDリリースも含めた多角的な展開で、楽器をたしなむ中高生から、音楽を愛する大人まで、常にファンの心をつかみ続けています。ブラスアンサンブルの新たな可能性を追求し続ける「侍BRASS」は、高度なテクニックで観客を唸らせ、楽しいトークで笑わせる、最高のエンターテインメントです。
ウィリアム・クリスティ
©Denis Rouvre
レザール・フロリサン
©Denis Rouvre
2019年には創立40周年を迎える、フランス最高の古楽団体レザール・フロリサンが、音楽監督で古楽界の巨匠、ウィリアム・クリスティに率いられ東京オペラシティ コンサートホールに帰ってきます。2003年には当ホールで2公演が行われ、一つはパーセルの歌劇『妖精の女王』(抜粋・演奏会形式)で、クリスティの生き生きとしたリズムと軽やかな音楽運び、合唱の美しさと器楽アンサンブルの闊達さによってバロック音楽のすばらしさに開眼した、との声も多く寄せられた印象深い公演でした。そしてもう一公演は今回と同じ曲目の、ヘンデル《メサイア》でした。あれから16年、この組み合わせをまた聴くことができるとは、幸せといわずに何と表現しましょう。「花咲ける芸術」という意味のレザール・フロリサンの演奏からは、まさに美しい花が咲き誇る、そのかぐわしい香りに包まれるような、喜びに満ちた音楽が立ち上ってきます。
ヘンデルの華麗で輝かしく、また時に人々をやさしく慰撫する音楽は、ウィリアム・クリスティとレザール・フロリサンの演奏によって、われわれに安らぎと生きる希望を与えてくれることでしょう。
サー・アンドラーシュ・シフ
©Nadia F Romanini
カペラ・アンドレア・バルカ
貴重で贅沢な二日間。巨匠アンドラーシュ・シフが、自ら結成した室内オーケストラ、カペラ・アンドレア・バルカとともに、ベートーヴェンが遺した至高の5曲のピアノ協奏曲を全曲演奏します。2020年のベートーヴェン生誕250年記念年を翌年に控え、ベートーヴェン演奏が目白押しとなる前に、早くも現代最高のベートーヴェン弾きによる大注目公演の登場です。
J.S.バッハ、ベートーヴェン、シューベルトの演奏において、聴き手の好みはあっても、アンドラーシュ・シフを現代ピアノ界における第一人者のひとりとすることに異を唱える人はいないでしょう。シフの演奏には、ほかのどのピアニストも及ばないと感じさせるほどの、作品に関する深い洞察と、作曲家に対する心からの敬意、そしてそこから湧き上がる音楽の愉しみにあふれています。シフが世界中で行っているベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会のシリーズ(残念ながら日本では未開催)は、きわめて高い評価を受けていますが、今回は5曲のピアノ協奏曲を、自身が音楽面で信頼する仲間たちを集め結成したカペラ・アンドレア・バルカを弾き振りすることで、理想的な演奏が期待されます。このオーケストラがまた聴きもので、メンバーには夫人のヴァイオリニスト塩川悠子、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスからコンサートマスターのエーリッヒ・ヘーバルトほか、日本でもおなじみのチェコのパノハ・カルテットの面々、ウィーン・フィルのメンバーや、ホルンにはソリストとして著名なマリー=ルイーズ・ノイネッカーなど、多忙な演奏家たちがツアーごとに結集し、シフとともに音楽を奏でる喜びにあふれた、生き生きとした演奏を繰り広げます。
スウェーデン放送合唱団
Photo: Kristian Pohl
ペーター・ダイクストラ
©Astrid Ackermann
スウェーデンのみならず、世界中でその美しい歌声を披露する、現在最高峰の実力と人気を誇る合唱団。
特に故クラウディオ・アバドからは多くの演奏会で起用され、1996年ベルリン・フィルとの日本公演で演奏した「第九」と「復活」や、2012年ルツェルンでのモーツァルト《レクイエム》など、多くの名演が残されています。
透明でありながらリッチなこの団体の声は、東京オペラシティ コンサートホールの響きと抜群の相性で、指揮者のダイクストラをして「このホールの澄んだ音響の中で温かさに溢れた空間に立つと、不可能な事などひとつもないと感じてしまう」と言わしめるほどで、シュニトケ《回心の詩篇》、《無伴奏合唱のための協奏曲》、プーランクのカンタータ《人間の顔》、マルタン《二重合唱のためのミサ曲》、ラフマニノフ《晩祷》など、これまでも数々の名演の記憶が残っています。
今回もこの合唱団の世界一流の技術を堪能できる、さまざまなスタイルの作品でプログラムは組まれています。
神聖なハーモニーを聴かせるシュニトケの《3つの聖歌》、輝かしいストラヴィンスキーの《詩篇交響曲》をショスタコーヴィチの編曲による4手ピアノ版とともに、さらに、心洗われる清澄な祈りの音楽が特徴のエストニアの作曲家アルヴォ・ペルトの作品、実力が如実に表れるJ.S.バッハのモテット、地元スウェーデンの作曲家で、特に合唱作品で著名なスヴェン=ダヴィッド・サンドストレム(1942- )の作品など、スウェーデン放送合唱団の魅力を存分に発揮できるプログラムを準備しています。
合唱曲には宗教作品も多く、まるで教会の高い天井から音が降り注いでくるような、このホールの厳かな雰囲気や音響特性と最も相性の良い音楽といえます。神が与えた最高の楽器、″声″による美しいハーモニーをお楽しみください。
©Denis Felix
大好評だった、驚異の無伴奏リサイタルを再び開催いたします。
2017年11月28日東京オペラシティ コンサートホール。1本のフルートを手にしたエマニュエル・パユと、一つの音も聴き逃すまいと集中する満場の観客で静まり返った場内。タケミツメモリアルという名にふさわしく、武満徹の《声》から始まったリサイタルは、楽器の持つありったけの可能性を追求した現代作品や、自由さが魅力のバロック作品等、さまざまな時代の作品が、パユの自然な発音と信じられないほどのテクニック、そして類まれな美音で奏でられました。居合わせたすべての人が、フルートという楽器を超えて、ただ音楽のすばらしさを、そしてそれを演奏するパユの凄さを感じたことでしょう。今回は、テレマンの幻想曲で20世紀の作品を挟んでいくスタイル。それぞれの時代の様式を自在に行き来し、フルートの名曲を味わい尽くす魅力的なプログラムです。フルート界のスーパースターが、最初から最後までたったひとりで行う約1時間のオール無伴奏リサイタル。期待です。
公演中止
フィリップ・ジャルスキー
アンサンブル・アルタセルセ
カウンターテナーという声質が持つ、絹のような滑らかさと吸い込まれるような透明感。これらを今最も美しく表現しているのがフィリップ・ジャルスキーです。2014年の東京オペラシティ コンサートホール公演では、ヘンデルとポルポラの作品を、ジャルスキーはまさに天上の歌声とでもいうような、信じられないほどの美しい音色で聴かせてくれました。同時にこの時代特有の超絶的な技巧をともなうメリスマも高い正確性で実現し、カウンターテナーの芸術が今新しい次元へと高まっていることを、改めて日本の聴衆に示したとても印象的な演奏会でした。カウンターテナーが活躍するバロックオペラの上演が近年ヨーロッパで再び盛り上がっており、日本でもジャルスキーという稀代のアーティストをきっかけに、さらに人気が高まってきています。
今回は自身が中心となり結成したアンサンブルとともに来日します。