次回展覧会
「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building」 2018/9/7 update

東京オペラシティ アートギャラリーでは2018年10月19日[金]から12月24日[月]まで、「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building」を開催いたします。

《エストニア国立博物館》
タルトゥ
2006-16
Dorell.Ghotmeh.Tane / Architects
photo: Eesti Rahva Muuseum

フランスを拠点に世界各地でプロジェクトを進め、現在もっとも注目を集める気鋭の建築家・田根剛(たね つよし)。20代の若さでドレル・ゴットメ・田根(DGT.)として〈エストニア国立博物館〉の国際設計競技に勝利し、選出から約10年の歳月を経た2016年秋に同プロジェクトが竣工を迎えるなど、国内外の注目がさらに高まっています。また、2012年に行われた新国立競技場基本構想国際デザイン競技(ザハ・ハディド案選出時)に参加し、11人のファイナリストに選ばれた〈古墳スタジアム〉は幅広い層に知られるきっかけとなりました。2017年のDGT.解散後はAtelier Tsuyoshi Tane Architectsをパリに設立し、活動の場をさらに広げています。

《新国立競技場案 古墳スタジアム》
東京
2012
Dorell.Ghotmeh.Tane / Architects

このたび東京オペラシティアートギャラリーとTOTOギャラリー・間は、田根剛の展覧会を同時期に開催します。「Archaeology of the Future ─ 未来の記憶」を共通のテーマにしながら、田根の密度の高いこれまでの活動と、建築は記憶を通じていかに未来をつくりうるかという挑戦を、ふたつの会場で紹介します。

東京オペラシティアートギャラリーでは「Digging & Building」と題して、場所をめぐる記憶を発掘し、掘り下げ、飛躍させる手法と、そこから生み出された〈エストニア国立博物館〉〈古墳スタジアム〉といった代表作や最新プロジェクトを大型の模型や映像などによって体感的に展示します。
TOTOギャラリー・間においては「Search & Research」にもとづき、建築における思考と考察のプロセスが展開され、田根のすべてのプロジェクトで実践されている「Archaeological Research(考古学的リサーチ)」の方法論を展観します。

ふたつの展覧会は、場所の記憶をさまざまな角度から分析することで新たな系をつくり、未来につながる建築へと展開させていく、田根の探求と実践のプロセスを総合的に提示しようとするものです。

記憶は現在を動かし、未来をつくる ── この信念にもとづいた田根の創造は、都市の担い手である私たち一人一人にとって建築の持つ力や使命、未来への可能性を考えるきっかけとなるでしょう。

《A House for Oiso》
神奈川
2014-15
Dorell.Ghotmeh.Tane / Architects
photo: Takumi Ota

『Archaeology of the Future ─ 未来の記憶』

まだ誰も見たことのない、経験したこともない、想像すらしたことのない、そんな建築をつくりたいと思っています。でもそれは奇抜な未来型の建築とは違う、場所の記憶からはじまる建築、そんな途方もないことを考えています。

私はいつも考古学者のように遠い時間を遡り、場所の記憶を掘り起こすことからはじめます。そこでは今日の世界から忘れ去られ、失われ、消えてしまったものに遭遇し、それらを発見する驚きと喜びがあります。その時、記憶は過去のものではなく、未来を生み出す原動力へと変貌するのです。

場所には必ず記憶があります。建築はその記憶を継承し、未来をつくることができるのです。未来は必ず訪れます。建築はこの時代を動かし、未来のその先の記憶となります。まだ誰も見たことのない未来の記憶をつくること、建築にはそれが可能だと信じています。

田根 剛



田根 剛
Photo: Yoshiaki Tsutsui

田根 剛(たね つよし) プロフィール

建築家。1979年東京生まれ。Atelier Tsuyoshi Tane Architectsの代表としてフランス・パリを拠点に活動。現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行している。主な作品に〈エストニア国立博物館〉(2006-16)、〈A House for Oiso〉(2012-15)、〈LIGHT is TIME〉(2014)(以上DGT.)、〈(仮称)弘前市芸術文化施設〉(2017-)など。フランス文化庁新進建築家賞(2007)、フランス国外建築賞グランプリ(2016)、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞(2017)など受賞多数。2012年よりコロンビア大学GSAPPで教鞭をとる。




インフォメーション

田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building
Tsuyoshi Tane | Archaeology of the Future — Digging & Building


期間:2018年10月19日[金]─ 12月24日[月]
会場:東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]
開館時間:11:00 ─ 19:00 (金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(12月24日は開館)

入場料:一般 1,200円(1,000円)、大学・高校生 800円(600円)
中学生以下無料

  • 同時開催「収蔵品展064 異国で描く」「project N 73 中村太一」の入場料を含みます。
  • 収蔵品展入場券200円(割引は無し)もあり。
  • ( )内は15名以上の団体料金
  • 障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
  • Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
  • 割引の併用および払い戻しはできません。

お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
特別協賛:NTT都市開発株式会社
協賛:シチズン時計株式会社、株式会社大林組
協力:キヤノン株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、日本航空株式会社
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本、在日エストニア共和国大使館
助成:公益財団法人テルモ生命化学芸術財団




2館連携企画
TOTOギャラリー・間でも同時期に開催

田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Search & Research

期間:2018年10月18日[木]─ 12月23日[日・祝]
会場:TOTOギャラリー・間(東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F)
開館時間:11:00 ─ 18:00
休館日:月曜日・祝日(11月3日[土]、12月23日[日・祝]は開館)



田根 剛 講演会
「Archaeology of the Future ─ 未来の記憶」

日時:2018年10月20日[土] 17:30開場、18:30開演、20:30終演(予定)
会場:イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F)
定員:500名/参加無料  CPD認定プログラム
参加方法:【事前申込制】申込期間内にTOTO ギャラリー・間ウェブサイトよりお申込みください。

申込期間:2018年8月22日[水]─ 9月25日[火]
*応募者多数の場合、抽選の上、2018年10月12日[金]までに結果をご連絡いたします。