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- フィリップ・ジャルスキー (カウンターテナー)
- ヴェニス・バロック・オーケストラ
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- 伝説のライバル
ファリネッリ&ポルポラ VS カレスティーニ&ヘンデル - ポルポラ:歌劇『アリアンナとテーゼオ』より「天をご覧なさい」
- ポルポラ:歌劇『ポリフェーモ』より「至高のジョーヴェよ」
- ヘンデル:歌劇『アルチーナ』より「いるのはヒルカニアの」
- ヘンデル:歌劇『アリオダンテ』より「戯れるがよい、不実な女め」
他
- 伝説のライバル

4月25日[金] | フィリップ・ジャルスキー&ヴェニス・バロック・オーケストラ |
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5月22日[木] | 〈コンポージアム2014〉ペーテル・エトヴェシュの音楽 |
5月25日[日] | 〈コンポージアム2014〉2014年度武満徹作曲賞本選演奏会 |
6月30日[月] | 大野和士指揮 フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団 |
7月23日[水] 7月24日[木] |
音楽の絵本 with パイプオルガン |
7月27日[日] | 侍BRASS 2014 |
12月10日[水] 12月11日[木] 12月13日[土] 12月14日[日] |
パーヴォ・ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団 “ブラームス・シンフォニック・クロノロジー” |
3月6日[金] | パブロ・シーグレル五重奏団 featuring レジーナ・カーター 「タンゴ・ジャズ・コネクション」 |
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*今後、公演が追加・変更になる場合があります。
*日程・公演内容等は変更になる場合がございますのでご了承ください。
フィリップ・ジャルスキー
カウンターテナー界のスター、フィリップ・ジャルスキーが3年ぶりにアジアツアーを行います。ヨーロッパ屈指の古楽アンサンブル、ヴェニス・バロック・オーケストラと、18世紀前半に最高の人気を誇ったカストラート、ファリネッリとカレスティーニに焦点を当てたプログラムを演奏します。このふたりの歌手のライバル関係はすなわち、当時イギリスでライバルとしてしのぎを削ったふたりの作曲家、ニコーラ・ポルポラとヘンデルの関係とも重なります。
メゾソプラノやコントラルトの声域を、コロラトゥーラの超絶技巧を持って歌うカストラートは、当時の聴衆から熱狂的な支持を受けていました。ポルポラはファリネッリを、ヘンデルはカレスティーニをそれぞれ推し、多くのオペラを作曲しています。そこでは、それぞれがタッグを組んだスターが最も輝いて聴こえるよう、自らの作曲技法の粋を集めて、美しいアリアの数々を生み出したのです。
もちろん今ではカストラートと呼ばれる歌手はいませんが、私たちにはフィリップ・ジャルスキーがいます。
この世のものとは思えないような美しい声を持つカウンターテナー、ジャルスキーは、現代の聴衆を熱狂の渦に巻き込むのです。
マルティン・グルービンガー
© FBroede
ペーテル・エトヴェシュ
© Klaus Rudolph
更級日記にもとづく『レディ・サラシナ』、チェーホフの原作をカウンターテナー3人が演じる『三人姉妹』といったオペラ、スペース・シャトル「コロンビア号」の宇宙飛行士への追悼をこめて書かれたヴァイオリン協奏曲《セブン》などで知られる、作曲家ペーテル・エトヴェシュ。本演奏会で取り上げる自作3曲はいずれも日本初演となります。
《スピーキング・ドラム》は、2013年9月29日、モンテカルロで初演されたばかり。ソリストは言葉を発声しつつ演奏もする、超絶技巧が要求される作品で、グルービンガーのソロに期待が高まります。《鷲は音もなく大空を舞い》は、鷲が大きく翼を広げ、風を切って滑空する様、高く広々とした大空の自由さ、などをイメージしたと語っています。《ゼロ・ポインツ》はエトヴェシュと同じ作曲家/指揮者である偉大な先達ピエール・ブーレーズに捧げられています。
指揮者エトヴェシュはまた同郷人であるリゲティの音楽をたびたび取り上げています。ケルンWDR響とのレクイエムの録音は2013年のグラミー賞にノミネートされ、またパトリツィア・コパチンスカヤが独奏したヴァイオリン協奏曲(併録には自身のヴァイオリン協奏曲《セブン》も)の録音は、2013年のグラモフォン・アワード〈レコード・オブ・ザ・イヤー〉を受賞するなどその演奏は高く評価されています。自作のみならず幅広い作品でベルリン・フィルやウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管など一流オーケストラとの共演も多いエトヴェシュ。信頼厚いNHK交響楽団との共演で作品の魅力をあますところなく伝えてくれることでしょう。
杉山洋一
ペーテル・エトヴェシュ
© Andrea Felvegi
「武満徹作曲賞」は、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などにより、今や世界的に知られている、若い世代のための作曲コンクールです。16回目となる2014年の審査員はペーテル・エトヴェシュ。31カ国から集まった108曲の応募作品の中から、エトヴェシュ自身による譜面審査の結果選ばれた作品が演奏され、賞が決定されます。
大野和士
© Herbie Yamaguchi
フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団
ミラノ・スカラ座、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座など世界の主要歌劇場で活躍する大野和士。手兵フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団を率い、豪華絢爛な響きを持つフランス管弦楽の名曲を引っさげて、東京オペラシティに再度登場します。2009年の前回のツアーでは、首席指揮者1年目の成果として、ショーソンやサン=サーンスのシンフォニーを取り上げ、大野の見事な棒さばきが話題となりました。それから5年、指揮者とオーケストラの更なる親密な関係を築き上げた今回は、フランス近代のバレエ音楽をプログラミング。ギリシャ神話に基づくルーセルのバレエ《バッカスとアリアーヌ》の組曲第2番、ウィンナ・ワルツへのオマージュとして着想し作曲された《ラ・ヴァルス》、そしてラヴェルの最高傑作、バレエ音楽《ダフニスとクロエ》全曲を合唱付き(合唱はフランス国立リヨン歌劇場合唱団)でおおくりします。大野&リヨン歌劇場管弦楽団による白熱したクライマックスへの期待が高まります。
毎年子供たちを中心に大人気の演奏会。ユーモラスな金管五重奏と、優雅な弦楽四重奏に加え、昨年から登場した新キャラクター、オルガンオウルは、東京オペラシティ コンサートホールが誇るパイプオルガンを迫力のサウンドで鳴らします。演奏会への期待高まる開場時のファンファーレから、終演後の動物たちによるお見送りまで、夢と感動に包まれた音楽会は、親子の初めてのコンサート体験としても最適です。
侍BRASS
撮影:池上直哉
楽器をたしなむ中高生から、音楽を愛する大人まで、毎年好評のこの公演、終演後のサインを待つ大行列からも人気の高さがうかがえます。ジャズとクラシック、両音楽界からとっておきの奏者が集結した「侍BRASS」は、和のテイストにこだわったオリジナル曲とセンスの良いアレンジによるプログラムの巧みさ、高度なテクニックで観客を唸らせ、楽しいトークで笑わせる、最高のエンターテインメントです。
パーヴォ・ヤルヴィ
© Julia Bayer
ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団
© Kai Michalac Deutsche Welle
クリスティアン・テツラフ
© Giorgia Bertazzi
ラルス・フォークト
© Felix Broede
ターニャ・テツラフ
© Giorgia Bertazzi
現在、最もエキサイティングな組み合わせのひとつ、パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団。2010年には、ここ東京オペラシティ コンサートホールで2日間にわたって、生誕200年を迎えたシューマンの4曲の交響曲を演奏、熱狂的な成功を収めました。
そしてついに注目のコンビがブラームスに取り組みます。快刀乱麻を断つごとく、演奏会の始まりから終わりまで、聴衆を一瞬たりとも飽きさせないこのコンビ。機動性十分な室内オーケストラによる、入念なリハーサルで練り上げられた解釈と、演奏者全員が一体化しているからこその即興性が相まって、他の楽団に見られない独特の個性を放っています。
この主要管弦楽曲+協奏曲のプロジェクトは、ブラームスの作曲の歴史とほぼシンクロした4日間にわたるプログラムで構成されています。シンフォニスト・ベートーヴェンをめざしてついに発表された交響曲第1番から、峻厳な頂のような晩年の第4番まで、パーヴォが信頼を寄せる旬のソリストと共に奏でる協奏曲と共に、どのように聴かせてくれるでしょうか。
レジーナ・カーター
パブロ・シーグレル
パブロ・シーグレルはアストル・ピアソラ五重奏団のピアニストとして10年余りピアソラを支え続け、ピアソラの音楽の方向性に大きな影響を及ぼしました。ピアソラ亡き後、自らの音楽の表現手段であるジャズ、タンゴ、クラシックの融合を模索し、「ピアソラも想像し得なかっただろう、洗練さの境地にこの音楽を発展させた」(シカゴ・トリビューン紙)と垣根を越えたその活動が高い評価を受けています。ニューヨークでは、毎年自身の作品に更なる進化をもたらすべく、ブランフォード・マルサリス、ゲイリー・バートン、ケニー・ギャレット、パキート・デリベラをはじめとするジャズのトッププレイヤーたちと共演し、精力的に新しい音楽を追求しています。その中でも現在最も人気を博している共演者は、世界最高の女性ジャズ・ヴァイオリニストと称えられる、レジーナ・カーター。彼らの初セッションは、数年前に行われたニューヨークの老舗ジャズクラブ、ジャズ・スタンダードでの公演に遡ります。その演奏は高い評価を受け、アメリカ各地およびカナダでも同じキャストで公演を行いました。
2012年に東京オペラシティで行われた、シーグレル自身の編曲によるピアソラの《ブエノスアイレスの四季》(オーケストラ版)が多くのピアソラ・ファンを喜ばせたのは記憶に新しいところ。今回、シーグレルはニューヨークで一緒に活動している五重奏団を率い、各地で絶賛を浴びたレジーナ・カーターと共演する刺激的なステージです。