![]() ![]() 《木》 油彩,アクリル,キャンバス 80.0 x 80.0cm 2008 photo: 早川宏一
![]() 《植物》 油彩,アクリル,キャンバス 115.0 x 110.0cm 2009 photo: 早川宏一 courtesy: Gallery Teo 熊谷の記憶の中の植物は、彼がキャンバスに丹念に絵具をのせ、色とかたちを探りながら、すべらかに輪郭をぼかしてゆくことによって再生されます。「自らの筆致に触発されて進む」熊谷を導いてゆくのは「絵画の感触」です。熊谷は物質としての絵画に関心をもち、描くことによって、記憶した素材の質感をモティーフに反映させます。現実に存在するものの「質感」を足がかりに、その感触を確かめながら自分の中で拡張し、非物質としての「植物の存在感」へ到達しようとするこの行為は、物質を媒介に熊谷の知覚を深化させてゆくことでもあるでしょう。そうして生まれた画面は見る者の知覚にも作用するのです。たとえば立ちのぼる蜃気楼の揺らめき、高温の窯の中の釉薬のとけ具合、雪の結晶が手のひらですっと溶けて水に戻る速度・・・等々、時に自然にまつわる私たちの記憶を呼び起こします。 ![]() 《森色》 油彩,アクリル,キャンバス 33.5 x 33.5cm 2009 photo: 早川宏一 植物を描くことで絵画への探求を深めてきた熊谷は、自らの制作を「深刻なものではなく、まず描いてみること。そして自分を肯定しながら先に進むこと」だと言います。熊谷の記憶の底にある様々なものが、彼の意識の外から生まれた色やかたちを抱き込みながらイメージを紡いでゆきます。熊谷にとって、描くことは偶然(=自然)を直感的にとらえ、その小さなパーツをなだらかにつないでゆくことで、植物という生命を現出させることなのではないでしょうか。油彩と平行して日々制作されるドローイングも、熊谷の意識を外部に向けて解放するものであるといえましょう。熊谷のポジティブで淡々とした行為の連続が、彼の絵画を自身のイメージを越えた次元へと飛躍させるのです。それは一本の樹が細胞分裂を繰り返しながらみずみずしい葉を茂らせ、空間を満たしてゆくように、シンプルなものごとの積み重ねが、想像も及ばない広がりをもって私たちを驚かせるのに似ています。 生命あるがままの姿でそこにあり、見る者に新しい世界を示してくれること。光を浴びるよろこびを全身に溢れさせて、私たちの心にも柔らかな光をもたらすこと。植物のもつ可能性を、熊谷の絵画もまた内包しているのです。
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| 熊谷直人 KUMAGAI Naoto | |
| 1978 | 東京都生まれ |
| 2003 | 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業 |
| 2006 | Gallery Stump Kamakura共同設立 |
| 2007-09 | ベルリンに滞在(07-08 文化庁新進芸術家海外留学制度研修員) 現在,東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻博士後期課程在籍 神奈川県在住 |
| 主な個展 | |
| 2001 | 空木画廊,東京 |
| 2004 | 銀座スルガ台画廊,東京 |
| 2006 | Gallery覚,東京 |
| 2009 | 「pd」,Gallery Teo,東京 |
| 主なグループ展 | |
| 2003 | 「ARTISTS BY ARTISTS」,六本木ヒルズ森タワー,東京 |
| 2004 | 「シェル美術賞2003>2004」,代官山ヒルサイドフォーラム,東京(カタログ) |
| 2005 | 「谷中日和」,ギャラリーJ2,東京 「台東区長賞展」,東京藝術大学大学美術館陳列館,東京 |
| 2006 | 「キミ・ボクはいない〜晴ればれ」,Gallery Stump Kamakura,神奈川 |
| 2008 | 「Leaves」,Gallery Murata & Friends,ベルリン |
| 2009 | 「キャラバン隊『陣をたため!出発だ!愛と希望とカオスのもとへ!』 キャラバン 隊 美術部 plan of Mitonoya」,なびす画廊,東京 |
■インフォメーション
会場:東京オペラシティ アートギャラリー 4Fコリドール
期間:2010.1.16[土] ─ 3.22[月・祝]
開館時間:11:00 ─ 19:00(金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日 :月曜日(3月22日は開館)、2月14日[日](ビル全館休館日)
入場料 :企画展「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」の入場料に含まれます。
主催:財団法人東京オペラシティ文化財団
お問い合わせ:東京オペラシティアートギャラリー Tel. 03-5353-0756








![project N 40 熊谷直人 KUMAGAI Naoto 2010.1.16[土] ─ 3.22[月・祝]](/ag/exh/img/116/title.gif)






