2002.8.31[土]─ 11.17[日]






世界中から熱い視線を浴びる若手アーティスト:ダグ・エイケン
立体的な構造のマルチ・スクリーンに複数の映像をシンクロさせて投影する「ヴィデオ・インスタレーション」を手がけるダグ・エイケン(b. 1968、California, USA)は、現在、国際的にもっとも大きな注目を集めるアーティストの一人です。
1999年のヴェネチア・ビエンナーレにおいてセンセーションを巻き起こしたelectric earthが国際賞を受賞し、その後、世界の主要な現代美術館で続けざまに個展を開催するなど、国際的な現代美術シーンでまたたくまにスターダムに上り詰めました。






ダグ・エイケンは、現代美術界で脚光を浴びる以前から、イギー・ポップやファットボーイ・スリムなどのミュージック・クリップを手がけるなど、同時代的な感性をベースに映像クリエーターとしても幅広い活動をしてきました。彼は、ミュージック・クリップなどの高い洗練性を有する映像表現と、現代美術というフィールドの中で初めて可能となる非日常的な映像表現の魅力とを、実に軽やかに結びつけ、その両方のメリットを上手に引き出しながら彼独自の映像表現に発展させています。現代美術的なクールさを保ちつつも、同時に非常にわかりすい表現となっているあたりが、彼の作品の最大の魅力のひとつとなっています。






「水」をテーマに、全体が一つの作品として構成された展覧会:new ocean
この展覧会「new ocean」は、「水」を共通のテーマに、7つの独立したヴィデオ・インスタレーション等から構成されており、展覧会全体で一つの大きな作品として成立するように考えられています。そのため展覧会の各部分が視覚的、空間的、また音響的にも有機的に関係づけられたものとなっており、展覧会の中に入った観客は、アーティストによってつくられた映像環境の中を歩きながら、「見る」のではなく、実際に作品を「体験」してくことになります。(なお、本展は2001年にロンドンで開催された「new ocean」展の日本巡回展で、日本における彼の初の大規模な個展となります。)


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Photo: new ocean 2001 Produced by the Fondazione Sandretto Re Rebaudengo, Turin, presented in association with the Serpentine Gallery, London
Courtesy of the artist, 303 Gallery, New York, Victoria Miro Gallery, London and Gallerie Hauser & Wirth & Presenhuber, Zürich
photo © : Stephen White



Gallery 1
展覧会はまず、アラスカの氷河をミクロとマクロ双方の視点から捉えた3つプロジェクションによる作品thawから始まります。この作品は、実際にエイケンがアラスカでロケした映像がベースになっており、展覧会の最初の部分において水のもつ「始原的」な要素を印象付ける役割を担っています。
次は、雫となって滴り落ちる水の様相をミニマリスティックに描くone second expansionです。これは、壁面に据えられた向かい合う二つの半球状のスクリーンに、円形に切り抜かれた映像をプロジェクションさせる作品です。
ギャラリーの大きな空間の中空には、大きな円形のスクリーンを2つ中央でクロスさせたwindow 2が吊り下がります。これは戸外の様々な場所に置かれた白いパネルにカメラが順次フォーカスインしていく映像をコラージュにして写しだすものです。(これは東京展に出品される新作です。)
Gallery 1の最後の壁面には、水と密接な関係をもつ大都市の夜景を空から俯瞰した巨大なライトボックスによる作品riseが展示されます。これは自然と都市のイメージが交錯する本展のイメージの中で、重要な役割を持つ作品です。


Gallery 2
まず水を追い求めるかのように砂漠や街をさまよい続ける青年の姿を、X字に立体交差させた一辺5メートルのスクリーンで見せる new ocean floorが、そしてその隣では、鉄棒でアクロバティックな運動をする少女の姿を、同じくX字に組み合わされたスクリーンにプロジェクションさせるnew ocean new machineが展示されます。
展覧会の最後は、直径約10メートルの円形の部屋の内壁全体が360度にカーブしたスクリーンとなるnew ocean cycleとなります。これは展覧会全体を締めくくるにふさわしいクライマックス的な作品で、ここに至るまでの他のすべての作品がこの作品のために存在していると言っても良いほどの大きなインパクトを持っています。
壁面に吊された360度のパノラマ画面には、膨大な水をたたえて沈黙する遠い外洋の光景や、怒涛のように崩れ落ちる巨大な滝の映像が、お互いにシンクロさせられた7台のプロジェクターによって映し出されます。そして穏やかに鳴り響くミニマルなサウンドに充たされた室内の上部には、円形のスクリーンが据えられ、そこには水底から眺められた水の中を泳ぐ少女の姿が映し出されています。


オーソドックスな美意識に光を当てる、美しく洗練された高い造形性
new ocean展にみられる、畏怖を感じさせる壮大な大自然の営みや、加速しながら断片化していく都市の風景のイメージを鮮烈な同時代的感覚のもとにコラージュのように描き出していく映像は、ダグ・エイケンの身体から発せられるオリジナル・ビートともに、展示空間の中に立体的にマニピュレートされ、それらの映像は、あたかもオーソドックスな美術のあり方を想起させるような、非常に高度に洗練された美しい造形性をもって、その場にたたずむ者を魅了します。
映像の中の色彩や空間的な構成への配慮など、細部に至るまで徹底的に緻密に作り込まれた作品は、立体的な音響効果を持つアンビエントなオリジナル・サウンドと複雑にオーバーラップしながら、私たちの皮膚が接する同時代性を見事に描出しており、そのオーソドックスな美意識と同時代的な感性とを見事に融合させた作品は、近年急速に広がりを見せるヴィデオ・アートに新たな次元をもたらすものといえるでしょう。



関連情報
◎東京オペラシティアートギャラリー開館3周年記念!
東京オペラシティアートギャラリーは9月9日に開館3周年を迎えます。
感謝の気持ちを込めて、アニバーサリー企画「入場料50%OFF」&「オリジナル・トートバックプレゼント」を実施します!

1)入場料金50%OFF、連続8日間!!
期間:8月31日[土]─9月8日[日](9月2日[月]の休館日は除く)
本展開催初日より8日間入場料を半額にします。
一般\1000→\500 大高生\800→\400 中小生\600→\300
(他の割引との併用はできません/中小学生は土日は無料でご覧いただけます)

2)「オリジナル・トートバック」プレゼント
期間:8月31日[土]─9月16日[月](9月2日[月]、9日[月]の休館日は除く)
期間中、毎日先着50名様に「オリジナル・トートバック」をプレゼント!
カラーはブラック。B4サイズまでスッポリ入るゆったりサイズ。思わず持って歩きたくなるデザインです。


◎「ダムタイプ:ヴォヤージュ」展でも割引に
東京オペラシティ4FにあるICC(NTT Inter Communication Center)で開催の「ダムタイプ:ヴォヤージュ」(8月23日[金]─12月1日[日]会期が延長されました)のチケット半券をお持ちになると、本展が団体割引料金でご覧いただけます。
(また、本展のチケット半券提示でICC「ダムタイプ」展が団体割引料金でご入場いただけます。)


◎ダグ・エイケン リミテッド・エディション・プリントを販売します
本展にあわせて制作された、オリジナル・プリント作品 new oppositionを特別廉価で販売いたします。(もちろん作家サイン入り!)
エディション300のうちの150部のみの限定販売となりますので、この機会にダグ・エイケンのオリジナル作品のオーナーとなるチャンスをどうぞお見逃しなく!

9/8(日)まではアニバーサリー・ウィーク特別価格にて承ります。
通常:38,000円 → 特別価格:35,000円(額装代込み、税別)

ご予約・お申し込み:ギャラリー5 03-5353-0449

→詳しくはこちらをご覧ください
NADiff のウェブサイト http://www.nadiff.com/
(トップページから「ナディッフからのお知らせ」または「Information」をクリック)


インフォメーション
期間:2002.8.31[土]─ 11.17[日]
開館時間:12:00 ─ 20:00(金・土は21:00まで、最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日=9/17、9/24、10/15、11/5)
入場料:一般\1000(\800)、大高生\800(\600)、中小生\600(\400)
※収蔵品展012「難波田龍起の青─寺田コレクションより」project N 11「大塚泰子」の入場料を含みます。
※( )内は15名以上の団体料金、その他割引制度あり
※週末は中小生無料。
※8月31日[土]─9月8日[日]は開館3周年記念として入場料が半額になります。
「ダムタイプ:ヴォヤージュ」のチケット半券の提示で団体割引の料金で本展にご入場いただけます。
※割引の併用はできません。

主催:(財)東京オペラシティ文化財団
後援:アメリカ大使館
特別協賛:日本生命
協賛:NTT都市開発/小田急電鉄
協力:日本航空
助成:花王芸術・科学財団/芸術文化振興基金

new ocean 2001 Produced by the Fondazione Sandretto Re Rebaudengo, Turin, presented in association with the Serpentine Gallery, London

お問い合わせ:東京オペラシティアートギャラリー Tel.03-5353-0756