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第1幕 現代日本。ツエタ教授のK大医学部長就任を祝うパーティに集まった同僚たち。彼らは亡くなったアキノ前学部長の美しい未亡人ハンナの境遇を案じている。というのも莫大な遺産が気になるからだ。その一方で彼らは互いに複雑な不倫関係にあり、この夜もお互いの目を盗んでは逢引きをしているのだった。カミーユと妻ヴァランの不倫を承知しているツエタは、二人の密会現場に現れ、ヴァランに、カミーユをハンナと結婚させて医学部に多額の寄附をさせる計画を話す。かと思えばシルビアはカスカダに続いてダニロと逢い、ダニロはハンナと愛を語り、オルガもブリオと二人きりになり…といったありさま。宴もたけなわになると、男たちは口々にハンナに求愛する。ハンナはそんな男たちを尻目にダニロと踊り求婚する。しかし、結婚反対論者のダニロはハンナを愛するもののその期待には応えようとしないのだった。 第2幕 ヴェドロ家の庭。ツエタがヴェドロの娘ヴィリアを口説きながら「ヴィリアの歌」を歌う。携帯電話で友達とのお喋りに夢中の女子高生ヴィリアは、金持ちのツエタとの援助交際を考えながらも面倒臭がっている。やがて今度はかつて不倫仲だったオルガとヴェドロが二人きりで昔話に花を咲かせている。そこへストロボの閃光。テレビの健康番組への出演で一躍有名人になったヴェドロがカメラマンに狙われていたのだ。カメラマンのガラキは医学界の不道徳さを糾弾するが、集まってきたK大医学部の男たちは『今や不倫が不道徳だなんて誰も思っていない。それこそが人のまこと』と「不倫のマーチ」を歌い始める。呆れたガラキが去った後、ハンナが一同に『自分の死後ハンナが結婚したら遺産は相続させない』というアキノの遺言を一同に披露、その場は騒然となる。ハンナは『この遺言を公にすれば財産目当てではなく本当に自分を愛してくれる人が現れるはず』と言うのだ。ハンナとダニロの恋仲を知る一同はダニロに質すが、ダニロは『ハンナを愛するが自分の主義を貫く』と結婚を拒否。そこでヴェドロが結婚後も束縛しないという約束で求婚をし、ハンナもそれを受け入れる。医学部への寄附の夢が破れたと嘆くツエタだったが、ハンナの結婚後は遺産を医学部と大学病院に寄附するという遺言の続きが明らかにされ、全員が喜びに沸く。 第3幕 ハンナとヴェドロの結婚式があった夜のハンナの家。和やかに談笑しながらも、みな徐々にそれぞれの不倫相手と密会の段取りをしていく。真夜中、ヴァランはカミーユを寝室に連れ込み、ツエタはヴィリアの寝室に向かう。ハンナを探しに居間にやって来たヴェドロはツエタが倒れているのを発見、明かりをつけると、ソファにはシルビアとブリオ、オルガとカスカダが。彼らは暗闇で互いの相手を間違え、夫婦同士顔をあわせてしまい混乱していた。騒ぎの中、男たちは『全員が全員を愛する世界がここに現れた。これこそが新たなる人の愛のかたち』と口々に賛美し、華麗なフィナーレへとなだれ込んでいく。 監修:筒井康隆 作成:東京オペラシティ文化財団 |
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