Masuo Ikeda Revealed: A Retrospective

展覧会|Exhibition

page版画陶芸油彩、水彩、コラージュ、書など

1.版画

池田満寿夫が生涯に手がけた1000点あまりの版画作品から厳選した代表的作品群によって、初期から晩年までの作風の変遷をたどります。
池田満寿夫が版画をはじめたのは1956年、友人の画家・瑛九の勧めがきっかけでした。翌年には《太陽と女》によって早くも第1回東京国際版画ビエンナーレ展に入選を果します。1960年の第2回東京国際版画ビエンナーレ展では、《女・動物たち》《女の肖像》《女》が文部大臣賞を受賞し、26歳の池田満寿夫は注目を浴びることになります。1966年の第33回ベネチア・ビエンナーレ展には、《天使の靴》《タエコの朝食》など28点を出品して版画部門の大賞を受賞。32歳の若さで池田満寿夫は版画家として国際的な舞台の頂点をきわめたのでした。
しかしながら、池田満寿夫はこれに安住することなく、リトグラフ、メゾチント、さらにはコンピュータ・グラフィックスなど、さまざまな技法を試み、ポップ・アート、象徴主義、官能的作風、日本回帰と作風を大きく変えつつ、版画家として果敢な挑戦を続けていきました。池田の版画は年代によって別人のように変化しています。

バラはバラ   私の詩人・私の猫
《バラはバラ》
ドライポイント、ルーレット、ビュラン、紙 1966年
  《私の詩人・私の猫》
ドライポイント、ルーレット、紙 1965年
  マリリンの半分
《戸口へ急ぐ貴婦人たち》
ドライポイント、ルーレット、紙 1963年
  《マリリンの半分》
リトグラフ、紙 1968年

 

2008 Tokyo Opera City Art Gallery